インフルエンザ丸わかり!風邪との違い、A型B型から合併症まで

  • 作成:2017/01/16

インフルエンザの症状は高熱や頭痛があり、時に下痢や嘔吐などの症状が出る方がいます。また、インフルエンザのウイルスには型があり、症状があまり強くない種類もあります。インフルエンザの症状について、医師監修記事で、わかりやすく解説します。

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頭をおさえる女性

目次

全身にあらわれる症状が特徴

インフルエンザは一般的な感冒(急に症状の出る呼吸器の病気)などとともに風邪症候群の一種であり、咳や鼻水のほかに発熱などの激しい全身症状があり、毎年流行が見られる特徴があります。一般的な経過としては、1日から2日の潜伏期間(感染してから症状が出現するまでの期間)を置いて発症し、10日前後で治癒します。潜伏期間の後は、突然38度以上の発熱で発症することが多く、全身症状として頭痛、全身の倦怠感(けんたいかん、身体のだるさ)、関節痛、筋肉痛などがみられます。やや遅れて咳、鼻水、咽頭痛(のどの痛み)など呼吸器の症状が出現してきます。

通常私たちがかかる風邪(感冒)もインフルエンザと同じくウイルスでおきる感染症です。風邪の場合は原因となるウイルスがインフルエンザと異なり、「ライノウイルス」や「コロナウイルス」と呼ばれるウイルスが一般的です。風邪の症状としては咳、鼻水、のどの痛みなどの呼吸器症状が中心ですが、インフルエンザでは高熱などの強い全身症状が顕著になります。したがって、38度から40度を超えるような高熱や悪寒(全身の嫌な寒気)、さらに頭痛や関節痛など症状が見られる場合にはインフルエンザを疑うポイントとなります。また、中には腹痛、嘔吐、下痢といった腹部症状が出る人もいます。

成人は関節痛や筋肉痛が特徴

成人の症状としては関節痛や筋肉痛が特徴的ですが、免疫がしっかり確立されていない子供や、免疫の低下している高齢者では、症状がはっきりと現れないことや重症化することもあります。したがって世代によっても症状が異なる場合があり、小児では中耳炎やけいれんが見られることがあります。高齢者では呼吸困難や痰(たん)といった症状が見られることもあります。

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インフルエンザの原因と代表的な症状

インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる感染症です。日本では毎年12〜3月頃に流行します。インフルエンザウイルスには幾つかの種類があり、日本では大きく分けて3種類のウイルスが毎年確認されます。それぞれA型、B型、C型と呼ばれますが、大きな流行の原因となるのはほとんどA型とB型だけです。

代表的な症状に、38℃以上の高熱、それに伴う関節痛、全身の筋肉の痛みや頭痛、食欲不振などが挙げられます。また、鼻水や咳、のどの痛みといった風邪症状も起こります。

普通の風邪と見分けるポイントとしては、これらの症状が突然現れるということと、全身に痛みやだるさなどの症状が風邪と比べて出やすいということが挙げられます。

ただし、感染するウイルスの種類や既にインフルエンザの予防接種を受けている場合には症状が軽いこともあり、インフルエンザに罹っていることに気が付かないこともあるようです。

それほど頻度は多くありませんが、インフルエンザが重症化すると幼児では急性脳炎、高齢者や抵抗力の弱まっている方であれば肺炎などを起こすこともあるので早期に受診し、治療を行うことが重要です。

インフルエンザによる下痢

前述のB型インフルエンザや、新型インフルエンザに罹ると下痢や腹痛の症状が出ることがあります。新型インフルエンザとは、A型インフルエンザの中でもウイルスの変化が顕著で、ほとんどのヒトが免疫を持っていないために急速に大流行するインフルエンザウイルスを指します。

