急性アルコール中毒になる酒量と予防方法 赤くなる人は危険?
- 作成:2016/09/30
急性アルコール中毒の原因は、文字通り「アルコール」、つまりお酒です。酒量の基準はありますが、お酒が苦手な人は、量が少なくてもなることがあります。予防方法や赤くなりやすい人のリスクも含めて、医師監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
目次
急性アルコール中毒の原因 飲みすぎ以外でもなる?
急性アルコール中毒は、血中アルコール濃度が一定値を超える事で起こります。通常はアルコールの飲み過ぎで起こる症状ですが、お酒の苦手な方だとアルコールを大量に飲んでいない場合にも起こる症状です。
アルコールが体内に入ると、人間の身体にとって有害な物質であるアルコールは「アルコール脱水素酵素」という酵素によって分解されて、さらに有害な「アセトアルデヒド」という物質になります。アセトアルデヒドは、最終的に「アセトアルデヒド脱水素酵素」という酵素によって無害な「酪酸」という物質になります。
しかし、アルコールを無害化する二つの酵素の数には個人差があり、その個人差がお酒の強さに影響しています。お酒の強さの定義は少し難しいですが、顔が赤くなるタイプの方はアルコール脱水素酵素が少なく、二日酔いや嘔吐しやすいタイプの人はアセトアルデヒド脱水素酵素が少ないと考えられています。
赤くなる人は、急性アルコール中毒になりやすい?
急性アルコール中毒になりやすいのは顔が赤くなるタイプの人です。アルコール脱水素酵素が少なく、アルコールが体内に蓄積しやすいので、普通の人より早く血中のアルコール濃度が上がるため、あまりアルコールを飲んでいなくても、急性アルコール中毒になります。顔が赤くなるというのはアルコールによって毛細血管が拡張している証拠ですので、赤くなるタイプの人はお酒を控えると良いでしょう。
一方、顔が赤くならないタイプの人は、急性アルコール中毒になりにくいともいえますが、アルコールの影響が現れにくいだけのことも多く、症状が出にくい分、致死量まで飲んでしまうこともあるので注意しましょう。アルコールの分解が早くとも、短時間に一定量以上のアルコールを飲めば、必ず急性アルコール中毒になります。
急性アルコール中毒になる酒量 目安がある?人によって違う?
急性アルコール中毒は、基本的には血中のアルコール濃度に依存するので、アルコールの摂取量で純粋に計算できます。体重を70kgの成人男性とすると、急性アルコール中毒になる飲酒量は以下の通りとなります。
ビール(350ml)10缶
ワイン2本
日本酒1升
焼酎4合
ウイスキーボトル1 本
1時間以内に上記の量を飲んで急性アルコール中毒を発症すると、高い確率で死亡すると考えてください。「アルコールの致死量」という理解でも構いません。体重によって摂取量は異なり、体重が少ない方は上記の量よりも摂取量が少なくなります。また1時間以内ということですが、1時間待てばもっと飲めるということではなく、体質によっては2時間でも3時間でもこれだけの量を飲むと急性アルコール中毒になる可能性があります。
また、これはあくまで最大許容値です。更に言うなら「誰でもこれだけ飲めば急性アルコール中毒で死亡する」というボーダーラインであり、脳機能の麻痺自体はこれよりも低い濃度で発生します。安全で快適な飲酒量はこの5分の1程度です。飲み過ぎにはくれぐれも注意してください。
急性アルコール中毒の予防方法
急性アルコール中毒の一番の予防法はお酒を飲み過ぎないことです。特に、一気飲みは絶対にやめてください。アルコールの分解は、主に肝臓で行われますが、肝臓の分解能力は体調によって変化します。普段通りに飲んでいるつもりでも酔いが早くなる時もあるため、少しずつお酒を飲んで限界になる前に止めましょう。
また、アルコールは利尿作用があるため、アルコールと共に摂取した水分は殆ど失われてしまいます。それどころか、むしろ失われる水分の方が多く、脱水症状を起こす恐れもあります。アルコール飲料はいくら飲んでも水分補給にはならないと言っても過言ではありません。そのため、常に水分補給は欠かさないようにしてください。
胃に何も入っていないと胃から吸収されるアルコールの量が増えるため、食べ物と一緒に食べるのも1つの対策となります。吐き気を感じるか、少しふらつくようになったら限界です。急性アルコール中毒まではいかなくとも、嘔吐による窒息や転倒のリスクなどが高まります。勧められると断れないということもあるでしょうが、飲めない時は飲めないとキチンと言いましょう。気分が悪くなってきたら、それをちゃんとアピールしてください。
さらに、急性アルコール中毒は、なった本人だけでなんとかできる症状ではありません。自分が大丈夫だから良いということではなく、周りの状況も良く確認しながらお酒を飲みましょう。気分が悪そうな人がいたら、率先してサポートできる心構えがあれば、不幸な事故をなくすことができるでしょう。
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急性アルコール中毒になる酒量や死亡確率などについてご紹介しました。飲酒にまつわる不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。
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