脂漏性角化症の原因、症状、治療 手術も?老化が引き金?

  • 作成:2016/05/25

脂漏性角化症とは、皮膚にできる良性の腫瘍ですが、まれに癌と見分けることが難しいことがあります。癌でなければ、治療は患者の方の希望に応じて実施することとなります。治療方法を含めて、専門医師の監修記事で、わかりやすく解説します。

アスクドクターズ監修医師 アスクドクターズ監修医師

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脂漏性角化症は皮膚の良性腫瘍

「脂漏性角化症」とは、ありふれた皮膚の良性腫瘍です。ただ、黒褐色で隆起している(盛り上がっている)ことが多いので、「ほくろの癌(がん)」が心配になる方も多いようです。通常は「デルモスコープ」という拡大鏡をつかった検査で診断がはっきりしますが、時には腫瘍の一部(直径3mm程度)を切って顕微鏡で調べる検査を行うこともあります。まれに、目で見ても「ほくろの癌」との区別がとても難しいという判断になることがありますが、そのような時には、腫瘍全体を手術で切り取って検査をするということもあります。

脂漏性角化症は皮膚の老化が原因

脂漏性角化症の原因は皮膚の老化とされており、「老人性疣贅(ゆうぜい)」とも呼ばれています。疣贅というは「イボ」という意味です。ウイルス性ではなく老化によるものですから、多発していても感染することはありません。

脂漏性角化症の予防には老化を防ぐことが必要なのですが、そのためにできることは子供の頃からできるだけ紫外線を浴びないように気をつけることです。なお、脂漏性角化症はどの部位の皮膚にもできることがあり、全く紫外線に当たらない部分にも発生することがありますから、老化の原因は紫外線とは言えません。柔らかい皮膚を硬いタオルで強くこするのも避けたほうが良いとされています。

治療は手術、それ以外の治療もできる

脂漏性角化症は良性腫瘍ですから診断が確定すれば、治療するかは患者さんの希望に応じて、決定します。手術で全部切除すれば、通常再発の可能性はありません。その他液体窒素による治療もあり、腫瘍を瞬間的に凍らせることにより変性させて、少しずつ縮小させる治療です。治療の時に軽い痛みがありますが、自宅でのケアの必要性は少なく、治療した日でも入浴が可能な治療です。なお、この治療では1回で全部取れることは少なく、通常数週間ごとに数回の治療で隆起がなくなりすっきりします。また炭酸ガスレーザーや、高周波メスを用いて焼いてしまうことも可能です。

脂漏性角化症の治療は何科?

脂漏性角化症を治療するうえで最も大切なことは、診断が確実なことです。治療の難しい「悪性黒色腫(メラノーマ)」という皮膚癌は時々、脂漏性角化症に症状がとても似ていることがあります。従って脂漏性角化症で何科にいくかを考えた時には、悪性黒色腫を診断できる科へ行くのが良いということになります。また手術という治療の選択肢も考えておく必要がありますから、皮膚の手術について相談できる科が望ましいでしょう。したがって脂漏性角化症では皮膚科または形成外科を受診するのが適切です。なお皮膚科の場合には、全ての医師が手術に対応しているわけではありませんから、できれば事前に手術治療を行っているかどうかを確認する方が良いでしょう。

脂漏性角化症についてご紹介しました。ほくろのようなものに不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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