早期胃癌ESD後、粘膜層内のリンパ管内侵襲のケース
person60代/女性 -
62歳母親の相談です。先月ESDによる胃癌手術を行いました。術前診断は以下でした。
早期胃癌: 0 - II a型 胃 体中部大弯に10mm大の隆起有。周囲背景粘膜に萎縮なし。隆起部分の上皮はvilli様構造は大小不同は多少あるが、腺窩上皮の過形成様でpitもやや開大あるが、不整なし
術後、組織診報告書は以下でした。
<診断>
stomach:ESD: tub1 with fundic gland type, pT1b1(筋板から73μm)、UL(−)、ly(+、粘膜内D2-40)、v(−、EVG)、pHMO, pVMO(剥離面から372μm)、
<組織診報告書の所見>
1-7と全割した。4,5において粘膜に限局して濃染腫大した核が密に並んだ不規則腺菅の増生が見られ、高分化菅状腺癌と考えられる。暗長な細胞質と類円型核を有する主細胞に類似の細胞が腺管を作って増生しており、免疫染色でpepsinogen(+)であり、胃底線型胃癌と考える。HKATPaseの免疫染色は判定不能。synaptophysin(+)、chromograninA(−)、CD56一部(+)、MUC2(-) MUC5AC(−)、MUC6(+)、MIB1 index10%。静脈内侵襲は見られない。粘膜層内でリンパ管内侵襲が見られる。
早期の胃癌と言われていたので、ESDによる手術で根治するものと想定していました。しかし担当医からは「粘膜層内でリンパ管内侵襲が見られる」ということで、ほとんど大丈夫とは思うが、5%程度の可能性で他臓器に転移している可能性もあり、胃の3分の2を手術することになるかもしれないとのこと。
今後は、1年に2回まではCTを取れるので、CTなどで経過観察をしつつ、何か病変が見られた時点で再検討しましょう、と言われました。「粘膜層内でリンパ管内侵襲が見られる」ということは、早期癌ではなく進行癌であり、早期に1/2 or 2/3の胃を切除するなどの手術した方が根治率が高くなる気がするのですが、いかがでしょうか。
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