痛風発作の前兆と腫れへの対応 痛み止め、予防薬の効果は?

  • 作成:2016/01/19

痛風の発作は、通常前触れもなく突然起きます。基本的には痛みに耐えるしかありませんが、非ステロイド系抗炎症薬は、痛風で起きている炎症に対して使用できます。飲酒は厳禁です。また、何度か発作を経験している場合、ピリピリ、ムズムズした感じを受ける方もいるようです。

アスクドクターズ監修医師 アスクドクターズ監修医師

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薬を飲む人

運動も発作のきっかけに

痛風発作は通常前触れもなく突然起こりますが、何度か経験しているうちに前兆を感じ取る方もいるようです。具体的には関節がピリピリ、ムズムズした感覚や、鈍い痛みを自覚するケースが多いと言われています。前兆のタイミングは個人差があり、数時間から1日前に感じる方もいます。前兆が現れた段階で予防薬であるコルヒチンを服用すれば、痛風発作を予防あるいは軽減できます。

また、普段と違った関節の違和感のほかに、痛風発作を引き起こすようなきっかけも存在します。1つはアルコールの多飲や暴飲暴食です。尿酸の元であるプリン体を多く含む食品のとり過ぎ、ビールに限らずアルコールの多飲は痛風をより引き起こしやすくする原因になるので、自分自身でできる予防として、避けたほうが良いでしょう。

また、意外に思うかもしれませんが、運動も痛風発作を引き起こす原因となりえます。もちろん痛風患者にあった効果的な運動は積極的に行うべきですが、運動が痛風のきっかけとなることも覚えておくべきでしょう。この他、痛風のきっかけとしてはけがや手術など身体に侵襲(体を傷つけること全般)の加わるもの、痛風治療として用いられる尿酸降下薬によって急激に尿酸値が低下することも、発作を誘発するおそれがあります。

基本は痛みに耐えるしかない

高尿酸血症の方の場合、ある日突然、痛風発作を発症する可能性があり、起こった時への対応を知っている必要があります。しかし、痛風発作が起こったときの対策としては基本的に痛みに耐えるしか方法はありません。市販されている鎮痛薬も有効ですが、注意が必要です。

アスピリン系の「消炎鎮痛薬」は尿酸値を上昇させ、尿酸の排泄も低下させてしまうため、痛風の症状を悪化させることから使用できません。したがってドラッグストアで鎮痛薬を購入する場合には、説明書を確認したり、薬剤師に相談するようにしましょう。ロキソプロフェン、イブプロフェンなど「非ステロイド系抗炎症薬」は痛風に使用できます。しかし、当然ながら痛み止めはその場しのぎにしかならず、症状が見られた際には早めに医療機関を受診し、適切な高尿酸血症の治療を行うことが重要です。また、薬以外の対処方法として、マッサージやもんだりすることは症状を悪化させる危険があるので有効ではありません。

痛いところを心臓より高く

まず痛みが起こっている最中にできることは、氷や湿布で腫れている部分を冷やし、患部を心臓よりも高い位置にすることです。痛風発作の痛みは炎症によるものなので、炎症部分を冷やしたり、血流を少なくすることは、痛みを緩和する効果があります。激痛が続いている間は安静にしているべきですが、痛みが落ち着いてきたら動かしてもかまいません。

絶対にやってはいけないこととして飲酒が挙げられます。アルコールは炎症を悪化させ、発作を長引かせてしまうため絶対に止めましょう。また、尿酸降下薬を処方されている方は薬をたくさん飲んで尿酸値をもっと下げれば痛風発作が改善すると考えるかもしれません。しかし尿酸値の急激な低下は逆に尿酸ナトリウムの結晶化を促進させ、症状を悪化させてしまう可能性があります。普段から薬を飲み忘れなどで、尿酸値が乱高下しないように、医師の指示通りきちんと服用を守りましょう。

痛風の発作と腫れへの対応についてご紹介しました。もしかして痛風かもしれないと不安に感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?

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