口唇ヘルペスの感染経路 キスやタオルの共用でもうつる?自覚なくうつすケースや、発症と感染時期の関係も解説
- 作成:2015/12/14
口唇ヘルペスは、「単純ヘルペスウイルス」と呼ばれるウイルスで発症する病気です。キスやウイルスが付着したタオルや食器に触ることで感染します。ただ、口唇ヘルペスが出たからといって、近い時期に原因があるとは限りません。口唇ヘルペスに、どのような感染経路があるのかなどを、医師監修記事でわかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
接触感染する キスで他人にうつる
口唇ヘルペスの原因となる「単純ヘルペスウイルス」と呼ばれるウイルスは接触感染します。感染経路は、直接患部に触ってウイルスが付着した手でタオルや食器に触り、それを他の人が触ることに加えて、キスでも感染します。口唇ヘルペスを発症している方は、絶対に患部を触らずに、触ってしまった場合はすぐに石鹸で洗い、キスも控えましょう。
患者が体力の低下している方や風邪をひいている方などと接触した場合、約3日から7日間で発症しています。また、口唇ヘルペスを発症している親が子どもにキスをすることで、乳幼児が口唇ヘルペスやヘルペス性歯肉口内炎を発症する例が多くあります。
全く症状が出てなくても、唾液にウイルスが出ている場合があります。そのため、無症状のまま、キスなどを通じて他人へ感染させていることがあります。
自分の体に広げてしまうことも
接触感染をする病気のため、他人へ感染させるだけでなく、患部に触った手で、自分の身体の別の部位を触ると、他の部位にも広がります。単純ヘルペスウイルスは非常に感染力が高いため、石鹸でしっかり手洗いをしない場合、数時間ウイルスは手に付着したまま残ります。特に、アトピー性皮膚炎の方は、皮膚のバリア機能が著しく弱いため、感染すると広範囲に水ぶくれが出ますので注意が必要です。
発症と感染時期の関係
ヘルペスが出た人は、常に近いタイミングで摂食した人や物に問題があるのでしょうか。単純ヘルペスウイルスに初めて感染することを「初感染」といいます。乳幼児期で初感染すると、口唇ヘルペスではなく、「ヘルペス性歯肉口内炎(歯肉におきる口内炎)」として症状が現れることがあります。また小児期の初感染は無症状のこともあります。
単純ヘルペスウイルスは、初感染の後、顔にある「三叉神経」と呼ばれる神経の根元部分に潜んでいて、生涯にわたって潜み続けます。体力や抵抗力が落ちてきている状態になると、根元でウイルスが増殖しはじめ、次第に神経線維に沿って唇へ移動し始めます。多くの人ではこの時にピリピリした違和感があり再発の前触れとなります。ウイルスは数時間で唇に到達して、1日から3日程度で水ぶくれを発症させます。
結局、気付かないうちに幼児期や小児期に単純ヘルペスウイルスに初感染していることが多く、長く体に潜んでいるわけです。そのため、青年や成人になって初めて口唇ヘルペスの症状に気がついた場合でも、「再発型(潜んでいたウイルスが暴れ出すことを再発といいます)」であることがあります。自身に口唇ヘルペスが出たからといって、近い時期に接触した人や物が原因とは言い切れません。
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口唇ヘルペスの感染経路についてご紹介しました。「口唇ヘルペスに感染したかもしれない」と不安に感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?
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