アトピー咳嗽の原因、症状、治療、再発・予防可能性 アレルギーと関係?何科に行く?
- 作成:2016/10/06
アトピー咳嗽(がいそう)とは、「咳」という文字がつかわれているように、咳が長く続き病気です。アレルギーと関連した病気のため、再発しやすい特徴があります。原因や症状、治療を含めて、医師監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
アトピー咳嗽の原因
アトピー咳嗽(がいそう)は、原因となる病気がないのに、咳だけが何週間も続く病気です。
普通、気道に異物が入ると、異物を感知して、咳をして外に出そうとします。アトピー咳嗽では、気道の感度が高くなりすぎて咳が出やすくなっており、時には咳が止まらなくなったりします。風邪の後に3週間以上咳が続いたら、アトピー咳嗽の可能性があります。
アトピー咳嗽の原因はまだはっきりとはわかっていませんが、カビが原因となっていることもあります。また、体質的にアレルギー反応を起こしやすい人(アトピー体質の人)に起こりやすくなっています。本人や家族の中に、アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎などのアレルギー関連の病気になったことがある人がいる場合は、注意が必要です。また、閉経後の女性に多いと言われています。
アトピー咳嗽と症状の似た病気に咳喘息がありますが、症状だけでは見分けることができません。咳喘息と違い、アレルギーに関与する白血球の中の「好酸球」という成分が起こす炎症(「好酸球性炎症」)が、太い気管支(中枢気道)のみに生じるのですが、特殊な検査をしなければわかりません。病気を特定する検査をしながら、気管支拡張薬を使用して、効果があるかどうかで判断することもあります。
アトピー性咳嗽の症状
風邪などの感染症では、咳は長くても3週間もすれば次第に治まります。しかし、アトピー咳嗽では3週間以上、しつこい咳が続きます。喉のイガイガ感があり、「コンコン」という乾いた音の咳がでます。タバコの煙やホコリ、冷たい空気や運動の負担などに刺激されて、咳が引き起こされます。特に就寝時や夜間から明け方にかけて咳き込みやすくなると言われます。「ゼーゼー」や「ヒューヒュー」という呼吸や痰はほとんどでません。
アトピー咳嗽の治療、何科に行くか
咳が長引く場合、内科、特に呼吸器内科を受診しましょう。呼吸器内科と、アレルギー内科が一緒にある病院なら更によいでしょう。
咳が長く続く場合、結核や肺がんなどの重大な病気が隠れている可能性もありますので、胸のX線検査(レントゲン)や採血を行います。その結果で重い病気がないかどうかを確認します。なお、アトピー咳嗽の場合は、X線検査には通常、異常が見られません。
また、検査と同時に治療も一緒に進められます。アトピー性咳嗽は、咳喘息と区別がつきにくく、気管支拡張薬を使用してみて、気管支拡張薬の効果があれば「咳喘息」、効果がなければ「アトピー咳嗽」と判断することがあります。
アトピー咳嗽と診断されたら、抗ヒスタミン剤やステロイド吸入薬を使用します。抗ヒスタミン剤のみの使用の場合もありますが、吸入ステロイド薬も併用する場合が少なくありません。ステロイド吸入薬の使用が難しい場合は、飲み薬を使用することもあります。
アトピー咳嗽の予防、再発可能性
アトピー咳嗽は、再発しやすいと言われます。咳が出なくなって、治療を終了した後、約4年で50%程度の人が再発するとも言われています。咳症状がなくなった後、自己判断で治療を止めてしまうと、アトピー性咳嗽の再発の危険もあります。「症状が無くなれば、通院を止めても大丈夫なのでは」と考えるかもしれませんが、症状が改善しても、自己判断で治療を止めないようにすることが大切です。主治医から「もう大丈夫」と言われるまで治療しましょう。
アトピー性咳嗽は、再発しても、治療をすれば治ります。とはいっても、咳が続くのは苦しいものです。主治医に指示された期間は内服や吸入の治療を継続し、再発の予防をしましょう。
また、アトピー咳嗽は、アレルギー体質の人に多くみられる咳です。難しいと感じるかもしれませんが、日ごろから規則正しい生活や、バランスよく食べる事、生活環境を清潔に保つといったことを心がけ、アレルギー反応が出るのを予防するのも1つの考え方です。
アトピー咳嗽についてご紹介しました。咳が長く続き、不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。
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