痛風とは?原因は何?「プリン体」「尿酸結晶」はどう関係?

  • 作成:2016/01/19

痛風は、高尿酸結晶という尿酸値の高い状態を背景に、関節にたまった「尿酸結晶」によって引き起こされる炎症が正体です。尿酸値が高くなる要因として、アルコールやレバーに多く含まれるプリン体があげられます。

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痛風の正体は炎症か?

痛風は生活習慣病の1つであり、30歳代から40歳代の男性にみられることが多い疾患です。その背景には「高尿酸血症」と呼ばれる尿酸値の高い状態が存在します。尿酸値とは、血液中に存在する尿酸の濃度を表し、健康診断などの血液検査で測ることができます。

高尿酸血症自体は血液中の尿酸が高いというだけで、基本的に自覚症状はありません。しかし、長い間、尿酸値の高い状態が続くと、関節内に針状に結晶化した「尿酸結晶」という塊がたまっていきます。その結果、「痛風発作」と言われる関節の炎症が起こります。

尿酸結晶は関節内に付着して存在していますが、暴飲暴食などを発端として関節からはがれる際に、体の中で免疫反応が生じ、その反応で起こった炎症によって激しい痛みが発生します。この症状が起こると、単なる高尿酸血症ではなく、「痛風」と呼ばれるようになります。高尿酸血症の人が痛風発作を起こすまでの期間には個人差があり、高尿酸血症の診断から半年で痛風発作を起こす人から、10年たっても無症状の人まで様々です。米国の研究では尿酸値が7.0mg/dl以上になると、痛風発作のリスクが高まるとされています。

プリン体が尿酸になる2つのルート

尿酸の材料となる「プリン体」は体を構成する細胞の中の核酸に含まれており、細胞の代謝には必要不可欠な物質です。体内で代謝されたプリン体は最終的に尿酸として尿を通じて体外に排出されていきます。尿酸が産生されるには大きく2つのルートがあり、1つが新陳代謝によるものです。プリン体はDNAやRNAといった核酸の成分であり、新陳代謝によって細胞が破壊される過程で尿酸となります。

もう1つがエネルギー代謝によるルートです。私たちのすべての活動はATPという物質を利用して行われています。エネルギーとしてATPが使用され分解される際に、プリン体が生成されます。尿中の尿酸は腎臓でろ過されますが、体外に排出されるのは一部であり、多くは体内に再吸収されます。

アルコール、レバーなどプリン体を多く含む食品の摂取のほか、食べ過ぎ、けが、運動なども痛風発作のきっかけとなります。

以上、痛風の原因についてご紹介しました。もしかして、自分は痛風かもしれないと不安に感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、一度、医師に気軽に相談してみませんか?

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