RSウィルス感染症の子は登園して良い?

  • 作成:2015/09/28

RSウィルス感染症は、冬に流行し1〜2歳までの赤ちゃんがかかると肺炎や気管支炎を引き起こします。RSウィルス感染症の子供は保育園に登園して良いのでしょうか?予防法や注意点について解説します。

アスクドクターズ監修医師 アスクドクターズ監修医師

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先生と子供

RSウィルスの主な症状、風邪との違い

RSウィルス感染症とは、その名の通りRSウィルスに感染することで起こる病気です。普通の風邪とは異なり、呼吸器系に炎症を起こすという特徴があります。

症状が軽い場合は咳や鼻水、発熱など普通の風邪とあまり違いがありませんが、重篤化(じゅうとくか)すると細気管支炎や肺炎を引き起こす恐れがあります。重篤化とは、病状が悪くなることです。重篤化するのは、すべての患者の1−3%といわれ、このウィルスに初めて感染する場合です。特に、生後数ヶ月以内に感染した場合は重篤化しやすい傾向にあります。

RSウィルスは日本を含め世界中で流行しているウィルスで、毎年冬に流行のピークが見られます。厚生労働省の報告によると、生後1歳までに50%ほどの児童が、生後2歳までにはほぼ100%の児童がこのウィルスに感染します。

感染する感染力が非常に高く、また強い免疫ができにくいため何度も感染・発病を繰り返すウィルスでもあります。先程挙げた細気管支炎、肺炎のほかに、乳幼児突然死症候群(SIDS)という恐ろしい病気の原因にもなると考えられているため、1〜2歳の赤ちゃんがいる家庭では特に注意して感染を予防する必要があります。

RSウィルス感染症の検査について

RSウィルス以外にも、普通の風邪やインフルエンザなど、冬に流行するウィルスは多数あります。

RSウィルス感染症の場合、胸の音が悪くなったりゼイゼイと呼吸が苦しくなったりする症状が特徴的ですが、それだけでは確実な診断はできません。

RSウィルス感染症かどうかを調べるためには、病院で検査キットを使って検査をする必要があります。検査方法は、インフルエンザの検査と同じく鼻の奥の粘膜・鼻汁を採取し、RSウィルスのモノクローナル抗体を調べます。

この検査は、以前までは入院中の乳幼児を除いて保険適用外であったためなかなか受けづらいものでしたが、現在では保険の適用範囲となり、外来などでも簡単に受けられるようになりました。結果は、30分ほどでわかります。

治療証明や登園許可は必要?

RSウィルス感染症の場合は、インフルエンザとは違い、保育園に登園するために治療証明や登園許可を得る必要ありません。しかし、乳児が感染すると最悪死に至るほど重篤な症状になることがあるため、細心の注意を払う必要があります。

ところが、病気にならないためにどのように清潔にしていれば良いか判断ができない小さな子どもたちの間で、ウィルスの感染を防ぎきることはなかなか難しいことです。そのため登園しても良いかは、園の考え方もありますので、かかりつけの医師や保育園とよく相談してから慎重に決めたほうが良いでしょう。

感染を予防するには?

RSウィルスの感染経路は、咳やくしゃみなどを介してうつる飛沫感染(ひまつかんせん)、長時間一緒にいることで直接うつる濃厚接触感染(のうこうせっしょくかんせん)、ウィルスがついた品物、たとえばドアノブやコップなどに触れることで間接的にうつる接触感染の3つと考えられています。

感染を予防するには、第一に手洗いによる消毒です。第二に、手を洗うだけでなく、感染している子どもが触ったおもちゃなどをこまめに消毒することです。消毒には消毒用アルコールや塩素系消毒剤を用います。さらに、子どもから大人に感染しないように、看護する親や家族がマスクを着用することなども必須です。

またRSウィルスは、主に乳幼児が感染した際に症状となって現れますが、気付かずに感染している年長児や大人もいます。そのため、咳などの呼吸器症状を患っている場合、1〜2歳の乳幼児に接触しないことが感染拡大の予防として有効です。

今回はRSウィルス感染症にかかった子供が登園できるかについて解説しました。お子さんが登園できるか判断できない方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?

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