痛風の検査と尿酸値の基準 血液検査の意味と項目は?
- 作成:2016/01/20
痛風の検査では、炎症が起きているかどうかを確かめる2つの項目に加えて、尿酸値を調べます。痛風発作の原因となる高尿酸血症の尿酸値の基準は、「7.0mg/dl以上」となります。また、痛風の発作がある場合、腎機能障害や尿路結石を伴う可能性もありますので、別の検査をすることがあります。
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尿酸値の基準は「7.0mg/dl未満」
痛風発作が起こったときには、まず血液検査でCRP、血沈、尿酸値などといった項目を調べます。痛風以外に疑う疾患がある場合には、関節に針を刺し直接、関節の液を抜いてくる検査を行う場合もあります。
「CRP」は炎症反応を見る検査であり、炎症の有無や程度を判断することができます。「血沈」は抗凝固薬という血液を固まらないようにする薬液を血液に混ぜ、赤血球が沈むスピードから炎症の有無を調べることができます。この2つの検査値は炎症の有無を確認することはできますが、病気を特定するような検査ではありませんので、注意が必要です。
痛風の背景には高尿酸血症という病気がありますが、血液検査でCRPと血沈以外に重要になってくるのが尿酸値です。痛風発作中は尿酸値が一時的に正常範囲内に低下することがあるので、繰り返し検査する必要があります。さらに尿酸値は1日の中でも変動し、早朝に上昇し、夕方に低下する傾向があります。運動や食事などでも変動しますので、何度か検査して診断をします。一般的には男女とも7.0mg/dl未満を正常値として、7.0mg/dl以上を高尿酸血症と診断します。
血液検査のほか、もう1つ痛風の場合に行われる検査が「関節液検査」と呼ばれるものです。この検査では関節内に針を刺して関節内の液(関節液)を吸引してきます。採取された関節液を特殊な顕微鏡で観察することで、針状のとがった尿酸結晶の有無を確認します。
腎機能障害や尿路結石の可能性も
高尿酸血症の分け方として「尿酸産生過剰型(尿酸が多くつくられるもの)」、「尿酸排泄低下型(尿酸の排泄が弱くなるもの)」、「混合型」があります。型によって治療薬が異なるため、尿検査で尿酸の排泄の程度を調べることもあります。
また、高尿酸血症では合併症の有無を確認することが大切です。高尿酸血症が持続すると、腎機能障害や尿路結石を発症することがあります。これらの病気が疑われる際には、尿検査で尿中に蛋白(たんぱく)が出ていないか、尿潜血(血が混ざっていないか)がないかなどの確認を行います。陽性の結果が出ると、腎臓や尿路に何らかの異常があることを示唆します。
また、血液検査でクレアチニンを測定し、腎機能の程度を調べます。その他、合併しやすい生活習慣病の確認として、血液検査で脂質や血糖を調べたり、血圧測定などを行います。また、痛風による関節の状態や尿路結石の有無を調べる目的でレントゲン、CTなどの画像検査を合わせて行うこともあります。
痛風の検査と尿酸値の基準についてご紹介しました。もしかして痛風かもしれないと不安に感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?
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