5歳の子ども、同年代の他の子より10kgも重い…食事・検査も異常なし、どうしたらいいの?
- 作成:2022/05/20
AskDoctorsに寄せられたお悩みをマンガで紹介し、医師からの回答を紹介する本シリーズ。今回ご紹介するのは、5歳の子どもが同年代の他の子どもと比較して10kgも重く、食事制限させるべきか運動させるべきか悩んでいるというお母さんからのご相談です。
この記事の目安時間は3分です
【今回のお悩み】
5歳10ヶ月の息子がいます。現在、身長117.7cm、体重28キロです。
同年代の子と比べると10キロくらい重く、どうやって痩せさせるか悩んでいます。
揚げ物大好きで、唐揚げなどは親が止めないと止みません。母親の私自身太っており、小さい頃に『食べすぎ!!あまり食べるな!』と周りに言われていました。
食べるな!と言われて悲しい気持ちになるのは十分わかっているので我が子にはあまり食べるなと言いたくありません。でも、放っておくとあまりにも食事を食べるので「そろそろやめようか」と言ってしまいます。
以前、子どもの体型のことがあまりにも心配で糖や遺伝子検査もしてもらいましたが、異常はありませんでした。
唐揚げなどの油を使った料理はたまにしかせず、子どもも白米はそれほど食べません。
食事はバランス良く食べている方だと思います。間食もお菓子などは避けて果物などにしています。
子どもの体型を他の同年代の子どもたちと同じくらいにするには、あとはもう運動させるしかないでしょうか。食生活や生活習慣、運動習慣など改めて知りたいです。
医師の回答
子どもの肥満は心配ですよね。うちの娘もよく食べますので時々心配になります。あまり知られていませんが、実は日本の子どもの1割が肥満と言われており、社会的に見ても事態は深刻です。一般に、肥満は当然生活習慣病を伴い動脈硬化を来しますが、子どももその例外ではなく、動脈硬化が進行してしまうからです。
子どもの肥満は主に、基礎疾患のない「単純性肥満」と基礎疾患のある「症候性肥満」に分けられますが、ほとんどが単純性肥満です。症候性肥満の場合は身長が伸びないのがその特徴です。単純性肥満の場合、その原因は単純で消費エネルギーよりも摂取エネルギーが多いことが原因です。つまり食事・おやつ・ジュースなどの過剰摂取、運動不足などが挙げられます。「そうは言っても食べてしまうから・・」と世の中の親御さんの悲痛な叫びが聞こえてきそうです。
子どもの食べる量を減らすのは一苦労ですが、方法はあります。
一つは食材を買いすぎないことです。食材を買いすぎると、「残してはいけない」という思いから、料理を作り過ぎてしまいがち。「食べたいときに食べられる状況」をつくってしまうと、誰しも自分を抑制できなくなりがちですから、注意が必要です。それから、料理を大皿に入れて食卓に出すのでなく小皿に分けるのも有効です。小皿に分けることで、一人分の食べる量が決まってきます。
そのほか夜食は控えさせるなど、食事する時間帯にも注意していただけると良いかと思います。
参考文献
日本小児内分泌学会. 肥満.(2020年4月24日アクセス)
小児科医/新生児科医
日本小児科学会専門医、日本周産期新生児専門医
一般社団法人チャイルドリテラシー協会所属。日本小児科学会健やか親子21委員。大阪大学公衆衛生学博士課程在籍。講談社モーニング連載『コウノドリ』の漫画・ドラマの取材協力。m3(エムスリー)、Askdoctors、yahoo外部執筆者として公衆衛生学の視点から周産期医療の現状について発信。
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