熱中症の12の症状と後遺症 どんな初期症状?脳梗塞との見分け方は?子供や高齢者の症状の特徴は?

  • 作成:2016/04/05

熱中症は暑さが原因で引き起こされる病気ですので、全身に影響が出る可能性があります。一般的なイメージと違って汗が出ない場合もあります。また、対応が遅れると重大な後遺症が残ることがありますので、早めに対応する必要があります。高齢者の場合、勘違いを起こす可能性のある脳梗塞の見分け方も含めて、全身の症状を、医師監修記事で、わかりやすく解説します。

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熱中症の症状とは?

熱中症に初期症状がある?

熱中症の初期症状は主にめまい、大量の発汗、たちくらみなどが見られます。初期の症状を放置すると、身体の中の電解質や水分のバランスが崩れてしまい、筋肉痛やこむら返りなどの症状が発生します。このような症状が出た場合はすぐに涼しい場所に移動し、冷やしたタオルや氷、冷却材などを首、脇の下、足の付け根などにあてて身体を冷やします。汗とともに失われた水分やナトリウムを補給する目的で水、少量の食塩などを摂取します。食塩の量は水1リットルに対して小さじ3分の1程度が目安です。また水で半分程度に薄めたスポーツドリンクなども効果的です。一度にたくさん飲むのではなく、体調をみながら50 ml から100mlずつ、飲むようにしましょう。

涼しい場所で身体を冷やし、水分とナトリウムを補給しても症状が改善しない場合や嘔吐、頭痛、意識障害などの症状がみられる場合はすぐに病院を受診する必要があります。

熱中症に子供特有の症状がある?

子供の熱中症では、成人よりも汗をかきやすく、身体が小さいためすぐに脱水を起こしやすいという特徴があります。また大人と違って体調不良を上手く伝えられなかったり、喉の渇きにも自分では気がつかない場合がしばしばあるため、周囲の大人がこまめに体調を管理し、積極的に水分補給をさせてあげなければなりません。

子供の熱中症では初期の場合はなんとなく機嫌が悪い、反応がぼんやりしているという程度です。この時点で身体を冷やし、水分をしっかり補給させなければなりません。放置すると次第に脱水症状をおこし、嘔吐や意識障害を起こし、命に関わる場合もあります。

暑い日に、子供が嘔吐やぐったりするなどして、口から水分をとれないような場合、病院で点滴をする必要があります。自己判断で様子を見ずにすぐに小児科を受診しましょう。

熱中症に高齢者特有の症状がある?

高齢者の熱中症は、なんとなく元気がなく、返答がぼんやりしていたり的外れな回答をするなど、一見すると認知症の症状と間違えやすいような場合がしばしばあります。また屋外よりは、自宅などの室内で発症することが非常に多く、気温がさほど高くない4月、5月や9月ごろにも起こりやすいという特徴があります。湿度の高い日の発生が多く、発症後は脱水から脳梗塞や肺炎、多臓器不全などを起こす可能性も高いため、命に関わる事態になる危険性が高いことも特徴的です。

高齢者の方の中に電気代を節約する目的でクーラーの使用を控える場合がありますが、熱中症の危険性が非常に高くなります。また高齢者では暑さ寒さの感覚が鈍く、そもそも夏場でもあまり暑いと感じていなかったり、喉の渇きも自覚しにくいため水分補給を忘れがちになってしまうケースが多くみられます。つまり、高齢者の方は熱中症になりやすく、一度熱中症を発症すると重症化しやすい傾向があり注意が必要なのです。

高齢の方でいつもと違って元気がない、ぼんやりした様子である場合は熱中症の症状である可能性を考え、かかりつけ医を受診しましょう。

熱中症と脳梗塞の症状の違い

夏の暑い時期に「頭痛」や「吐き気」「意識障害」などを起こしたとき、多くの方がまず考えるのは、熱中症ですが、実は、脳梗塞でも同様の症状を起こす場合があります。熱中症と脳梗塞を間違えて対処してしまうと、生活に支障が出るような後遺症が残ったり、命にかかわる場合もあるため注意が必要です。

