一般内科とは?内科と外科の違いや血液検査の意味も解説
- 作成:2016/04/07
「一般内科」とは、その医療機関の中で、臓器の名前などがついた内科の領域以外をカバーする診療科です。開業医が「内科」をかかげている場合や、医療機関に「内科」しかない場合は、内科の領域をいったん全て診療してもらえます。外科との違いや、血液検査の意味なども含めて、医師監修の記事でわかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
そもそも内科と外科はどう違う?
内科と外科がどう違うかを聞かれると、うまく説明できない人も多いかもしれません。外科は英語で「Surgery」といいますが、これは「手で仕事する」という意味のギリシア語が語源となっています。薬で治療する内科に対して、手術で治療するのが外科、という意味です。ですから、一言で言ってしまえば手術をするところが外科、ということになります。
ただ、治療の方法に基づいた考え方なので、おなかが痛くて病院にかかるとき、普通は外科か内科、どちらにかかったらよいかわからないことはよくあります。しかし、内科の医師も外科の医師も、受け付けの段階ではっきりと区別できないことは承知しています。ですから、内科にかかって手術が必要な状態と分かれば外科医に紹介してもらえますし、先に外科にかかっても、手術がいらないと判断されれば内科にうつって薬で治療することはあります。あまり難しく考える必要はありません。どうしても心配な場合は受付で症状を伝えて、どちらにかかったらよいかたずねてみると良いでしょう。
一般内科は、「その他の内科以外全部」
今は大きな病院になればなるほど、診療科が、複数に細分化されて複雑化してきています。たとえば「内科」とつく診療科は、消化器内科、循環器内科、腎臓内科、神経内科、糖尿病内科、心療内科・・・など多くがあります。
病院が表示できる科には決まりがあります。4つのジャンルから1つずつ組み合わせる方法です(なお、4つのすべて盛り込まなくてはいけないわけではありません)。4つのジャンルとは体の部位、対象患者、診療方法、疾患名です。たとえば、4つとも組み合わせた場合、「胸部高齢者緩和ケアがん内科」という診療科もつくれます。そのため、病院ごとにいろいろな科が存在し、転院するときに、患者さんが同じ名前の科がなくて混乱することもよくあります。
それでは、一番わかりにくい一般内科ですが、総合病院で「一般内科」と表示されている場合は、「そのほかにある内科以外はすべてみます」という意味合いで設置されています。たとえば呼吸器内科、循環器内科、一般内科がある場合は、呼吸器、循環器以外の内科は一般内科で診療します。開業医が「内科」をかかげていたり、内科が「一般内科」しかない医療機関の場合は、「内科すべてを対象とする」と考えて構いません。
一般内科で扱う疾患 風邪なら内科でOK?
一般内科で扱う疾患の代表は、問題のある部位がわからない発熱です。熱はあるけれども特定の部位の痛みがない場合はまず、一般内科を受診します。検査の結果肺炎と診断され、同じ病院の中に、呼吸器内科があれば、その時点で呼吸器内科に変わることもあります。もちろん風邪も発熱だけの場合もありますので、一般内科で問題ありません。
そのほかに理由がわからないけれども食事がとれない、元気がないといった場合、診断をつけるために一般内科を受診するのが一般的です。
血液検査をする理由は?
一般内科には、症状だけで診断名がつかない患者が多く訪れます。熱だけ、ただ食べられないだけといった場合でも、色々な病気の可能性があります。中にはそもそも病気でないものも含まれています。その症状は病気なのか、原因は何か、病名は、といった考え方をしていく上で、血液検査の結果は助けになります。そのため、一般内科では血液検査をすることがあります。
血液検査には多種多様の項目があるため、どのような病気を疑って、どの検査をおこなうかは医師の腕の見せ所です。保険適用となる診療であれば、検査内容にも制限がありますので、すべての血液検査を行うわけにはいかないのです。場合によっては1回の血液検査で診断をつけられないこともあり、意図的に時間を空けて再検査し、診断がつく場合もあります。
医師から血液検査を勧められたときに疑問があれば、どんな病気を疑って何を検査するのか、そしてその結果はいつ判明するのか、その場で聞くと良いでしょう。
一般内科の概要や、内科と外科との違いについてご紹介しました。病院にかかるような病気かもしれないと不安に感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、ご活用ください。
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