手足口病の発疹、口内炎症状 痛む?かゆい?全身に?跡が残る?

  • 作成:2016/06/15

手足口病は、名前の通り、手、足、口に発疹症状が出ます。口の中ですと、口内炎ができて、栄養や水分補給に影響が出る可能性があります。発疹の特徴や出る場所、跡を予防する方法を含めて、医師監修記事でわかりやすく解説します。

アスクドクターズ監修医師 アスクドクターズ監修医師

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手足口病の症状 発疹はどんなもの?かゆみがある?

手足口病は英語でも「hand, foot and mouth disease」と名前が付けられているように、手(手のひらなど)と足(足の裏や足の甲など)、そして口の中に発疹や水ぶくれ(水疱)ができるのが特徴です。しかし、近年では、発疹が体の広い範囲に出る傾向があります。手足口病の発疹は、中央が白く抜けて周囲が赤くなります。大きさは2ミリから3ミリ程度です。発疹がよく出るのは足の裏や手のひらですが、最近は太もも、膝や脚の表面などにも見られます。また発疹の大きさも均等ではなく、大小さまざまな大きさのものが見られます。

子どもの場合は発疹や水ぶくれには特に痛みやかゆみはありませんが、気になって触ったりしてそこから雑菌が入り込んでしまうと、化膿してしまうことがあります。また、大人では発疹が出来ると痛みをともないます。

手足口病の症状 口内炎はどんなもの?痛む?

発症すると唇の裏やほおの裏、舌の裏などの粘膜に水ぶくれができます。水ぶくれが破れてしまうと、びらんや潰瘍状の口内炎になります。子どもの手足口病では、皮膚にできるような発疹が痛むということはほとんどないのですが、口内炎になると痛みがひどくなり、特に子どもでは食事をとるのを嫌がるようになります。食事で刺激のあるものを食べたりするとしみることがあります。しかし食事をとらないままでは脱水症状を起こす恐れがありますから、水分の補給はしっかり行いましょう。刺激のあるものを避け、おかゆや野菜スープなど柔らかくて薄味な食事を検討するとよいでしょう。

水ぶくれなどは唇や舌にも出る?

大人が手足口病を発症した場合、口の中だけでなく、唇や舌にも発疹や水ぶくれができることがあります。水ぶくれが破れてしまい出血したり、膿んだりして痛みます。口が開けられない、食事が満足にできないなど生活に支障が出ることもあります。

発疹がおしり、顔、背中、に出ることがある?

手足口病の発疹が手足、口の中以外に見られる例が増えています。顔に発疹が出るのは珍しいですが、ないわけではありません。手足以外にもお尻や脚、背中など体の広範囲に発疹が出ます。子どものお尻では、膨らんだような発疹になります。

また大人では唇にも水ぶくれができることがあります。そこから出血したり膿(うみ)を出したりして、痛みを伴います。

手足口病で跡が残ることがある?対応方法は?

手足口病にかかると、身体じゅうあちこちに発疹ができるため、跡が残るのではないかと心配になることもあるかと思います。

ただ、子どもの患者の場合は、皮膚の新陳代謝が活発なため、跡が残ることはあまりありません。大人でも、ほとんどの場合は手足口病の完治とともに発疹がなくなり、元通りの肌に戻ります。

ただし、発疹がかさぶたになった場合、きちんとケアしないと跡が残ることがあります。まず、かさぶたを無理にはがすのは絶対にやめてください。跡が残る可能性が高まります。跡を残さずにかさぶたを治すには、絆創膏でかさぶたをおおうのが効果的です。また、ワセリンやヘパリン系物質などを使って保湿し、傷口が乾かないよう保つことも有効です。

子どもの場合、かさぶたが気になってかいたり触ったりしてしまうことがありますが、できるだけ触れないことが跡を残さずきれいに治すことにつながります。

手足口病とヘルペスとの見分け方

「 ヘルペスウイルス」という種類のウイルスは乳幼児に感染しやすく、水ぶくれのような発疹が表れます。発疹は2ミリから3ミリの大きさの薄紅色で、手足口病と似ていますが、ヘルペスでは主に背中やお腹などの体幹部に表れ、顔や頭皮、手足へと広がります。ヘルペスの発疹には痛みがともない、また同時に高熱が出ます。

単純ヘルペスウイルスというウイルスが原因で起こる「ヘルペス性歯肉口内炎」は乳幼児での発症が多く、口の中や唇に水ぶくれや口内炎ができるのは手足口病と似ています。しかし、ヘルペスの場合、口内炎だけでなく、同時に歯肉炎を起こします。手足口病では、通常は歯肉炎を起こすことはありません。またヘルペス性歯肉口内炎は発熱をともない、39度以上の高熱が何日も続いたりします。食事もできないほど口の中に痛みを感じることがあります。

手足口病と水疱瘡の見分け方

水疱瘡は「水痘・帯状疱疹ウイルス」という種類のウイルスが原因で発症する感染症です。手足口病は典型的には手のひらや足の裏、口の中を中心に発疹が表れます。これに対し「水疱瘡」の発疹は背中や腹など、体幹を中心に発疹が表れます。

ただし最近では手足口病でも太ももや腕、体幹部など広範囲で発疹が出ることが多く、また発疹の大きさもバラバラで、一見すると水疱瘡と区別がつかない場合も多くあります。確定診断には「抗体(体の中にできたウイルスなどに対抗するための武器のようなもの)」の検査をする必要があります。

水疱瘡では発熱や倦怠感を伴うことが多いですが、手足口病では発熱することはあまりなく、高熱になることもありません。どちらも子どもに多い病気ですが、大人がかかると重症化しやすいので、発疹が出たらまずは受診して検査してもらいましょう。


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手足口病の発疹や口内炎症状についてご紹介しました。子供やご自身が手足口病のような症状になって不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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