麻疹(はしか)の予防接種 効果、受ける時期、回数、費用、副反応を解説 受け忘れた時にどう対応?

  • 作成:2016/03/23

麻疹(はしか)の予防接種は、「MRワクチン」といい、風疹の予防も同時にできます。費用や回数、予防接種の副反応(薬で言う副作用)も含めて、医師監修記事で、わかりやすく解説します。

アスクドクターズ監修医師 アスクドクターズ監修医師

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麻疹の予防接種はどんなもの?風疹と一緒?効果は?

麻疹(はしか)は予防接種で防ぐことができます。麻疹の予防接種はほとんどが麻疹風疹混合ワクチン(「MRワクチン」と言います)です。公費助成のある定期接種で使われるのは、MRワクチンです。そのほかに麻疹のみの予防接種を希望する場合、麻疹単独を防ぐためのワクチンもあります。

MRワクチンも麻疹単独ワクチンもウイルスを弱毒化して作られ、ウイルスを体に入れる「生ワクチン」というタイプです。

麻疹の予防接種をすると、95%以上の人が抗体(体内に入ったウイルスと戦う武器のようなもの)を獲得し、抗体は10年程度維持されます。ただ、その間、日常生活で麻疹ウイルスに接触すると、その都度抗体がつくられるので長期間抗体の量が多いままで維持されます。

しかし、予防接種後、麻疹ウイルスに接触する機会がなかった場合は、一部の人では抗体の量が減って、麻疹が予防できない量となり、のちに麻疹にかかってしまう可能性があります。

麻疹の予防接種に副反応はある?

麻疹ワクチンは、ニワトリの細胞を使って製造されていますが、卵は使用していないため卵アレルギーの反応はほぼ無いと考えられています。

しかし、過去にアナフィラキシーなどの重篤なアレルギーを発症したことがある人は、その他のワクチンの成分によってアレルギー反応を起こすことがあるので、必ず接種前に医師に内容を告げて、相談するようにしましょう。

ワクチンは2回受けることとなります。1回目のワクチン接種の副反応で多いのは発熱です。接種後2週間以内に発熱が見られる人は約13%と報告されています。

最も発熱が多いのは、接種後1週間のころです。発熱と一緒にけいれんが出る人も、0.3%程度います。発疹も数%、接種後1週間のころにみられます。そのほかにアレルギー反応で起きるじんましんが3%と報告されています。

2回目の接種では、注射した部位が赤く腫れるなどの局所的反応が見られることがあります。発熱や全身の発疹はほとんどありません。脳炎や脳症の発症が、「0.0001%以下」つまりかなり低い確率で報告されています。ただ、中には、ワクチンとの因果関係がはっきりとわからないものも含まれています。

過去に麻疹にかかったことがある人は、感染により抗体ができていると考えられるため予防接種は不要ですが、麻疹にかかったかどうかわからない人は、予防接種を受けても構いません。過去に麻疹にかかっている人が予防接種をしても、副反応が強く出ることはありません。



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麻疹予防接種を受ける時期、回数、

以前の日本では麻疹の予防接種は1回でしたが、1回の接種だけでは5%程度の人が抗体を獲得できないことや、一度抗体を獲得した人でも10年程度で抗体が減ってしまい、学童期に麻疹を発症することがありました。

世界保健機関(WHO)では、2回接種が推奨されていて、一部の国では2回接種が標準となっていたことから、2006年4月から日本でも公費で麻疹ワクチンの2回接種が可能となりました。

実際には1歳の誕生日を迎えたらできるだけ早く1回目を接種し、2回目は小学校1年生になる前の1年間で接種します。

決まった時期に受ければ、無料

費用は決まった期間に、公費助成を受けて接種する場合は無料です。期日を過ぎて公費助成が受けられない場合や、大人になって抗体が減っているため追加で接種する場合は自費になります。

公費助成がない場合の費用は病院によって多少異なりますが、MRワクチンで1万円前後、麻疹単独ワクチンで6千円程度が相場です。

麻疹予防接種を受け忘れたらどうすればよい?対応は?

麻疹の予防接種を忘れて時期が過ぎてしまった場合は、気づいた時にできるだけ早く接種してください。この場合は自費になります。費用は病院ごとに異なりますので、電話でいくつかの病院に問い合わせしてみるとよいでしょう。

予防接種は予約でしか受け付けていない病院もあります。また、麻疹の流行時期などではワクチンが不足して、接種までに数カ月待たなければいけないこともあります。

1990年3月以前に生まれた人は麻疹のワクチンは1回しか接種していない人が多いと考えられます。医療従事者や子供と接する学校関係者などは2回目の予防接種が勧められます。

また、麻疹ウイルスに時々接していないと抗体の値が減っていきます。そのため予防接種したにもかかわらず、大人になってからの検査で麻疹に抗体がないといわれたり、麻疹の抗体価が8倍未満といわれた場合も、追加の予防接種が勧められます。



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麻疹(はしか)の予防接種についてご紹介しました。麻疹の予防接種を受けたかどうが不安に感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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