水疱瘡の時の登園・登校時期の目安、風呂の注意点、跡の予防方法
- 作成:2016/04/08
水疱瘡(水ぼうそう)に感染した場合、感染力が強いために、一定期間、学校や保育園、幼稚園にいってはいけないようになっています。お風呂やシャワーの対応や、跡を残さないための対応方法を含めて、医師監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
水疱瘡の時、保育園はいけない?学校も出席停止?いつから行ってよい?
水疱瘡(水ぼうそう)は、「水痘・帯状疱疹ウイルス」というウイルスが感染することで発症する感染症です。水疱瘡は2週刊から3週間の潜伏期(症状のない時期)を経て、紅斑、丘疹(皮膚のふくれ)、水疱(水ぶくれ)、痂皮(かさぶた)を形成します。
このような感染症で問題となるのが、「子どもを学校や保育園に通わせても良いのか。」です。通常の風邪や微熱程度でしたら、保育園や学校に子どもを通わせる方も少なくないと思います。しか、水疱瘡は、国によって第2種の感染症と定められており、「学校保健安全法」という法律でも水疱瘡患者の扱いについて言及されています。
水疱瘡は空気感染します。空気感染は飛沫核感染とも呼ばれ、ウイルスを含んだ粒子が空気中を浮遊し、粒子を他の人が吸入することで、水痘・帯状疱疹ウイルスが感染します。また、水痘・帯状疱疹ウイルスの感染力が強いことが知られているため、学校保健安全法では全ての発疹がかさぶたになるまで出席してはならないと定められています。また、本人が感染していなくても、同じ家の中に感染している人がいる場合も、状況によっては医師の判断により出席停止となることがあります。
水疱瘡のときのお風呂やシャワーは?
「水疱瘡になってしまったときにお風呂に入ったり、シャワーを使っても良いのか」とい、疑問に思う方は少なくありません。結果から言えば水疱瘡になったからと言って、シャワーや入浴を制限する必要はありません。しかし、体温の上昇と共に、水疱瘡の症状の1つであるかゆみが増す傾向にあります。かゆみが増すと、水ぶくれをかいてつぶしたり、できたかさぶたをはがしてしまう恐れがあります。
ぬるめの温度でのシャワーや入浴を心がけ、清潔なバスタオルを使うなど気を付けることが重要となります。
水疱瘡の跡を残さないために
水疱瘡の跡が残ってしまう人は少なくありません。水疱瘡では、水ぶくれやかさぶたができます。水ぶくれが、かさぶたになる前に破れたり、あるいはかさぶたを無理にはがすと、水疱瘡の跡が残ってしまいます。子どもの場合は、皮膚の代謝スピードが速いため、大人になっても水疱瘡の跡が目立ちにくいとされています。しかし、成人の場合、皮膚の代謝が子どもと比べて遅いため、水ぶくれが破れたり、かさぶたをはがすと、跡が残りやすいです。
対策としては、水ぶくれを潰さず、かさぶたを無理矢理はがさないで、なるべく早く治すことです。水ぶくれやかさぶたの周辺がかゆくて心配なようであれば、かゆみを止める塗り薬が販売されていますので、そういった薬を上手く使うと良いでしょう。 水疱瘡をできるだけ早く治すことも水疱瘡の跡を残さないためには重要となります。というのも、水疱瘡のワクチンを前もって接種して予防しておけば、水疱瘡の症状は何も対処しない場合よりも軽くなるためです。つまり、症状が軽くなればかゆみの問題は小さくなります。また水疱瘡自体も早く治ることが期待できるため、水ぶくれやかさぶたに間違った対処をするリスクも減ります。
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水疱瘡の登校停止や跡の考え方についてご紹介しました。子供が水疱瘡にかかって不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。
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