インフルエンザを発症することで消化器系にダメージを受け、重い腹痛や激しい下痢が起こってしまった場合はその後の対処に注意が必要です。

まず、不用意に下痢止めの薬などを服用して症状だけを抑えてしまうと、ウイルスを身体の外に排出することができなくなってしまうので治りが遅くなることがあります。

また、下痢を起こしている間は体内の水分が大量に失われた状態になりますので、つらくてもしっかりと水分を補給しなくてはいけません。

ただ、胃腸は弱ってしまっているので無理に食事を摂ろうとせず、栄養補給食のゼリーや消化しやすい食べ物を少しずつ食べるのが良いでしょう。

インフルエンザによる嘔吐

ご紹介した通りインフルエンザには様々な症状がありますが、重くなると嘔吐を伴う場合もあります。嘔吐症状が出てしまうと、体力の低下や脱水症状の恐れがあり危険です。栄養や水分の補給が難しくなり、薬を飲んでも吐き出してしまうこともあるため、そのような状態に陥ってしまったら病院で点滴などを受ける必要があります。

また、吐瀉物(としゃぶつ:口から吐いたもの)は正しい処分をしないと、家族や身の周りの人に感染してしまう危険があり、使い捨てのマスクや手袋を着用して処理することが効果的です。

適切な治療をし、また二次感染を防ぐためにも早い段階で医師の診断を受けることが大切です。安易な自己判断でインフルエンザでないと思い込んでしまったりせず、少しでも疑わしい場合は必ず検査を受けましょう。感染初期に効果的な処置を取ることで、その後の症状を少しでも軽くできる可能性も十分にあることを覚えておいて下さい。

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A型の流行は毎年、B型は数年おき

インフルエンザにはA型とB型とC型があります。インフルエンザC型は、風邪のようなもので一度かかると体の中に抗体ができてその後はほとんどかからないとも言われているので、あまり話題になりません。インフルエンザA型は毎年冬になると流行し、必ずと言っていいほど猛威を振るいます。理由は、インフルエンザウィルスの表面のタンパクが突然変異を起こしやすく、毎年形を変えられるため、私たちの体に抗体ができていない可能性が高く感染してしまうからです。

これに対し、B型はウィルス表面のタンパクの突然変異のスピードが遅いことが知られており、一度抗体ができると何年かは対応できるため、数年おきに流行すると言われています。またA型はヒトだけでなく、トリなども介して流行するのに対し、B型はヒトにしか感染しません。その他では流行時期や症状の出方も少し違います。A型は上気道の症状、つまり鼻水やくしゃみ、咳などの症状が強く出ますが、B型は吐き気や胃炎などの消化器症状が出ることが多いと言われています。

咳や鼻水、くしゃみがA型の症状

インフルエンザA型は、毎年11-12月から流行が始まり1-3月にピークを迎えます。インフルエンザA型は、1-3日間の潜伏期の後に一気に38度以上の高熱を出し、頭痛、腰痛、関節痛、倦怠感などの強い全身症状を伴います。咳や鼻水、くしゃみ、痰などの上気道の症状もインフルエンザA型によく起こりますが、風邪と違って明らかに全身状態が悪く、高熱が出ることが特徴的です。

世界的な流行はA型ばかり

インフルエンザA型はこのように毎年ウィルスの形が変わりやすく、大流行を起こす可能性があります。そのためパンデミックと言って、世界的な流行を起こす危険性があるためインフルエンザの中でも一番名前をよく聞きます。20世紀に入って大流行を起こしたインフルエンザは、1918-1919年のスペインインフルエンザ(A/H1N1)、1957年のアジアインフルエンザ(A/H2N2)、1968年の香港インフルエンザ(A/H3N2)があります。そして最近では2009年に新型インフルエンザ(A/H1N1)が猛威を振るい日本では2000万人が感染したと考えられています。よく知られた世界的な大流行においては、全てA型インフルエンザウィルスが原因であることが分かります。

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A型がはやりやすいメカニズム

インフルエンザウイルスは直径約1万分の1mmの大きさで、A型、B型、C型の3種類に大きく分けられます。そもそもウイルスには自己増殖能(自ら増殖する能力)を持っていないため、ヒトなどの細胞に寄生してでしか生きていけないのです。この点が他の生物や細菌との大きな違いです。

インフルエンザウイルスの表面には、感染してヒトの細胞内に侵入するために必要なタンパク質が2つあり、「血球凝集素(HA)」と「ノイラミニダーゼ(NA)」と呼ばれます。HAはウイルスを細胞内に取り込む役割があり、NAは逆に細胞とHAの結合を切断して、複製されたウイルスをまた他の細胞へ放出させる役割があります。

