あなたも知らずに使っているかも…頭痛薬を飲むと眠くなることが多い理由
- 作成:2022/04/27
頭痛を感じたら痛み止めを使う、という人は多いと思います。頭痛があると仕事や勉強に支障を来たすこともあるため、頭痛持ちの人にとって頭痛薬はとても大事なものです。しかしこのとき、頭痛薬を飲むと眠くなる、という人もいます。せっかく頭痛が治まっても、眠くなって仕事や勉強が捗らなければ、あまり意味がありません。なぜこのようなことが起きてしまうのでしょうか。今回は薬剤師の立場から頭痛薬と眠気についてお話をしていきたいと思います。
この記事の目安時間は3分です
そもそも、痛み止めに「眠くなる作用」はない
一般的な頭痛には、「アセトアミノフェン」や「ロキソプロフェン」、「イブプロフェン」といった痛み止めがよく使われます。基本的に、こうした痛み止めには“眠くなる”ような作用はありません。そのため、頭痛の時に痛み止めを使ったからといって眠くなる、ということは、通常は考えられません。
痛み止めのほかに、「眠くなる成分」が入った薬を使っていないかを確認しよう
ドラッグストア等で購入できる頭痛薬の中には、こうした痛み止めの他に、眠くなる「催眠鎮静薬」という成分を配合している商品も多くあります。この「催眠鎮静薬」は、痛み止めの効果を助ける目的で配合されているものですが、文字通り眠気を催す作用のある薬です。つまり、「頭痛薬を飲むと眠くなる」という人は、知らないうちにこの「催眠鎮静薬」の入った薬を飲んでいる可能性が高い、ということです。下記は、「催眠鎮静薬」を配合している痛み止めの一例です。頭痛薬を購入する際の参考にしてみてください。
※「催眠鎮静薬」を配合している痛み止めの例
(アリルイソプロピルアセチル尿素を含む)
小中学生用ノーシンピュア
ノーシンピュア
イブA錠
イブA錠EX
イブクイック頭痛薬
イブクイック頭痛薬DX
ロキソニンSプレミアム
バファリンプレミアム
エキセドリンプラスS
新セデス錠
セデスキュア
セデス・ハイ
セデス・ハイG
セデス・ハイ プロテクト
(下記は「ブロモバレリル尿素」を含む)
※ブロモバレリル尿素:中間型催眠剤(作用持続時間:3〜6時間)
グレランエース
サリドンエース
ナロン錠
ナロンエース
普段使いには、できるだけ「催眠鎮静薬」の入っていない商品を
この「催眠鎮静薬」の配合された商品は、名前に“プレミアム”や“DX”、“ハイ”、“クイック”などが付いていたりすることが多いため、一見するとより効果の高い薬のように思えるかもしれません。しかし、医療現場では頭痛の治療を目的に使われることは基本的にありませんし、診療ガイドラインにも掲載されていません。
以上のことから、頭痛がひどくて薬を飲んですぐに眠ってしまいたいというような、「眠くなる作用」がどうしても欲しい場合を除いて、「催眠鎮静薬」の入った商品を積極的に服用することは避けましょう。特に、普段から使っている頭痛薬を使うと眠くなることがある…という経験に心当たりのある人は、ぜひ一度、自分の頭痛薬に「催眠鎮静薬(アリルイソプロピルアセチル尿素、またはブロモバレリル尿素)」が入っていないかどうか確認してみてください。
「催眠鎮静薬」の入っていない痛み止めでも眠くなる人は
なかには、この「催眠鎮静薬」の入っていない痛み止めでも眠気を感じる人が居るかもしれません。先述の通り、痛み止めの薬自体には基本的に眠くなる作用はありませんが、実際にご自身が眠気を感じているのであれば、何らかの対処が必要です。
一般用医薬品の痛み止めには「アセトアミノフェン」、「ロキソプロフェン」、「イブプロフェン」、「アスピリン」、「エテンザミド」、「イソプロピルアンチピリン」といろいろな成分のものが揃っているため、まずは別の成分の痛み止めに切り替えてみることをお勧めします。それでもどうしても眠気を感じる場合は、医療用医薬品には更にたくさんの成分が揃っているため、一度病院を受診し、自分に合った薬を処方してもらえるか相談するようにしてください。
(薬剤師)
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