熱中症と脳梗塞の見分け方のポイントは、身体の一部に麻痺があるかどうかです。以下のような症状がある場合は、脳梗塞を積極的に疑う根拠となります。

・手足の一部に力が入りにくかったり動かしにくい場合
・顔の表情が左右非対称にゆがんでいる
・水を飲もうとすると片方の唇からこぼれる
・ろれつが回らない場合

頭痛や嘔吐はどちらかというと熱中症で起こりやすく、意識障害は熱中症、脳梗塞どちらでも起こります。また熱中症が原因となって脳梗塞を起こす場合もあります。脳梗塞は、発生から治療開始までの時間が短いほど、治療の効果が高くなります。熱中症か脳梗塞か判断できない場合、自己判断で経過を見守らず、様子がおかしいと感じたら、すぐに救急車を呼びましょう。


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熱中症で頭痛は起こる?特徴は?

熱中症ではしばしば頭痛がみられます。多量の汗をかいて身体から水分が失われて脱水状態になると、身体の中の血液の量が少なくなるためです。「血流量の低下」といわれるものです。血液は体中に酸素や栄養を運ぶ大切な働きをもっており、重要な臓器に送られる血流が途絶えると重大な臓器障害をおこし命に関わる問題となります。そのため、人間の身体は血流量が低下すると、生命を維持するために脳や肝臓、腎臓など重要な臓器に優先的に血液を送る働きを持っています。

脱水状態になると、脳の血管が拡張し、脳への血流を維持しようとする働きが起こります。血管の周囲には神経があり、血管が拡張すると血管周囲の神経が圧迫されて頭痛が起こると考えられています。血管の中を血液が通過する時に特に神経が圧迫されるため、熱中症や脱水状態の時に起こる頭痛はズキンズキンと脈打つような「拍動性」と呼ばれるタイプの頭痛が多いことも特徴的です。

「熱中症診療ガイドライン2015」では頭痛はII度熱中症(3段階のうち2番目)として位置づけられており、病院への受診が推奨されています。頭痛薬を飲むなど自己判断で様子を見ず、元気なように見えたり、感じても病院を受診するようにしましょう。

熱中症の頭痛は続くことがある?

熱中症の頭痛は発症した日だけでなく、その後何日も続くことがあります。熱中症を発症した時から、身体は多量の発汗などによる脱水状態となっており、脱水状態から元の健康な状態に回復するには何日もかかる場合があるためです。

特に高齢者はもともと脱水に弱く、回復にも時間がかかるケースが多いため、症状が長引くことがあります。高齢者以外でも寝不足や疲労がたまっていたり、飲酒量が多い方や元々頭痛持ちの体質の場合は症状が長引くことがあります。頭痛が続く間は、身体が脱水状態から回復していないと考えられますので、水分と適量の塩分をしっかりと補給し、カフェインの入った飲物やアルコール飲料を避け、できるだけ安静にしましょう。どうしても症状が良くならない場合は他の病気が隠れている可能性も否定できませんので、病院で検査を受けるようにしましょう。

熱中症では発熱する?高熱が出る?特徴は?

熱中症では体温が上昇することがしばしばありますが、この体温上昇は発熱ではありません。「発熱」とは、厳密に言うと、ウイルスや炎症などの影響で、身体が自ら体温を上昇させる状態を指します。これに対して熱中症の体温上昇は周囲の温度が高いために体温が自然に上昇してしまったもので、身体の働きとしては体温を下げるように働いているのです。そのため、熱中症の体温上昇では、発熱による体温上昇と異なり、解熱剤が効かないことが特徴的です。

熱中症では寒気が起こる?

熱中症では体温が上昇することが多いのですが、本人は逆に寒気を感じていることがあります。これは体温が低下して寒気がしているのではなく、体温の上昇や水分、電解質等の不足により、脳の機能が異常をきたして、実際には体温が上昇しているにも関わらず寒いと感じてしまっているのです。そのため、熱中症であるにも関わらず寒気を感じた場合は脳の機能に異常をきたすような非常事態と考えなければなりません。熱中症で寒気を感じる場合は重症と考え、すぐに病院を受診するか救急車を呼びましょう。

熱中症で、吐き気や嘔吐が起こる?特徴は?

