インターバル速歩の効果、医師の多数が肯定的 熱中症予防に牛乳は?

  • 作成:2016/06/10

最近、テレビやインターネットなどで「インターバル速歩」という歩き方が取り上げられ、話題にのぼることが多くなっています。「インターバル速歩」とは、信州大学大学院の能勢博先生らが提唱する、従来とは違うウォーキングの手法です。アスクドクターズ(https://www.askdoctors.jp/)では、会員医師に対して、インターバル速歩の効果などについて聞くアンケートを実施しました(実施時期6月上旬 回答医師数16人)。回答数は多くありませんでしたが、インターバル速歩や、歩行後の牛乳摂取による熱中予防については、肯定的な意見が目立ちました。

この記事の目安時間は3分です

「インターバル速歩」とは?

インターバル速歩の概要は、以下の通りです。

「ややきつい早歩き」「普通の歩行」を繰り返して、15分以上習慣的に継続することで、肥満解消や生活習慣病の予防につながる(http://www.jtrc.or.jp/interval/)
・歩行のあと牛乳を飲むと筋肉の修復効果が高まり、筋肉量が増えやすくなる。そのため、歩行と、ウォーキング後の牛乳摂取には、熱中症予防にも効果がある(http://www.jtrc.or.jp/interval/keyword3.php 専門家向け)
・63歳前後の人の場合、「1日1万歩」を目指して歩いた人より、インターバル速歩の方が筋肉増強の効果が高かった(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17605959 専門家向け、英文)

運動量よりも、運動の方法を重視することで、効果的な健康づくりが期待できるというものです。医師会員に向けて、以下のような質問をました。

インターバル速歩が最も筋力を増やす?

1. 同じ距離をウォーキングするとして、最も筋力を増す歩き方は以下のどれだと思われますか?1つ選択してください。

・ややきつい早歩き           4人(25.0%)
・インターバル速歩           10人(67.5%)
・普通の速度での歩行          2人(12.5%)
・普通より遅い速度で時間をかけた歩行  0人(0.0%)

結果として、「インターバル速歩が最も筋力を増す」との回答が半数を超えました。「ややきつい早歩き」や「普通の速度での歩行」よりも効果があるという意見が多いという結果です。

「インターバル速歩」と回答した理由を聞くと、「緩急をつける事で筋肉に刺激がいくから」、「有酸素運動だから」といった回答がありました。「有酸素運動」とは、軽度か中程度の負荷を長時間にわたって繰り返すことです。負荷の重い運動は、年齢や体調によっては、長時間の実施が難しい側面がありますので、「長時間継続できる」部分にも重きを置いた回答といえるでしょう。

歩行後に牛乳で熱中症予防?

2.負荷をかける歩行のあとに牛乳を飲むことで、熱中症予防につながるとお考えですか?1つ選択してください。

・十分に考えられる    2人(12.5%)
・ある程度考えられる   10人(62.5%)
・あまり考えられない   3人(18.7%)
・考え難い        1人(6.2%)

「十分に考えられる」「ある程度考えられる」が合わせて、7割を超える結果となり、「負荷をかけた歩行の後の牛乳で、熱中症予防」について、医師会員は肯定的な見方を示しました。

理由を聞いたところ、肯定的な意見の中では、「(熱中症予防に重要な、血液の液体成分)血漿の量が増えるだろうから」「実体験があるから」といった回答がありました。一方で、牛乳の効果に否定的だった医師の意見としては、「運動前に、牛乳を飲むことで、筋肉量の増加につながると考える」といったものがありました。

とはいえ、水分補給を否定する意見はありませんでしたので、熱中症の起こりうる時期に、ウォーキングをする際は、適切な水分補給を心がけましょう(熱中症予防については、https://www.askdoctors.jp/articles/200651で詳しく解説しています)。

「継続が一番」との声も

最後に、適切なウォーキングの工夫について、自由回答で聞きました。主な意見は以下の通りです。

・手を後ろにふるのが良い
・やや早めで、1週間に5回、1時間
継続が1番なので、無理しないことが大切。そのために、外気を浴びるでもよいので続けることこそ重要
・楽しみながら続けること

インターバル速歩についての医師調査の結果をご紹介しました。自身の健康維持の運動方法に不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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