痛風発作を起こさない運動 全力は危険?いつ効果が出る?

  • 作成:2016/01/20

運動は、通常体に良いものです。ただ、痛風の方の場合、激しい運動をすると、体内の尿酸濃度を上げることになり発作の原因となることがありますので、避けたほうが良いです。運動をする場合は、ウォーキングなどのゆったりした運動がおすすめです。実際に始める場合は、医師などに相談してみるのが良いでしょう。

アスクドクターズ監修医師 アスクドクターズ監修医師

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運動するカップル

運動が痛風発作を引き起こす理由

適度な運動は肥満である人にとってエネルギーを消費するためにとても大切です。しかし、痛風や高尿酸血症のある方の場合、運動のやり方によっては、逆に尿酸値を上げて痛風発作を誘発することがあります。エネルギーを生み出す「ATP」という私たちの体にとって必須の物質がありますが、その「ATP」は、通常はエネルギーとして使われた後は一部が尿酸となり、残りは再利用されて再びエネルギーとして利用されます。

激しい運動は発作を引き起こす可能性も

しかし、激しく身体を動かすスポーツを行うと、筋肉での「ATP」の代謝が活発になり、通常よりも早いペースで尿酸のもとになるプリン体が合成され、その結果、尿酸が過剰に体内に蓄積されます。また、運動によって体内から水分が失われていくため、さらに尿酸濃度が上昇します。その結果、身体に良かれと思って行った運動が、逆に痛風の発作を誘発することもあるのです。

有酸素運動がおすすめ

ただし、決して運動はしない方が良いというわけではありません。痛風では、ゆっくりと汗をかかない程度の有酸素運動を長めに行うことが重要です。有酸素運動の代表例は、ウォーキング、水泳、サイクリングなどが挙げられ、呼吸をしながらゆっくりとしたペースで長時間続けて行う運動が理想となります。すなわち、無理のないゆったりとした軽めの運動が痛風の方には良いことになります。逆に、短時間で息を止めて全力を出すような運動は不向きとなります。また、個人によって適した運動の強度はそれぞれ異なりますので、医師に相談して行うのが良いでしょう。

運動中は水分摂取を

運動中は水分をしっかり摂ることが大切です。しかし、間違っても運動後にアルコール(酒)を摂取してはいけません。なぜなら、アルコール(酒)は尿酸値を上げる原因となるからです。なお、有酸素運動の効果が現れるまでには通常早くても2カ月から3カ月程度かかりますので、自分の生活に無理なく組み込め、苦痛なく根気よくできるようにすることが大切です。

以上、痛風と運動の関係についご紹介しました。もしかして痛風かもしれないと不安に感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるようなささいなことでも結構ですので、気軽にご活用してください。

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