熱中症ではしばしば吐き気、嘔吐がみられます。激しい頭痛を伴う場合が多いのが特徴的です。熱中症で脱水状態になると消化器の機能に異常をきたすために起こる症状で、脱水状態になりやすい子供や高齢者にとくに良くみられます。

熱中症で吐き気や嘔吐がみられる場合は「熱中症診療ガイドライン2015」ではII度熱中症(3段階のうち2番目)に分類されており、元気なように見えても医療機関への受診が必要とされています。応急処置としては涼しい場所で安静にし、首や脇の下など太い血管のある場所を冷却し、水分と電解質を補給する必要があります。スポーツドリンクを半分程度に薄めたものが効率よく水分や電解質を補給できると考えられていますが、水と少量の食塩などでも構いません。

冷たすぎる飲み物はかえって消化器に負担をかけ、嘔吐しやすくなる場合がありますので、常温で飲ませましょう。また、一気に飲むことでも吐き気や嘔吐が起きやすくなります。最初はスプーン1杯ずつ程度の少量を様子をみながら飲ませます。自力で水分がとれない場合は、症状がどんどん悪化する可能性が高いため、すぐに救急車を呼びましょう。

熱中症で鼻血は起こる?特徴がある?

熱中症では鼻血が出ることがあります。暑さにより血圧が急激に上昇した場合や、暑さに対する身体の反応で、身体の表面の血管が拡張した場合に起こる症状です。とくに子供は鼻の粘膜が弱いので、子供の熱中症の症状として見られる場合が多いと考えられています。鼻血が出ると驚いてしまいますが、鼻血が出たからすぐに重症の熱中症という訳ではありません。まず涼しい場所に移動して体を冷やしながら鼻血を止める処置を行い、それから落ち着いて身体全体の症状や状態を見て、医療機関への受診の必要性や救急車を呼ぶかどうかなどを判断していきましょう。

熱中症でめまいは起こる?特徴がある?

熱中症ではしばしばめまいがみられます。めまいは熱中症のごく初期の段階からみられる症状の一つで、脱水によって血圧が低下していることを示す症状です。

めまいにはいくつかの種類があり、目の前の景色が揺れる、回転するなどの症状がありますが、熱中症のめまいはなんとなく身体がふらふらする、フワフワする感じなどと表現されることが多いようです。症状がひどくなると立ちくらみのような症状や頭痛を伴うようになってきます。

夏場になんとなく身体が安定せずふらつく場合は熱中症の初期症状の可能性があります。すぐに涼しい場所に移動し、水分とミネラルを補給し安静にしましょう。

熱中症で眠気は起こる?特徴がある?

熱中症ではなんとなく眠そうに見えたり、うつらうつらと眠ってしまいそうになるケースがあります。これは実は眠いのではなく、意識障害を起こしている非常に危険な状態の可能性があり注意が必要です。

熱中症の症状が進行すると、脱水による脳への血流量の低下や体温の上昇の影響から意識障害を起こすことが知られています。意識障害の初期の段階ではなんとなく反応がぼんやりしている程度ですが、次第に意識障害が進行すると眠そうになったり、あくびを繰り返す、うとうとと眠ってしまうなどの症状が現れます。以下に、日本で広く使われている意識障害の重症度の判定基準を記載します。

[Japan Coma Scale(JCS)]
I 刺激しないでも覚醒している状態(1桁の点数で表現)
1. 意識清明とは言えない
2. 見当識障害がある
3. 自分の名前、生年月日が言えない

II刺激すると覚醒する状態(2桁の点数で表現)
10. 普通の呼びかけで容易に開眼する
20. 大きな声または身体を揺さぶることにより開眼する
30. 痛み刺激を与えつつ呼びかけを繰り返すと辛うじて開眼する

III刺激をしても覚醒しない状態(3桁の点数で表現)
100. 痛み刺激に対し、払いのけるような動作をする
200. 痛み刺激で少し手足を動かしたり顔をしかめる
300. 痛み刺激に全く反応しない

眠そうに見えたり、刺激を与えないと目を閉じて眠ってしまうように見える状態は、上記のJCSの分類のうち、IまたはIIの段階に該当する可能性があります。放置すると意識障害の進行とともに多臓器不全などの合併症を起こし、命に関わる事態になる可能性があります。眠そうだからといって安静にしたまま放置することは大変危険です。すぐに救急車を呼ばなければならない非常事態だと考えましょう。

熱中症で筋肉痛は起こる?特徴は?

