手足口病の時のお風呂、食事、授乳、歯磨き、夜泣きへの対応方法

  • 作成:2016/06/14

手足口病の際、口の中に口内炎ができたり、体に水ぶくれができて、家庭での対応に困ることが少なくありません。風呂、食事、授乳、歯磨き、夜泣きへの対応方法を、医師監修記事で、わかりやすく解説します。

アスクドクターズ監修医師 アスクドクターズ監修医師

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手足口病の夜泣きにはどう対応?

手足口病の時はお風呂に入ってよい?

手足口病の主な流行時期は夏です。汗や身体のベタつきが特に気になる季節なので、手足口病にかかっていても、お風呂に入れてあげたくなるかと思います。ただ、不用意にお風呂に入れてしまうと、手足口病の悪化や、家族への感染を起こすことがあります。

手足口病にかかると、皮膚に水疱(水ぶくれ)状の皮疹が現れます。この皮疹が消えていない状態でお風呂に入ると、皮膚が熱いお湯や石けんによって刺激され、皮疹が悪化する可能性があります。また、入浴によって体温が上がると、皮膚のかゆみがひどくなることもあります。

そして、湯船のお湯やタオルを共有することによる、周りの人への感染も考えられます。手足口病の原因となるウイルスが混じった唾液や鼻水が、浴槽内のお湯や、身体を拭いたタオルを通して他の人に触れてしまう可能性があるためです。また、手足口病の子どもの身体を洗ってあげるとき、湿疹がつぶれて水疱の内容物に触れてしまうと、接触感染が起こることもあります。

感染や症状悪化の危険性を防ぐため、手足口病の症状がある間は、湯船への入浴を控え、ぬるま湯のシャワーで身体を流すだけに留めましょう。浴室から出たあとに身体を拭いたタオルは、他の人が触らないように心がけてください。

手足口病のときの食事 どんな食べ物が良い?食べやすいものは?

手足口病によって口腔内に水疱(水ぶくれ)、口内炎が発生すると、痛みでいつも通りの食事がとれなくなることがあります。そのような場合、できるだけかまずに食べられるよう、やわらかいものを食べるとよいでしょう。おかゆや雑炊、うどんなどを、しみないように薄味に味付けしましょう。また、熱いと口の中の痛みが強くなる場合があるため、適度に冷ませてから食べるよう気をつけてください。どうしても食欲が出ないときでも、ゼリーやヨーグルト、バナナなどのフルーツから、少しでも栄養を摂るようにしましょう。

母乳すらのまなくなったら?

卒乳前の乳幼児が手足口病にかかると、口内の発疹の痛みから、母乳を飲んでくれなくなることがあります。栄養が不足するのではないかと心配になるかもしれませんが、水やお茶などで水分補給が可能な場合は、ひとまず安心してよいでしょう。口内の痛みは3日程度で治まることがほとんどで、この期間以内なら水分のみの摂取でもたいていは問題ありません。また、母乳を飲まなくなるのは、乳首に吸い付くときに口の中が痛むからかもしれません。一度、母乳を絞って器に貯め、コップやストローで飲ませる方法を試してみてください。

母乳だけでなく水やお茶なども飲まず、いっさいのものを受け付けなくなると、脱水症状が起こる危険があります。栄養や水分が補給できなくなった場合は、すみやかに医療機関を受診し、点滴などの処置を受けましょう。

手足口病のときの 歯磨き しなくてもよい?

口内の発疹が痛むときは、無理に歯磨きをする必要はありません。痛みが治まるまでの数日間だけであれば、歯磨きをしなくても、すぐに虫歯になることはあまりないでしょう。どうしても気になる場合は、歯を噛み合わせて口を開け、「い」と発音するときの状態にしてから、歯の前面だけを磨くようにしましょう。

また、可能であれば、歯磨きの代わりにうがいとゆすぎを行ってください。うがい・ゆすぎの際、緑茶や紅茶などをうがい液として利用すると殺菌作用を得られて効果的です。

また、口内の発疹がない場合は、もちろんいつも通りに歯磨きをしても問題ありません。ただ、歯磨きのあとに使用したタオルや、歯を磨いた洗面台、コップなどをしっかり消毒しておかなければ、周りの人にうつしてしまう可能性があります。熱湯やアルコール、除菌剤などを使って、手足口病の原因となるウイルスを除菌するよう注意しましょう。

手足口病のとき夜泣きしたらどうすればよい?機嫌が悪いときはどうすればよい?

赤ちゃんが手足口病にかかると、激しい夜泣きを起こすことがよくあります。また、日中も機嫌が悪いケースが多く、母親や家族の負担が大きくなりがちです。

なかなか泣き止まないときなど、対処に困ったときは、まず医療機関を受診してみましょう。多くの場合、夜泣きや機嫌の悪さは、発熱のつらさと発疹の痛みからきています。鎮痛剤や解熱剤などで一時的にでもつらさを緩和してあげれば、身体が楽になり泣き止むかもしれません。夜泣きが続く場合は、就寝前に痛み止めを飲ませておくことで、夜泣きを防げることがあります。


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手足口病の際の家庭での過ごし方などについてご紹介しました。子供やご自身が手足口病のような症状になって不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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