気管支喘息の診療科、検査、診断 「呼吸機能検査」「アレルギー検査」の意味も解説
- 作成:2016/10/05
気管支喘息は、呼吸器の一部である「気管支」に異常が起きる病気ですので、「呼吸器科」「呼吸器内科」を受診することとなります。検査や診断基準の概要を含めて、医師監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
気管支喘息は何科で診療する?
気管支喘息は、文字通り「気管支」という呼吸器に生じる病気ですので、気管支喘息を診療してくれる科は呼吸器科、あるいは呼吸器内科です。また、気管支喘息の原因の1つとして、アレルギー反応がありますので、アレルギー科でも気管支喘息を診療してくれます。気管支喘息は子どもでもしばしば見られる病気ですので、子どもならば、小児科でも気管支喘息を診療してくれます。いずれの科も気管支喘息を診療しくれますし、お互いが連携することもあります。
気管支喘息の検査はどんなもの?
気管支喘息を診断するためには、様々な検査が必要となります。気管支喘息で行う検査は、主に以下の3つがあります。
・気管支喘息が疑われる患者さんの呼吸機能を測る「呼吸機能検査」
・アレルギー体質かどうかを見る「アレルギー検査」
・気管支喘息以外の病気を除外するための検査
(1)呼吸機能検査には「ピークフローメーター」「スパイロメトリー」「気道過敏性検査」などがあります。「ピークフローメーター」は最大でどのくらい息を吐くことができるか(最大呼気流量)を測定することができ、気管支喘息の状態を把握するのに役立ちます。「スパイロメトリー」は、呼吸の状態が喘息の特徴に合致しているかを見る検査で、気管支喘息の診断や治療方針の決定に必須な検査です。「気道過敏性検査」はその名の通り、気道が敏感かどうかを見る検査で、気管支喘息の診断だけでなく、その重症度や、治療がどの程度効いているかを知るにも有用です。
(2)アレルギー検査の検査方法はたくさんあります。「プリックテスト」「スクラッチテスト」「皮内テスト」「アレルゲン吸入誘発試験」などがあり、いずれもある特定の物質に対してアレルギーを持つかどうかを調べる検査です。
(3)気管支喘息以外の病気を除外するための検査としては、胸部レントゲン検査やCT検査などが挙げられます。気管支喘息では、咳や喘鳴などが見られますが、これらの症状は、結核、肺癌、肺気腫、心不全などでも見られることがあります。
以上、3つの検査を行い、症状が気管支喘息によるものなのかを診断していきます。
気管支喘息の診断基準
気管支喘息には明確な診断基準はありませんが、以下の項目が判断材料となります。
(1)発作性の呼吸困難、喘鳴、咳、胸苦しさなどの症状の反復
(2)可逆性の気流制限
(3)他の心肺疾患などの除外したうえでの過去の救急外来受診歴や、喘息治療薬による症状の改善
また、「気道に過敏性があるか」「アトピーの素因があるか」「気道に炎症があるか」なども気管支喘息を疑う際に参考になります。
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気管支喘息の診療科、検査、診断についてご紹介しました。「気管支喘息かもしれない」と不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。
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