風疹の予防接種(ワクチン) 副作用、効果、値段は?麻疹と同時?接種時期も解説

  • 作成:2016/02/29

風疹は、予防接種を受けることで、ほぼ防ぐことがあります。どのようなワクチンなのか、副作用があるのかや価格の問題を含めて、医師監修記事で、わかりやすく解説します。

アスクドクターズ監修医師 アスクドクターズ監修医師

この記事の目安時間は3分です

風疹の予防接種はどんなもの?

風疹の予防接種(ワクチン)はいつ受ける?

風疹(三日ばしか)は、風疹ウイルスでおこる感染症です。くしゃみや咳で飛んだ鼻咽頭の分泌物を介してうつります。発熱や発疹、リンパ節のはれが主な症状ですが、30%程度の人には症状が出ないとされます。風疹はかかっても軽い症状ですが、まれに脳症などの病気を引き起こします。また、大人は症状が重くなる傾向があるほか、妊婦が風疹にかかると重大な症状を引き起こす赤ちゃんに「先天性風疹症候群」を引き起こす可能性もあるため予防が重要です。風疹が及ぼす影響を考えると、予防が大切ということになります。

風疹の予防接種は、国によって勧められており、免疫をしっかりつけるために2回接種します。接種時期は、第一期が1歳児、第二期が5歳以降から小学校入学前までです。

風疹の予防接種(ワクチン)の効果

風疹の予防接種では、生ワクチンを注射します。「生ワクチン」とは、細菌やウイルスの毒性を弱くして作ります。ほぼ害を示さないウイルスが体内に入ると、体は「敵」が入ってきたと認識して敵に対する”武器”である「抗体」を作るようになります。その結果、将来的に本当の風疹ウイルスが入ってきたときには、すでに抗体を持っていますので速やかに敵を倒すことができ発症せずに済みます。ワクチンは毒性が弱くなっていますので、ほとんど風疹の症状はなく、体に免疫をつけることができます。

ワクチンを接種すると、95%程度の人に風疹ウイルスの免疫ができ、ほとんどの人は風疹にかからなくなります。

風疹の予防接種は、麻疹と同時に受ける?

風疹の予防接種は、麻疹(ましん)の予防接種と一緒になっていて、「MRワクチン」と呼ばれるものを使います。麻疹と風疹の混合ワクチンで、Mは「麻疹(Measles)」、Rは「風疹(Rubella)」からきていて、MRワクチンと呼ばれているわけです。一度の接種で、2つの病気の予防接種が行える2種混合のワクチンです。

成人での場合、風疹ワクチンだけ、麻疹ワクチンだけというように、単独で打つことも可能です。

風疹の予防接種に副作用(副反応)はある?

まれにですが、予防接種後に、ワクチンの目的に沿わない作用や症状、副作用(正式には副反応といいます)が出現することがあります。

風疹ワクチンは副作用の少ないワクチンの1つです。しかし、全く副作用が無いわけではありません。風疹の予防接種で使用する生ワクチンは、ウイルスや細菌の毒性を弱めたものを使うため、熱が出ることがあります。また、接種した部分が赤くはれることもあります。

まれにですが、アナフィラキシーショックと言って、全身のアレルギー症状で呼吸困難などを起こしたり、蕁麻疹(じんましん)が出てくることがあります。また、100万人に1人から3人程度に「急性血小板減少性紫斑病」と呼ばれる病気が起こることが報告されています。

すぐには出ない副作用(副反応)も

副作用(副反応)には、予防接種後すぐに出ないものもあります。接種後は10日位、体調の変化に注意しましょう。

一般的に副作用(副反応)が出た場合に、ワクチンによるものかワクチンと関係なく出現した症状か判断しにくくなるため、ワクチンは体調不良の時を避けて接種するようにしましょう。また、予防接種後に気になる症状が出現した場合は、すぐに病院を受診するようにしましょう。

予防接種の値段はいくらくらい?

予防接種には2種類あります。「定期接種」と「任意接種」です。

定期接種は予防接種法という法律で接種が勧められているものです。風疹を含むMRワクチン以外に、「三種混合(DPT)」「BCG」「ポリオ」「日本脳炎」が定期接種です。定期接種は国が接種するよう指示しているため、決められている期間にワクチンを接種すれば費用は自治体が負担し、お金はかかりません。また、定期接種の場合は予防接種の副作用が出た時に、救済制度が適用されます。

 ただ、定期接種であっても、決められた期間に接種しない場合は、自分で費用を負担することになります。大人で、風疹にかかっていない人は、風疹になる前に、予防接種を検討してみてはいかがでしょうか。

任意接種は、定期接種のように、国に勧められている予防接種とは違い、予防接種をするかしないかは、保護者や本人の判断で決まります。B型肝炎(2016年10月からは定期接種化)、ロタウィルスワクチン、おたふくかぜなどの予防接種が任意接種となります。任意接種の場合、費用は自己負担となり、医療機関によって金額が異なります。



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風疹の予防接種(ワクチン)についてご紹介しました。風疹の予防接種に不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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