性器ヘルペスの原因と症状 性行為でうつる?男性と女性の症状の違いは?
- 作成:2016/10/12
性器ヘルペスは、文字通り、男女ともに性器に症状が現れるヘルペスで。感染経路や、男女の症状の違いも含めて、専門医師の監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
性器ヘルペスの原因と感染 性行為でうつる?
性器ヘルペスは、「単純ヘルペスウイルス」というウイルスの感染が原因で発症します。性器の症状の原因となるのは、単純ヘルペスウイルスの「Ⅰ型」と「Ⅱ型」の2種類に限定され、その中でも一般的に性器ヘルペスは「Ⅱ型」で起こることが多いとされています。なおヘルペスと呼ばれるウイルスは単純ヘルペスウイルス以外にもありますので、混同しないようにしてください。
ヘルペスウイルスは非常に感染力が高く、かつてはほとんどの人の体内にいたウイルスでもあり、現在でも成人では半数以上が感染していると言われています。特にⅠ型は唇や口の中に症状が出るものとして知られており、感染者との食器の使い回しやタオルの使い回しなどでも感染してしまいます。単純ヘルペスウイルスは感染、発症し、治癒を経ても、ウイルスは体内に潜伏し、体調不良や疲労によって再発するようになります。Ⅰ型は一般的には口唇ヘルペスの原因ウイルスとされていますがⅠ型でも粘膜を通じて感染するため、オーラルセックスで性器に感染してしまいます。特にヘルペスの症状が出ている時や相手の免疫力が低下している場合は、注意が必要です。
Ⅱ型は通常、陰部や臀部(おしり)、大腿部(ふともも部分)など下半身に発疹を発生させ、性交渉(セックス)によって感染した場合には性行為感染症として取り扱われます。感染予防策としてコンドームの着用がありますが、感染している部分が、陰部に限らず、広範囲に及ぶのが通常で予防としては不十分だと言われています。
性器ヘルペスの男性の症状
男性が性器ヘルペスに感染した場合には、包皮、亀頭、陰茎、大腿部、肛門周辺など広い範囲で小さな水疱(水ぶくれ)の集合体ができます。
ヘルペスの症状が出た部分は、初めはかゆみを感じる程度ですが、水ぶくれができて広がってくるとヒリヒリとした痛みを伴うようになってきます。水ぶくれは徐々に潰瘍状になって痛みが強くなります。治療をしないまま、さらに広範囲に広がってくると、リンパ節が腫れたり、尿道に症状が出てしまって、排尿時の痛みを伴ったりするようになってしまいます。特に初めて感染した急性型の性器ヘルペスの場合は、症状が重たく発熱を伴うこともあります。
基本的に単純ヘルペスⅡ型は性行為によって感染しますが、単純ヘルペスⅠ型でヘルペスが発症した場合は、もともとのウイルスが再び活動をはじめて症状が出たか、新たに感染したかを判別することは難しいと言われています。
性器ヘルペスの女性の症状
女性が性器ヘルペスに感染した場合には、男性と比べると辛い症状がでることが多いようです。単純ヘルペスウイルスに感染して早ければ2日程度、遅ければ21日程度で、外陰部(性器周辺)に不快感やかゆみ症状が現れる様になり、次いで水ぶくれができ広がっていきます。多発性の浅い潰瘍のような症状になることもあります。子宮頸部、臀部や大腿部にまで広がることもあり、排尿時の痛みを伴ったり、歩行時に擦れて痛みを伴うことなどがあります。
女性の場合は、外陰部や子宮頸部に症状が出やすいため、一度改善しても性交や生理などの刺激によって再発するリスクが高まります。
また、初感染の場合は、再発型に比べると免疫力が低いため重度化しやすく、発熱や全身倦怠感、リンパ節の腫れなどを引き起こす水ぶくれが急に出現することもあります。ひどい痛みのために歩行困難になることもあります。特に注意したいのは妊婦で、出産時にヘルペス症状が出ている場合には乳児に感染し、重篤な症状を引き起こしかねません。
【医師による医療ページ評価 - Doctors Review】
性器ヘルペスの症状についてご紹介しました。性器周辺の不快感に不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。
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