男性乳がんの術後療法
person40代/男性 -
【現在までの経緯】
47歳男性。
半年ほど前から、左乳首付近に気になるしこりを発見。
男性乳がんという考えがなかったので、気になりながらも半年ほど経過。
しこりが大きくなっている気がしたのと、男性乳がんの可能性があることを知り病院を受診。
エコー、マンモグラフィー、造影剤MRI、吸引式組織生検を終え、男性乳がんと診断。
術前検査で骨シンチとCT(頚部~骨盤腔)の検査も終え、転移等もなし。
数日後に手術を控えております。
【組織生検・MRIの結果】
ステージ1 1.6cm
リンパ節転移 なし
グレード1
ホルモン受容体 あり 多い
HER2タンパク 3+
Ki67 30%
★サブタイプ ルミナール HER2 であると診断
【生検結果での術後の治療予定】
〇ホルモン療法
〇抗HER2薬
△化学療法(抗がん剤)←やらなくても良いかも?とのこと。
【お伺いしたい内容】
⑴主治医から、術後治療はホルモン療法と抗HER2で、化学療法はやらなくてもいいかも?というご意見があります。
通常抗HER2薬は、他の抗がん剤と併せて使用することが通例なようですが、現状の検査結果を見て、抗HER2単体でも良いとお考えになられますか?
⑵状況としては初期乳がんと捉えて良いのか。
お考えになる再発率はどの程度でしょうか?
できれば、ハーセプチンにプラスして抗がん剤治療をした場合としない場合がどれ程違ってくるのかもお聞かせいただければ幸いです。
⑶姉が34歳で乳癌になり、8年後に他界しています。
遺伝性乳癌の可能性が高いのかな。と思っております。
その場合治療方針に違いは出てくるのでしょうか?
お考えをお聞かせいただき納得のいく最善の治療を目指したいと思っております。
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乳腺外科の医師が回答
1. 化学療法をしなくて良い、という根拠がありません。抗HER2療法は化学療法と合わせて行うべき治療です。抗HER2薬単独での治療に科学的根拠がありません。
2.Stage1ですので早期と言えます。女性に準じれば、標準的な乳癌の治療を行うと90%以上は治ります。
3.若い年齢での男性乳癌で家族歴もありますので、遺伝性乳癌の疑いが強いです。
治療方法に大きな変化はありません。女性の場合は、遺伝性乳癌であれば、温存手術は原則してはいけないことになりますが、男性は温存手術がありませんので。
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