熱中症ではしばしば筋肉痛がみられます。熱中症により脱水状態になると水分が失われるため血液の量が低下します。血液の量が低下すると身体は脳や肝臓、腎臓などの重要な臓器の血流を優先的に維持しようとするため、手足など身体の末端への血流量が低下します。同時に血液中のミネラルのバランスが崩れるために、手足の筋肉がうまく機能しなくなり筋肉痛の症状が現れたり、重症になるとこむら返りのような筋肉のけいれんとなってしまいます。

このように熱中症により筋肉痛や筋けいれんといった症状を起こした場合を以前は熱けいれんと呼んでいました。現在は「熱中症診療ガイドライン2015」によりI度熱中症(3段階のうち最も軽い)とされます。

I度熱中症ではすみやかに涼しい場所に移動し、衣類を緩めたり氷や冷やしたタオルなどを使用して身体を冷却します。またスポーツドリンク等を飲んで汗とともに失われた水分とミネラルを補給します。処置をして次第に症状が改善している場合はそのまま様子をみて構いませんが、症状が改善しない場合や悪化する場合、嘔吐や下痢、意識障害など他の症状が起きてきた場合はすぐに医療機関を受診しましょう。

熱中症で腹痛は起こる?特徴がある?

あまり知られていませんが、熱中症が原因で腹痛が起こることがあります。熱中症そのものや熱中症を改善させる目的で水だけを飲み、ナトリウムなどの電解質を上手に摂取できていない場合などに、身体の中のミネラルのバランスが崩れるために起こる症状で、腹痛の他に嘔吐や下痢を伴う場合もあります。

熱中症を予防する目的でも水分を積極的にとる必要がありますが、ナトリウムを一緒に補給しなかったりカフェインの入った飲料ばかりをとってしまうと、身体の中の水分と電解質のバランスが崩れてしまい、腹痛などの原因となってしまう可能性があります。熱中症になる前もなった後も、水分とナトリウムの補給を正しい方法で行うように心がけましょう。

熱中症で下痢は起こる?特徴がある?

熱中症が原因で下痢が起こる場合があります。腹痛と同様、身体の中の水分と電解質のバランスが崩れたために起こる症状で、通常は下痢だけでなく吐き気や嘔吐を伴う場合が多いのが特徴です。また熱中症になったばかりの初期の段階ではなく、熱中症になった翌日や数日後までに下痢の症状が出ることもあります。

下痢が続くとますます身体から水分と電解質が失われてしまい、体調の回復が遅れてしまいます。夏の暑い時期に下痢がみられる場合、熱中症の可能性を考えて、水分とナトリウムなどの電解質をとりましょう。その際、冷たすぎる飲物やカフェインの入った飲料、アルコール飲料は症状を悪化させる恐れがあるため避ける必要があります。また生ものや辛いもの、脂肪分の多い食べ物も消化器に負担をかけて体調の回復を遅らせてしまうため避けた方が無難です。

熱中症で痙攣は起こる?特徴がある?

