痛風治療の薬と尿酸への効果 市販薬やサプリメントはある?
- 作成:2016/01/21
痛風の原因となる高尿酸血症の治療の薬としては、尿酸の排泄を促したり、尿酸ができるのを抑える薬が中心となります。また、炎症を抑えることで痛みを抑えることができる薬もあります。それでは、市販薬やサプリはどう考えたら良いのでしょうか。痛風治療の薬を含めて、専門医師の監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
尿酸排泄を促すか、産生を抑えるか
痛風の原因となる高尿酸血症には、「尿酸降下薬」と呼ばれる薬を使用して治療を進めていきます。尿酸降下薬には、尿中へ尿酸の排泄を促す「尿酸排泄促進薬」と、体内での尿酸の産生を抑制する「尿酸生成抑制薬」の2種類があります。高尿酸血症でも尿酸排泄が低下している方には尿酸排泄促進薬を、尿酸産生が過剰な方には尿酸生成抑制薬、混合型に方にはどちらかを使用します。
尿酸排泄促進薬にはプロベネシド、ブコロール、ベンズブロマロンと呼ばれるものがあり、尿酸値を下げる効果に優れていますが、尿中に多量の尿酸が排泄されるため尿路結石を引き起こすことがあります。また、すでに尿路結石がある場合には、尿酸排泄促進薬は基本的に使用しません。尿酸排泄促進薬を用いる場合には、クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム配合剤などの酸性尿改善薬を併用します。尿路結石、とくに痛風でなりやすい尿酸結石は、結晶化しやすいため、尿をアルカリ性に保つことで尿路結石になるのを防ぎます。
尿酸生成抑制薬はアロプリノールと呼ばれる薬剤であり、尿酸を合成する酵素を阻害することで効果を発揮します。尿中に尿酸が多量に排泄されるわけではないので、尿路結石や腎機能が低下している方にも使用できます。
もう1つ痛風発作を予防する薬として「コルヒチン」があります。コルヒチンは白血球の働きを抑制し、痛風発作時の炎症を抑える効果があります。したがって、痛風発作が起こる前触れがあった時に飲むと効果があります。また、尿酸降下薬によって急激に尿酸値を低下させると、かえって痛風発作を誘発させてしまう可能性があり、コルヒチンで予防することがあります。
市販薬やサプリよりは受診を
痛風発作時の痛みを抑える薬として非ステロイド系抗炎症薬もあります。非ステロイド系抗炎症薬は市販のものもあり、発作時の痛み止めに有効ですが、尿酸降下薬やコルヒチンに関しては処方薬に限られています。痛風に効果があるとされているサプリメント等もあるかもしれませんが、科学的な効果があやしいものも多くあります。まずは医療機関を受診し、適切な治療と指導を仰ぐことをお勧めします。
痛風の薬やサプリメントについての概要や考え方をご紹介しました。もしかして痛風かもしれないと不安に感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、ご活用ください。
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