米国で注目されているコロナワクチンについて

person30代/男性 -

先日、米国のファイザー社の新型コロナウイルス感染症ワクチンが、「発症を防ぐ90%以上に上った」とのニュースを目にしました。

まだ詳細なデータまでは分からないのかもしれませんが、安全面においても「深刻な懸念は見られない」と報道では語られており、「もしかしてこれでコロナ禍も収束に向かうのか…?」と少し希望も感じているのですが、医師の方からご覧になって、今回のワクチンに対する期待や懸念点などはあるのでしょうか。

まだ情報の少ない状況なのかもしれませんが、現時点でのお考えなどがあれば、伺えますと幸いです。

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ニュースの発表の時期は政治的経済的な意味合いも有るのかもしれませんが、コロナ禍も収束に向かう可能性は有るでしょうし、来年の収束に少し期待しています。

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患者目線のクリニック

相談者さん

なぎ輔 先生 へ

ありがとうございます。
政治的な意味合いまで想像ができておりませんでしたが参考になります。
医師の方も期待を持っていらっしゃるとのこと、良い方向へ収束していけば…と感じます。
お忙しい中ご回答くださり、感謝申し上げます。

期待はしておりますが、
実用にはまだ先で、コロナの収束を考えるのは、時期尚早ではないかと思います。

相談者さん

山田 先生 へ

やはりまだまだ予断を許さない状況なのですね。。
お忙しい中ご回答、ありがとうございます。

ニュースでは、聞きましたが、実用性に関しては何とも言えないと思います。
感染した人に使う治療薬に比べて、健康な人に感染予防目的で使うワクチンには、はるかに高い安全性が求められます(短期的、中-長期的ともに)。実際の臨床データを詳しく見ないと判断は難しく、海外でのデータがそのまま日本人に当てはまらない場合もあります。
コロナ禍の収束には、まだまだ時間がかかると考えます。

相談者さん

moriwaki 先生 へ

ありがとうございます。
なるほど、日本人でどのような結果になるかはわからないということですね。。

ちなみにインフルエンザなど他の一般的なワクチンでも、実際に欧米人とアジア人では予防効果の差があったり、白人には見られない副反応がアジア人に見られるなど、人種による効果の差は結構現れるものなのでしょうか。

moriwaki 先生

御連絡ありがとうございます。
インフルエンザワクチンの効果は、既に世界的に確立されています。
ただし、国によって製造法、接種株の種類・数(日本ではその年に流行が予測される4つのインフルエンザの株を接種)などが異なります。最近の韓国での多数の死亡例は、日本には当てはまりません。
そのため、同じアジア人や欧米との直接の効果・副反応の比較はできないと考えます。

相談者さん

moriwaki 先生 へ

重ねてのご回答、ありがとうございます。
同じワクチンでも国によって製造法などは異なるのですね。日本と韓国ですらそのような違いがあるのかと驚きました。
仮に今回のワクチンが日本で接種可能になるとしても、人種差はもちろん、どのような製造/流通/接種条件を課すかなどによっても前提が異なるとすると、安心するにはまだまだ先は長いのかも…という印象を持ちました。
いずれにせよご丁寧に回答いただき感謝申し上げます。理解が深まりました。

ファイザーの開発したワクチンは開発成功例であり優れた臨床治験の成績が得られています。
問題は、このワクチンの運搬、保管時に-70°程度の超低温が必要とされるところです。
様々な研究にて使用されるディープフリーザーが必要となります。
ハード面での検討をセットで行う必要があり、実際に接種可能な施設は限定されると思います。

相談者さん

taka991120 先生 へ

ありがとうございます!
ご懸念としていただいた「-70度での超低温が必要」というのも気になっていました。
実際のところ、そのような設備を持っているのは、大学病院などに限られるのが実情なのでしょうか。
地域に存在する一般的な医療機関にとってはやはりかなりハードルが高い設備なのでしょうか。
たびたび申し訳ありません。

taka991120 先生

回答者も大学院時代ディープフリーザーを使用して研究を行なっていましたが、研究用のフリーザーには「空きスペース」はありません。
新規の購入が必要となることは確かだと思います。設置するスペース、電気代を考えると、総合病院・大学病院レベルでの施行になると予想されます。

相談者さん

taka991120 先生 へ

ありがとうございます。
既に設備がある医療機関であっても、空きがあるかというとそうではなく、現状の設備だけでは足らなくなるかもしれないのですね…。
ワクチン自体の効果が十分に確立していない状態で、そのような投資判断を医療機関側に迫るのも酷な話になりそうですね。
何かしら国や行政のサポートなども必要なのかもと感じました。
理解が深まりました。追加で悩み質問にも丁寧に応じてくださり、ありがとうございます。

新型コロナウィルスのワクチンに関しては、その注目度から、本来ならニュースになるレベルではない不確かで、かつ他の薬剤では研究及び治験段階でありがちな、三歩進んで二歩下がるレベルの出来事が、さも最終結論のように報じられています。
眉唾とは言いませんが、変に踊らされたり落胆したりせず、淡々とニュースを眺めています。

相談者さん

ミスター・ハイドレンジア 先生 へ

なるほど、たしかに世論の関心もあって目新しい情報が通常より大袈裟に報道されてしまう側面は確かにありそうですね。
そうした前提を持って報道に接したいと感じました。ご回答ありがとうございます!

大いに期待はしています。
ですが、実際の効果に関しては使ってみないとわからないというのが現実です。
ワクチンに限らず、臨床試験では効果があっても、実際には期待したほどの効果がない、というケースはたくさんあります。

相談者さん

千葉の小児科医 先生 へ

ありがとうございます!

「実際に使ってみないとわからない」というのは、裏返せば、臨床現場で実用されてから、治験で得られた結果がひっくり返るようなことも珍しくないということでしょうか。
仮に実用化されたとしても、ある程度の時間(1-2年など?)を設けて予防効果や安全性の評価ができないと全国民への接種は難しく、収束には向かわない…のようなイメージでしょうか。

千葉の小児科医 先生

そうですね。結果がひっくり返るのも珍しくないです。
その一方で、天然痘ワクチン、麻疹ワクチン、ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチン、ポリオワクチンのようにワクチンの登場で一気に感染症の流行状況が一変したというケースもありますので、期待もしています。

相談者さん

千葉の小児科医 先生 へ

なるほど…期待しすぎも禁物かもしれませんが、逆にうまく(想像以上に?)効果を発揮されたケースも、歴史上存在するのですね。
追加での質問にもお答えいただき誠にありがとうございます。大変勉強になりました。

今回のワクチンに対する期待や懸念点などはあるのでしょうか。とのことですが、やはり、初めてのrnaワクチンですから、安全性がどうか、もう少し時間がかかると思います。

相談者さん

はるる 先生 へ

ご回答ありがとうございます!
なるほど。実用例のなかったRNAワクチンであるという点も、特に安全面で慎重になった方が良いということですね。。

一応期待はしていますが、いまいち情報が十分ではありません。安全性に関しては、特に情報が不足しており、予断は許されないと思います。

相談者さん

ベテラン腫瘍内科医 先生 へ

ご回答ありがとうございます。
やはり現状の報道レベルで安全性の評価を下すのは早計なのですね。。
気を緩めずに過ごしたいと思います。

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