熱中症では、重症になると痙攣がみられる場合があります。熱中症でみられる痙攣は2通りあり、こむら返りのように手足の筋肉などが痙攣する「筋痙攣」といわれるものと、中枢神経の異常により全身が痙攣するものがあります。

「熱中症診療ガイドライン2015」(日本救急医学会)によると筋痙攣はI度熱中症(3段階のうちもっとも軽いもの)に分類されており、熱中症の比較的初期からみられる症状の一つです。筋痙攣がみられた場合は、涼しい場所で安静にし、水分とナトリウムの補給を行います。このような処置で症状が改善する場合は様子をみて構いませんが、症状が改善しない、または悪化する場合はすぐに病院を受診する必要があります。

全身の痙攣は熱中症診療ガイドライン2015ではIII度熱中症(3段階のうちもっとも重いもの)に分類され、重症の場合にみられる症状です。熱中症が進行して体内の水分と電解質のバランスが崩れ、また体温が上昇した結果、脳の機能が異常をきたしているために起こる症状で、処置が遅れると命にかかわる危険な症状です。全身の痙攣がみられる場合は一刻を争う緊急事態と判断し、すぐに救急車を呼びましょう。救急車が来るまでの間は涼しい場所で安静にし、氷などで首、脇の下、足の付け根など太い血管のある部位を冷やして、待ちましょう。

熱中症のとき汗は出る?止まる?特徴がある?

熱中症は暑い環境で起こる病気のため、汗をかくイメージがありますが、実際はどうでしょうか。実は熱中症にも幾つかの種類があり、汗をかく場合とかかない場合があるのです。

汗をかく場合は、比較的若い方が炎天下の作業やスポーツを行っている最中に起こる熱中症に多いケースです。炎天下の作業やスポーツで多量の汗をかき、水分やナトリウムの補給が足りない場合、脱水症状や体温の上昇が起こり熱中症になります。

汗をあまりかかない熱中症は、湿度の高い日や高齢者に多いケースです。湿度が高い日は汗をかきにくいため、さほど高くない気温でも身体に熱がこもってしまい熱中症になる場合があります。梅雨の時期に起こる熱中症はこのケースがしばしばみられます。また高齢者は若い人に比べて汗をかいて分泌する「汗腺」の数が減っているため、汗をかきにくい体質と考えられます。このため汗をかいて体温を調節する機能が弱く、体に熱がこもりやすいため若い人に比べて気温があまり高くなくても、熱中症になりやすいのです。

また汗をかくタイプの熱中症でも、最初は汗をたくさんかいていたのに途中から汗の量が減ったり、汗がとまる場合は要注意です。汗が止まるという事は、多量の汗をかいた結果身体の水分が失われてしまい、もう汗となる水分が身体に残っていない事を示しているのです。最初は汗をかいていたのに途中から汗がとまった場合は、脱水症状が悪化した徴候と考え、救急車をすぐに呼びましょう。

熱中症で後遺症が残ることがある?どんな影響がある?

熱中症は軽症の場合は、ほぼ後遺症を残さずに治る病気ですが、重症化すると後遺症を残してしまう場合があります。後遺症は短期で消失する軽いものから、長期にわたって残る重症のものまで様々です。

程度の軽い後遺症としては、熱中症になった次の日から2カ月程度に渡って残る身体のだるさ、頭痛、下痢、食欲不振、筋肉痛などです。熱中症は、医療機関を受診しない程度の症状でも、身体全体に脱水の影響が残っている事が多く、熱中症の後も1週間から場合により2カ月程度は体調不良を感じる方が多いようです。

重度の後遺症はIII度熱中症などの最重症例にみられるケースが多く、腎機能障害や脳出血、意識障害などが起こります。III度熱中症では脱水や体温の上昇、ミネラルのバランスが崩れたことにより脳や腎臓、肝臓などの重要な臓器が、回復できないなダメージを受けやすくなります。

またIII度熱中症では血液の機能の異常により、「播種性血管内凝固症候群(DIC)」という重大な病気を起こすことがあります。DICになると、身体の中で血液が固まったり、逆に出血するなどの異常が起こり、全身の臓器がダメージを受けるほか、脳出血を起こしたりして、「多臓器不全」という状態に陥り、死亡する例もあります。

III度熱中症で起こる重度の後遺症は時間の経過とともに改善することは少なく、その後の生活を大きく変える可能性があるため、熱中症は早期に治療を行い重症化させない事が非常に大切なのです。


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熱中症の症状や後遺症についてご紹介しました。熱中症にならないか不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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