水疱瘡の感染力、感染経路、潜伏期間 2回目がありえる理由も解説
- 作成:2016/04/08
水疱瘡(水ぼうそう)の原因となるウイルスは、感染力が非常に強いので、予防接種を受けていない場合は、注意が必要です。潜伏期間や2回目にかかる可能性があるかを含めて、医師監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
水疱瘡の感染経路 空気感染する?
水疱瘡(みずぼうそう)は「水痘・帯状疱疹ウイルス」というウイルスが原因となる感染症です。ウイルスの感染経路は様々ですが、感染経路は「空気感染」、「飛沫感染」、「接触感染」の3つに分けることができます。その中でも水痘・帯状疱疹ウイルスは、空気感染(飛沫核感染)するウイルスであることが知られています。空気感染は、ウイルスを含んだ粒子を吸い込むことによって感染が成立しますが、粒子はある一定時間、その場に浮遊しています。つまり、水疱瘡の患者さんが咳やくしゃみをして水痘・帯状疱疹ウイルスの粒子を放出すると、一定の間は、その場から患者さんがいなくなっても、水疱瘡に感染する可能性があるわけです。
感染力強い水疱瘡のウイルス 兄弟間でも危険?
い水痘・帯状疱疹ウイルスは空気感染しますので、水疱瘡の感染は家庭内でも起こりえます。兄弟に水疱瘡の疑いがあるならば、水疱瘡の感染力がなくなったと考えられるまでは部屋を分けるべきでしょう。とはいえ、同じ空間(家)にいると、水疱瘡患者がいない場合よりも水疱瘡感染のリスクは当然高くなるため、ある程度感染を覚悟する必要があります。
ウイルスへの感染リスクをできるだけ下げるため、水疱瘡のワクチン接種が効果的です。水疱瘡患者に接触した場合でも、3日以内にワクチンを接種すれば発病を予防したり、症状を軽減できるとされています。
また、水痘・帯状疱疹ウイルスの感染力は強いことが知られています。通常の感染症よりも感染が広がりやすいことを考えると、予防接種はより重要と言えます。
水疱瘡の潜伏期間はどれくらい?
水疱瘡の潜伏期間(感染して症状が出るまでの期間)は水痘・帯状疱疹ウイルスに感染してから2週刊から3週間と言われています。潜伏期間中は、特に無症状のままで過ぎて行きますが、潜伏期間が終わると発熱や全身倦怠感が生じ、その後、体の中心部分を主として、全身に紅斑、水疱(みずぶくれ)、膿疱(膿のつまったできもの)、痂疲(かさぶた)を形成します。
水疱瘡に2回かかることがある?
「水疱瘡に一度かかれば二度と水疱瘡になることはない」ということはありません。原因は様々ですが、抗体価の低下、細胞性免疫の低下した高齢者などでは、2回目に感染することが考えられます。
通常、水痘・帯状疱疹ウイルスに対する抗体を獲得した方であれば、再感染しても一般的に全身症状、皮疹ともに軽症で、診断が困難な場合なこともあります。しかし、高齢者になると、水痘・帯状疱疹ウイルスを抑える抗体価や細胞性免疫力が低下することで、初めて感染した時と同じくらいの重さの症状が出ることがあります。また、抗癌剤治療やAIDSなど、免疫力が低下している「免疫不全」の状態にある方でも、水疱瘡の再感染は起こりえます。このように、免疫力が低下する高齢者や、免疫不全者では水疱瘡の再感染のリスクが高いのですが、免疫力が低下している分、抗ウイルス薬による治療の延長が望ましいとされています。
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水疱瘡の感染経路などについてご紹介しました。「子供が水疱瘡になったかもしれない」と不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。
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