大人の手足口病の感染経路、症状、痒み・痛みへの対処 無症状も?
- 作成:2015/11/09
子供の病気と思われていますが、大人も手足口病に感染します。どのように感染するのかや、痒みや痛みへの対応方法、「無症状」で済む可能性があるかを含めて、医師監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
手足口病は大人や成人、高齢者にもうつる?
乳幼児に多い手足口病ですが、大人や高齢者にも感染することがあります。これは子供の頃に手足口病に感染しなかったために免疫がついていなかった可能性が高いですが、手足口病の原因になるウイルスは複数種類あるため、以前手足口病に感染した時に原因になったウイルスとは別のウイルスに感染する可能性も十分にあります。また、病気で免疫を抑える薬を飲んでいる人や、疲れがたまっている場合などは、大人でも免疫力は落ちるため、このような場合に手足口病にかかることがあります。大人の患者は多くありませんが、特に、妊婦や高齢者を含む免疫力の低下している人に、よりうつりやすいと考えられています(妊婦の手足口病については、https://www.askdoctors.jp/articles/200003で詳しく解説しています)。
手足口病の大人への感染経路とは?
手足口病が大人にうつる経路は、主に子どもからの感染です。大人の場合は、子どものおむつ交換をするときに排泄物が手について手足口病が移ることも少なくありません。
子供からの感染が多いのは事実ですが、最近では大人同士で感染が拡がるケースも増えてきています。子供以外の経路も考慮して、感染予防を徹底する必要があります。
大人がかかると症状が重くなる可能性
はしかやりんご病などに代表されるように、子どもがかかりやすい病気に大人がかかると、症状が重くなることがありますが、手足口病も同様です。大人が手足口病にかかると、38度以上の発熱(40度以上になる方もいます)、大きめ、広範囲の発疹(水ぶくれ)、発疹の強い痛み、ひどい口内炎などの症状が起こり、子供よりも、症状が重くなる傾向にあるという報告もあります。ひどく重症化するのは大人の感染者の約30%ほどですので、「大人だからすぐに治る」と油断していると危険です。その他にも、身体のだるさや頭痛、筋肉痛、悪寒といった症状も現れます。水ぶくれは痛みが伴うこともあります。たいていの場合、発症後1週間から10日ほどで自然に治癒します。体力があって、熱や発疹が少なかったとしても、口内炎がたくさんできると飲食に支障をきたし体力を落としてしまうケースもあります。
さらに放っておくと、脳や心臓の合併症を引き起こす場合もあります。頭痛、吐き気、38度以上の高熱がある、発熱が2日以上続く、呼吸をするとき息苦しい、水分が摂取できずおしっこが出ない、などの症状があるときは、早めに医師の診察を受けましょう。特に、高齢者の場合は、高熱や食事や水分がとれないことで脱水状態になりやすいという特徴があることを覚えておくとよいでしょう。
不顕性感染にも要注意
また、大人の場合、症状が重くなるのとは逆に、「不顕性感染」の方の割合も大変多いです。「不顕性感染」とは、感染しているのに症状が出ないことで、本人も知らない間に、子供や周囲の人にウィルスを感染させてしまうこともあります。
皮膚のかゆみや痛みへの対処法
手足口病に特効薬はありませんので、栄養や睡眠を十分にとって、休養につとめるのは、大人も子供も変わらない対処方法です。ただ、子供ではあまり起きませんが、手大人の足口病による発疹(水ぶくれ)は、かゆみや痛みを伴うことがあります。他の症状と同様に発疹も1週間ほどで治まり、同時にかゆみや痛みも消えます。ただ、かいたりして、傷をつけてしまうと傷あとが残ったり、そこから細菌が入ってしまうことがあります。早めに病院へ行き、かゆみ止めの薬や皮膚の保護剤を処方して貰いましょう。受診するのは内科でも皮膚科でも構いません。
また、かゆみや痛みを抑えるために、患部は清潔に保ち、刺激を与えないようにしましょう。そのため、入浴の際、熱いシャワーを避けて、ぬるめのお湯のシャワーで汗を流すようにするとよいでしょう。
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大人の手足口病の感染経路などについをご紹介しました。子供が手足口病にかかり不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。
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