生理不順の方の妊娠検査薬の使い方、排卵日の確認方法

  • 作成:2016/02/24

生理不順の場合、当然ですが、排卵の時期がわからなかったりするなどして、妊娠しづらくなります。生理不順の場合にどのように排卵時期を確認するのか、妊娠検査薬はいつ使えばよいのかを含めて、専門医師の監修記事で、わかりやすく解説します。

平松晋介 監修
ちくご・ひらまつ産婦人科医院 院長
平松晋介 先生

この記事の目安時間は3分です

生理不順の人が妊娠しにくい理由

生理不順と不妊は密接に関係しています。まず、生理不順の主な原因には「無排卵性出血」があります。排卵がうまくできないために月経の周期や期間が乱れるもので、排卵ができていないということは、つまり妊娠できません。現に、不妊の女性側の主な理由は、排卵障害によるものです。

排卵がないために起こる生理不順には、さまざまな症状があります。生理周期が39日以上90日未満の「稀発月経(きはつげっけい)」、生理周期が24日以内の「頻発月経(ひんぱつげっけい)」、3ヵ月以上生理が来ない「続発性無月経」、期間が8日以上と長く出血量が多い「過長(過多)月経」、期間が1~2日と短い「過短(過少)月経」です。これらの生理不順は無排卵である可能性があり、不妊の原因となります。

また、排卵をしていても月経周期が不規則だとタイミングがつかみにくいことも妊娠しにくい理由になります。稀発月経の場合は排卵の回数が少ないので、妊娠のチャンスが通常よりも少ないということになります。

生理不順の人の排卵日、妊娠周期の確認方法

生理不順の人は排卵日や生理周期が一定しません。生理周期の状態や排卵の有無を調べるには、基礎体温をつけることが有効です。

女性の生理周期は、「月経期」「卵胞期」「排卵期」「黄体期」の4つから成ります。月経期は生理がある期間で、卵胞期は卵巣で卵子を育てる期間です。卵胞期の体温は低温期にあたりますが、排卵期に入って排卵をすると一気に高温期になります。高温期は黄体期にあたり、通常14日ほど続きます。これを、25日から38日の周期で繰り返します。

排卵日は、月経開始日の12日から16日前の、体温が低温期から0.3度から0.4度高い高温期に変わった日にあたります。排卵がない人の基礎体温では、高温期が確認できません。生理があったとしても高温期が認められない場合は、無排卵性出血の可能性があります。

基礎体温に低温期と高温期があれば排卵はしています。卵胞期は人によって日数が異なり、不安定な方もあります。少々生理が遅れたとしても、多くは排卵が遅れただけですから、あまり気にする必要はありません。しかし、高温期の長さが極端に短く、黄体期が10日に満たない場合は、「黄体機能不全」という病気が疑われます。その場合、受精卵の着床や妊娠の継続が難しくなります。

このように、基礎体温をつければ排卵の有無や生理周期を確認することができます。排卵や生理周期の状態が把握できれば、生理不順の原因が分かって正しい治療をおこなうことができます。

生理不順の人の妊娠検査薬の使い方

妊娠検査薬は、一般的に生理予定日の1週間後から使えます。しかし、生理不順の人の生理予定日ははっきりしないので、妊娠検査薬を使うタイミングがなかなかつかめません。そんな時にも、基礎体温が役に立ちます。

女性の高温期は約14日間続きます。しかし妊娠すると高温期がそのまま継続します。高温期が3週間以上も続くようなら妊娠が疑われますので、いちど妊娠検査薬を試してみてください。

生理不順で妊娠を望む方に多いのは、「フライング検査」です。妊娠検査薬を使用するのが早すぎて、妊娠しているのに陽性反応が出ないものです。普段から生理不順な人は、生理予定日の1週間後よりも長めに様子を見てから検査するようにしてください。生理が不規則な方のために複数の検査薬がセットになったものも販売しています。

困ったら、一度産婦人科を受診してみましょう

妊娠したいのに、なかなか妊娠しないという方の中には、生理不順の方が少なくありません。生理不順はありふれたものとしてあまり深刻に受け止められることがないのですが、無排卵や子宮・卵巣の疾患、黄体機能や甲状腺機能の異常がかくれている場合があります。

生理周期が不規則というだけで妊娠しないわけではありませんが、排卵がないと妊娠はできませんし、排卵が不規則だと妊娠する確率も通常より低くなります。生理不順があり、寝不足やストレスなどの生活習慣に気を配りながら避妊せずに夫婦生活をして2年たっても妊娠しない場合は、いちど産婦人科を受診してみるとよいでしょう。

病院では問診、内診、超音波検査、血液検査などで病気がないかチェックできるほか、生活習慣や基礎体温のつけ方などを指導してもらえます。生理不順の改善は、不妊の治療に不可欠です。

生理不順と妊娠の関係についてご紹介しました。妊娠の可能性に不安に感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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