B、C型には1種類しかありませんが、A型インフルエンザにはHAが16種類、NAが9種類見つかっています。そのためA型は非常に多様性を持っており、亜型(A型の中での種類)が多く、過去の大流行を見せたスペインかぜ、香港かぜ、鳥インフルエンザもすべてA型でした。また、A型は遺伝子レベルで突然変異も起こりやすく、ワクチンが開発されていない型も出現するため、世界的な流行の危険が大きいタイプと言えます。

潜伏期間は1日から2日

インフルエンザウイルスの特徴として増殖スピードの速さが挙げられます。1つのウイルスが感染すると8時間後には100個、16時間後には1万個、24時間後には100万個にまで増殖すると言われています。そのため、インフルエンザの潜伏期間はとても短く、1日から2日程度です。

インフルエンザ自体は健康な方であれば、高熱による脱水を防ぐために水分をしっかりとり、安静にしていれば、1週間程度で自然治癒してしまうものです。現在では抗インフルエンザ薬が一般的に使用されるようになってきたことで、明らかに症状は軽く済む場合が多くなってきています。

B型とC型の特徴はどんなもの?

インフルエンザウイルスには大きく3種類あり、A型、B型、C型に分けられます。この中で毎年流行が起きているのはA型やB型です。特に「変異」とよばれる、一度かかった人でも免疫が働かない新しい種類が現れやすい変化がみられ、感染力が強いA型は大流行が起こるとされています。一般的にA型は重篤な症状が現れる傾向があり、過去に「スペインかぜ」など世界的な大流行を起こしてきました。また、2009年に世界的大流行(パンデミック)が起きた新型インフルエンザもA型です。A型の症状としては、一般的なインフルエンザの症状である高熱、関節・筋肉痛が特徴的です。

B型も症状は似ていますが、腹痛や下痢といった腹部症状がA型に比べ、出現しやすいです。B型はA型のように新しい型が出現しにくく、毎年のような流行は見られません。一方で、C型はA・B型に比べて症状が強くなく、風邪程度の症状で治まってしまうことが多いです。またC型は、他の型に比べて季節性があまり見られず、普通の風邪として気づかれないケースも多いようです。

対処法は、どの型でも大きく変わらない

インフルエンザの型が違っても、基本的に感染の仕方は変わらないため日ごろの感染予防の方法は変わりません。 

インフルエンザは感染している人の咳や痰、鼻水などに含まれているウィルスが口や鼻から入って体の中で増殖することで感染します。冬は空気が乾燥しているため、咳やくしゃみなどに含まれたウィルスが一度地面に落ちても再び舞い上がりやすいので感染拡大へとつながります。そのため、流行時期にはウィルスをなるべく吸い込まないようにマスクを着用し、帰宅時にはウィルスを体の中へなるべく入れないように、うがいと手洗いを欠かさないようにしましょう。

ウィルスは乾燥を好むため、家庭に加湿器を置くのも良いです。特に抵抗力が弱い高齢者や乳幼児などは、重症化したり肺炎や髄膜炎などの合併症を起こすリスクが高いため注意が必要です。

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季節性と新型で異なる致死率

インフルエンザは健康な人が発症した場合、基本的に合併症なく治癒することが多い病気ではありますが、高齢者の方が重症化しやすく死亡率が高いのが現状です。また、インフルエンザの致死率は全体として0.001%未満であり、年齢別で見ると、70歳以上の高齢者では0.03%と平均よりも30倍も高い結果となっていす。

一方で、季節性インフルエンザではなく、新型インフルエンザではかなり死亡率はかなり高い状況となっています。WHO(世界保健機関)の報告によると、「H5N1型」という鳥インフルエンザウイルスの感染では、死亡率70%程度と非常に高くなっています。季節性インフルエンザの死亡率が0.1%未満であることを考えると世界的にも大変な社会問題となったことがよく分かります。

合併症最多は肺炎

 

