子宮外妊娠だと妊娠検査薬、基礎体温はどう変化?つわりはある?
- 作成:2016/05/06
子宮外妊娠になった場合、通常の妊娠同様、関連するホルモンが分泌されるため、妊娠検査薬は「陽性」の反応を示します。治療後にいつから、「陰性」に戻るのかや、基礎体温、つわりの変化を含めて、専門医師の監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
子宮外妊娠のとき、いつから妊娠検査薬はどう反応する?
卵子が受精し着床に至ると、子宮以外の場所に着床する子宮外妊娠(異所性妊娠)であっても女性の体は通常の妊娠と同様の変化を示します。妊娠検査薬に反応する「hCG」というホルモンも通常妊娠の場合と同じように分泌されるため、着床してから約5日で妊娠検査薬は陽性反応を示すことがあります。ただ、hCGの分泌量や分泌のペースは個人差が大きいため、妊娠検査薬で陽性が確認できるようになるまでの日数には幅があります。
妊娠検査薬で分かるのは「妊娠しているかどうか」のみで、通常妊娠か子宮外妊娠かを判断することはできません。妊娠検査薬で陽性が確認できたとしても、必ずしも正常の妊娠が成立しているとは限らないのです。子宮外妊娠であれば早急に治療をする必要がありますが、陽性反応が出てすぐに婦人科を受診すると、時期が早すぎて子宮内の妊娠なのか子宮外妊娠なのかの区別が付きにくいことがあります。
妊娠検査薬が陰性に変化するのはいつから?治療後も陽性が続く?
子宮外妊娠がいつわかるかというと、妊娠6週ごろになっても「胎嚢(たいのう)」と呼ばれる赤ちゃんを包む袋が確認できない場合や、ホルモンの数値に異常が見られたときなどです。いずれの場合も、妊婦が子宮外妊娠を自覚することは難しく、医師の診察を受けて判断することになります。
子宮外妊娠と診断されたら、手術や投薬などの治療を行います。治療によって受精卵が取り除かれると妊娠の状態が終わり、hCGの分泌も止まります。
hCGの分泌が止まるまでの期間にもまた個人差がありますが、たいてい数日から数週間のうちに治まり、妊娠検査薬も陰性に変化します。
治療後に何らかの理由で妊娠検査薬を使用し、まだhCGの分泌が停止しておらず陽性が出たために「治療がきちんとできていなかったのでは」と不安になるケースもあるようですが、基本的には日数が経過すれば陰性になりますので安心して下さい。いつまでも陽性反応が出続けたり、3カ月以上経っても生理が再開しなかったりする場合は、子宮外妊娠の治療を受けた医療機関に相談しましょう。
子宮外妊娠のとき、基礎体温はどう変化する?
基礎体温には「高温期」と「低温期」の2種類があり、生理周期を通して交互に変化します。妊娠すると、本来低温期になるべき時期に入っても高温期が続くため、妊娠を察知するひとつの判断材料になります。
子宮外妊娠の場合も通常の妊娠と変わらず、受精と着床が起こると高温期が継続します。そのため、基礎体温の推移から通常妊娠と子宮外妊娠を見分けることはできません。このことも、子宮外妊娠に気づきにくい原因のひとつとなっています。
子宮外妊娠の治療を行うと高温期が続いていた基礎体温は下がり、やがて低温期と高温期を繰り返す通常通りのサイクルに戻ります。
子宮外妊娠のとき、つわりはどう変化する?
子宮外妊娠が起こるとホルモンバランスが変化し、通常妊娠と同じようにつわりが始まります。ただし、子宮外妊娠の場合はつわりの症状が軽い傾向にあるようです。つわりが起こる時期は人によって様々ですが、通常は妊娠6週ごろから見られます。
子宮外妊娠の場合、治療を受け妊娠状態が終わるとつわりが治まります。子宮外妊娠の治療は、一般的には妊娠8週ごろまでに行う必要があります。この時点ではまだつわりが始まっていない人もいるため、つわりを経験せずに妊娠を終えるケースが子宮外妊娠には多いのです。
子宮外妊娠について、妊娠検査薬などとの関係をご紹介しました。妊娠について、不安に感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。
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