わーい。長かった夜尿が終わりました!子どもの「できない」を親が「待つ」大切さと、難しさ

  • 作成:2023/01/21

こんにちは。外科医ちっちです。以前、長男にっちの夜尿についてお伝えしました。 小2から夜尿外来に通い、アラームや飲水制限など、できることはすべて試しました。 夕方の飲水制限ができれば、夜尿は減る。しかし、学校では緊張して水を飲まないので、夕方の飲水量が減らない。無理に減らすと、お風呂でがぶ飲みしてしまうという状況で、まったく変化のないまま小4になっていました。そんなにっちに、ある日変化が起きました。

外科医ちっち 監修
 
外科医ちっち 先生

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次のオムツは高齢者用のサイズしかない

今のところ、子ども用おむつで一番大きいサイズはムーニーマンの「スーパーBig」で、対象体重は18~35kgです。

小4になったにっちは、平均体重くらいの34kgになっていました。オムツのウエストはギリギリです。「もうこれが子ども用サイズでは最後のオムツか・・・」と内心考えていました。次のサイズは、高齢者の介護用しかない、本人は「おじいちゃん用のパンツなんて履きたくない」と嫌がっている、どうするかなと迎えたにっち10歳の誕生日の頃のことでした。

この頃になると、もう夜尿をどうにかしようという気持ちは本人にも家族にもなくなっていました。夜はオムツで当たり前、布団が汚れなければOK。いつかどうにかなるさ、あははは~と何も気にせず、夜尿である事実を受け入れていました。

10歳になって数日後のある朝、にっちが「おはよう。今日、軽いよ」と軽いオムツを持ってきました。

うちの凸凹−外科医と発達障害の3人姉弟−わーい。長かった夜尿が終わりました!子どもの「できない」を親が「待つ」大切さと、難しさ

確かに今までのようにずっしり重たいオムツではありません。
そして、それが数日続きました。

10歳になって2週間経った日に「今日してない、と思う」とニコニコして朝起きてきました。

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私たち親は「やったね!よかったね!」と言いつつも、心の中では『いやいや、ここでぬか喜びしたら、次また夜のおしっこが出た時にガッカリしてしまう。冷静になんてことないように』。

そんな我々の思いは、いらぬ心配でした。

試しに普通のパンツにしましたが、やはり夜尿はないまま朝を迎えられました。季節が巡って1年が経過しましたが、成功状態が続いています。

心配だった宿泊学習では…

5年生になったにっちには、この秋に宿泊学習がありました。
「大丈夫だと思うけど、大丈夫かな」と少しソワソワしていましたが、無事平和にクラスメートと一緒に朝を迎えられました。

これにて、宣言したいと思います。
「にっちの夜尿、卒業しました」

特に、皆様に夜尿に関してこうしたらいい、というアドバイスはないのが申し訳ないです。
いや、むしろ正確には、小学校入学時くらいの時期に、「親は気合いを入れて色々試しましたが無力でした」というのが、私にできるアドバイスかもしれません。その時期に、グッズを試し、水分制限を試し、それでも治らなかったものが、自然に治りました。

本人の機が熟すまで「待つ」ことの大切さ

「体の機能に問題がないことを確認したあとは、夜尿のタイプ別の対策をして成長を待つだけ」

できるまで『待つ』というのは、当たり前ですが、患者家族側になると大変だということが良くわかりました。

子育ては、つい「育てる」「導く」「教える」といった上からになりがちです。
子どもの心身に異常がないかを注意深く確認しながら見守る、というのがあるべき親の姿かもしれないと思った出来事でした。

実は、同じ時期にもう一つ、にっちにできるようになったことがあります。
学年相当の漢字枠の中に、字を書くことです。

小学校入学からずっとはみだしてはかんしゃく、書けなくてかんしゃくの日々でした。それが、10歳になった頃、ふっと枠の中に字をおさめることができるようになりました。

できない時期に、親が焦りに任せて色々試したのにまったく変わらなかったことが、ある日急にできるという経験は多いものです。

この子たちを見ていると、発達障害の人が今はできないことでも、本人の中の機が熟したら何の壁もなくできるようになることもあるのだな、と感じます。

外科医師。妻(看護師はっは)と発達障害3児の育児中。記事中のイラストは、看護師はっはが担当。著書『発達障害の子を持つ親の心が楽になる本』(SBクリエイティブ)が2024年9月発刊予定。
・ブログ:「うちの凸凹―外科医の父と看護師の母と発達障害の3姉弟
・ブログ:「発達障害の生活は試行錯誤で楽しくなる
・note:https://note.com/titti2020/
・Twitter:@surgeontitti

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