インフルエンザの主な合併症には、肺炎、インフルエンザ脳症、筋炎などがあります。この中で最も頻度が高く死亡原因の90%以上を占めているのが肺炎です。肺炎を直接引き起こすのは肺炎球菌などの細菌であり、インフルエンザが直接の原因ではありません。インフルエンザに感染すると、鼻から咽頭(いんとう、のどの部分)、気管支に至る気道にある「線毛細胞」と言われる表面に毛のついた細胞がダメージを受けます。通常、毛の部分が病原菌などの異物を引っかけて、口や鼻から排出させることで、病気から身体を守っていますが、ダメージを受けると細菌などが肺に侵入しやすくなり、肺炎を生じやすくしてしまいます。特に高齢者(65歳以上)や呼吸器や心臓に持病のある方はリスクが高くなります。インフルエンザにおける肺炎の合併率は小児から成人にかけて5%前後なのに対して高齢者では約25%とかなり高くなっています。症状としてはインフルエンザによる症状が軽快した後、再び発熱や咳、痰(たん)、呼吸困難などの症状が見られてきます。

「ライ症候群」とはどんなもの?

 

神経に関わる合併症としては「インフルエンザ脳症」、「Reye(ライ)症候群」が挙げられます。インフルエンザ脳炎・脳症は小児で重要な合併症であり、インフルエンザA型・B型ともに見られます。5歳以下が過半数を占め、特に2歳以下が44%との報告があります。神経症状が現れるまでの時間は発症から48時間以内が70%以上であり、早期に症状が見られると言えます。症状としてはけいれん、意識障害、麻痺(まひ)、異常行動などで、症状は進行したり、止まったりと変動することが多いです(インフルエンザ脳症については、『子供がインフルエンザにかかったら・・・インフルエンザ脳症の危険性は?』で詳しく解説しています)。

また、Reye症候群も子どもに多い合併症であり、インフルエンザや水痘(水ぼうそう)にかかっている小児が解熱剤(特にアスピリン)を内服していると重篤な脳症になることがあるとされています。症状は1週間から2週間の吐き気や嘔吐(おうと)が続き、その後意識障害やけいれんなどの神経症状が見られてきます。このことからも解熱剤は合併症の危険もあるのでできるだけ使わないほうがよいと言えます。

 

その他の合併症としては小児に見られて筋肉痛(特に足に多い)が出現する筋炎や、直接インフルエンザによるものではありませんが、喘息の悪化や心不全の悪化などが挙げられます。

大人でもインフルエンザ脳症に?

インフルエンザ脳症で大人が死亡した例

インフルエンザの重要な合併症の一つに「インフルエンザ脳症」があります。頻度は低いのですが一度発症すると死亡率が15%から30%と非常に高く、また死亡に至らなくても、脳性マヒなどの重い後遺症を残す可能性もあるため注目されています。インフルエンザ脳症の患者さんは主に子供、特に1歳をピークとして5歳以下の乳幼児が多いのですが、ごくまれに大人にも発症するケースが確認されています。日本でも最近では2015年1月に成人のインフルエンザ脳症での死亡例があり、大きな話題となりました。

大人のインフルエンザ脳症が驚きをもたらした理由

大人のインフルエンザ脳症が大きな話題となった理由は、その頻度の低さです。インフルエンザ脳症自体まだ不明な点も多く、報告により頻度も違いがありますが、例として厚生労働省による「インフルエンザの臨床経過中に発生する脳炎・脳症の疫学及び病態に関する研究」の1999年から2000年にかけてのシーズンにおける調査では大人から子供まで全部で91人のインフルエンザ脳症の患者が発生し、うち20歳以上の成人は3人でした。成人のインフルエンザ脳症の3人のうち、後遺症を残さずに治癒したのが2人、死亡例が1人となっています。

インフルエンザ脳症は日本では年間50例から500例とまれな病気ですが、患者のほとんどは5歳以下の乳幼児であり、成人にインフルエンザ脳症が発症し、死亡するということは医療関係者にとっても大きな衝撃をもたらしました。

症状は同じ。大人の対応や予防は?

