「寄生虫が心配」子どもがカタツムリを口に!すぐに病院に行くべき?
- 作成:2021/12/15
AskDoctorsに寄せられたお悩みをマンガで紹介し、医師からの回答を紹介する本シリーズ。今回ご紹介するのは、子どもがカタツムリを口に入れてしまい心配するお母さんからのご相談です。
この記事の目安時間は3分です
【今回のお悩み】
1歳3ヶ月の子どもが何かモゴモゴしていると思ったら口からカタツムリが出できました。
口に入れていたのは数秒です。
寄生虫のことがこわくて、心配になりました。こちらは東北地方です。
病院もすぐ受診した方がいいのかお聞きしたいです。
今はとても元気です。
【医師の回答】
お疲れ様です。心配ですね。
数秒であれば、恐らく問題ないと思います。
嘔吐などの症状があれば受診されることをお勧めしますが、その後体調を崩しておらず、元気であれば問題はないと考えます。
カタツムリの寄生虫は、ロイコクロリディウムが多いようです。
ロイコクロリディウムは、カタツムリに寄生する吸虫の仲間で、日本では、少なくとも沖縄で1種、北海道で2種が見つかっています。カタツムリが中間宿主、最終宿主が鳥です。すなわち、ロイコクロリディウムの成虫が鳥の腸内で産卵し、鳥が糞をすると、糞と一緒に卵が外に出されます。その糞をカタツムリが食べると、カタツムリの体内で孵化し、幼虫が増えます。そして、幼虫が集まって、色付きの動く袋に包まれ、カタツムリの触角に、目立つ色付きの袋を出します。それを鳥が見て、カタツムリを食べると、鳥の腸内で幼虫が成虫になります。この繰り返しで増殖していくのです。
しかし、ロイコクロリディウムは現時点では、北海道と沖縄でしか見つかっていないのと、ヒトへの寄生はなさそうなので、安心されて良いと思います。
ほかにもカタツムリに寄生するものとして、広東住血線虫という寄生虫がいます。広東住血線虫は人に感染すると、激しい頭痛や発熱などの症状が現れます。
ただ、日本で確認されている広東住血線虫の人間への感染は、すべて沖縄で発生したものと推定されているため、東北にお住まいであれば感染する可能性は低いと考えられます。
嘔吐などがなければ様子を見て、体調に異変が出た場合は小児科を受診してください。
参考文献
愛知県衛生研究所
千葉の小児科医
小児科専門医
関西で生まれたが、現在は関東で小児科医として勤務。
趣味は読書、映画鑑賞、旅行など。
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