痛風の食事治療 どんな食べ物が良い?プリン体も必要?
- 作成:2016/01/21
痛風の診断を受けた場合、食事については、専門の学会から「プリン体1日400mgまで」とする基準があり、蒸したり、煮たりした料理が良いとされています。また、尿路結石を防ぐために、尿をアルカリ性に近づける必要があり、海藻類や緑黄色野菜がおすすめです。ただ、プリン体はほとんどの食べ物に含まれていて、体の細胞を作る要素でもありますので、総エネルギーの摂取量に配慮しながら食生活を送るのも重要です。
この記事の目安時間は3分です
プリン体よりも総エネルギー量?
痛風は身体に何らかの異常が起こり、尿酸が溜まってしまう病気ですので、尿酸の元となるプリン体を制限した食事が重要だと思われがちです。しかし、プリン体はほとんどの食べ物に含まれており、私たちの細胞を構成する大事な要素でもあります。したがって、近年ではプリン体を減らすだけでなく、総エネルギー量を制限する方向へシフトしてきています。確かに牛肉や魚介類などプリン体を多く含む食品を多く食べ過ぎないことも重要ですが、外食や清涼飲料水を控えるなど、基本的な生活習慣の見直しのほうが大切なことに注意しましょう。
すでに医師から高尿酸血症や痛風であると診断されている方にとっては、総エネルギー量を減らした食事だけでなく、プリン体を抑えた食事が好ましいのも事実です。「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」(日本痛風・核酸代謝学会)では、プリン体について1日400mgまでに制限するように定められています。プリン体を抑えた食事の方法として、1つには調理法によるものがあります。プリン体は蒸すことや煮ることで、摂取量を減らすことができます。ただし、煮汁などにはプリン体が溶け込んでしまっているので残すことが大切です。また、塩分の摂り過ぎは腎機能を低下させて尿酸の排泄を低下させたり、果物に含まれている果糖は尿酸値を上げる働きがあるため、摂取量に気を付けたほうが良いでしょう。
アルカリ性の尿で結石予防
痛風の方にとって重要な合併症として尿路結石が挙げられます。健常者の尿は弱酸性であり、尿が酸性に近づくほど尿路結石ができやすくなります。したがって、高尿酸血症や痛風の方は尿をアルカリ性に保つことで尿路結石を予防することができます。尿の酸性度は食べ物の影響を受けます。尿をアルカリ性にする食べ物としてはわかめなどの海藻類、大豆、ほうれん草・にんじんなどの緑黄色野菜などです。逆に尿を酸性にする食べ物としては魚介類、肉類、卵などが挙げられます。
基本的な考え方として、痛風に特に効果的な食事というよりは、生活習慣病全般に言える健康的な食生活が理想的であると言えます。
痛風の食事治療についての概要や考え方をご紹介しました。もしかして痛風かもしれないと不安に感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、ご活用ください。
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