インフルエンザ脳症の症状は子供も大人もあまり違いはなく、意識がもうろうとする、昏睡状態になるなどの意識障害、けいれんが最初にみられます。特に急な発熱をみてから数時間から翌日までの亜大、突然のけいれんが始まり、続いて意識障害が起きて救急搬送されるケースがほとんどを占めます。

画像検査では脳浮腫(脳が腫れていること)や脳波の異常がみられます。その後時間の経過とともに肝不全(肝臓が機能しないこと)、腎不全(腎臓が機能しないこと)などの臓器障害、呼吸が出来なくなる呼吸障害、「凝固系」と呼ばれる血液の機能の異常などが起き、呼吸停止や多臓器不全などにより、死亡するケースは全体の3分の1程度と推察されています。

インフルエンザ脳症を予防したり、根本的に治療する方法は、現時点でまだ確立されていません。しかしインフルエンザ脳症に有効と考えられる治療法がいくつか提案されており、それらを組み合わせて治療が行われます。

治療は対症療法と呼ばれる各症状に対する治療で、(1)脳浮腫に対する対策 (2)けいれん対策 (3)感染症対策 (4)抗凝固・抗血栓(血液の機能異常)対策 などを目的に様々な治療が行われます。

また後遺症を残して治癒した場合はリハビリを早期に開始することで機能の改善が見込まれています。

予防については、インフルエンザワクチンを注射してもインフルエンザ脳症を発症した例があり、ワクチンを打ったからインフルエンザ脳症が必ず予防出来るという訳ではありません。ただし、インフルエンザワクチンの注射はインフルエンザ脳症の発生率を減少させるという報告もあり、小さな子供はもちろん、大人もきちんと打った方が良いと考えられています。

食事する子供

水分補給が第一

インフルエンザはタミフル、リレンザに代表される抗インフルエンザ薬の普及によって比較的症状は軽く済むことが多くなってきましたが、やはり基本は安静にしていることが大事です。もともとインフルエンザは抗インフルエンザ薬を使用しなくても、通常1週間程度で自然に治る感染症です。そのため自宅での安静を原則とし、体調に合わせて効果的に食事を摂ることが大切になってきます。特にインフルエンザでは高熱が出ますので身体から汗として大量の水分が失われていきます。したがって、十分な水分補給を行うことが一番重要となります。汗からは水分だけでなく、同時に塩分も失われていきますので、水分補給には単なる水やお茶ではなくて、スポーツ飲料水など塩分を含んだ飲み物が適しています。

食事は無理しなくてもよい

食事に関しては具合が悪い時には無理して食べる必要はありません。栄養をつけようと無理して食事を摂ろうとする方もいるかもしれませんが、まずは水分補給がしっかりできていれば大丈夫です。ただし、水分補給もできないような場合には、病院で点滴をする必要が出てきます。食事ができるようであれば、まずは簡単にとれるヨーグルトや味噌汁などがお勧めになります。もう少し食べられるようになればおかゆやうどんなど消化のよい胃腸に負担をかけないものにしましょう。

ヨーグルトの効果は不明だが…

また、以前ニュースなどで「インフルエンザにヨーグルトが有効である」という報道が話題になりました。一部のヨーグルトに含まれる「R-1乳酸菌」は免疫に関わる「NK(ナチュラルキラー)細胞」と呼ばれる細胞を活性化させ、風邪予防やインフルエンザ予防に有効であり、インフルエンザにかかっても症状が軽いといった内容の報道でした。佐賀県や山形県で行われた調査では確かに感染率が低下し、科学的にもが効果があるということでした。

ただ、医学的にはまだ不明で判然としない部分が多く、本当に有効であるのか不明です。とはいえ、少なくとも病中の食事としての栄養補給には良いとも考えられますので、過度な効果を期待して食べるのでなければ、ヨーグルトは悪いものではないでしょう。

アルコールは厳禁

また、インフルエンザを発症している間、アルコールは当然、控えるべきです。理由の1つとしてアルコールには水分を失わせる作用があり、高熱によって脱水になりやすい状況でのアルコール摂取はとても危険です。また、インフルエンザの予防接種も、基本的に健康的な状態で行うものですので、過度な飲酒をした状態での接種は避けましょう。


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