病院で出る口唇ヘルペスの治療薬と副作用 何科へ?アシクロビル?ビタラビン?点滴の場合も?
- 作成:2015/12/15
口唇ヘルペスで一般的に受診する診療科は、皮膚科です。病院にいくと、原因となるウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬が処方されることが多いです。さまざまなタイプがあり、他の多くの薬同様、副作用もあります。薬の種類や副作用について、専門の医師の監修記事でわかりやすくお伝えします。
この記事の目安時間は3分です
皮膚科が一般的、婦人科も視野
口唇ヘルペスは皮膚科の受診が一般的です。感染症のため妊娠中の方は、婦人科で相談してみるのも1つの考え方です。血液検査によってウイルスの抗体検査を実施する場合もありますが、ほとんどの場合は問診と視診により診断されます。
塗り薬、飲み薬、点滴がある
口唇ヘルペスの治療には、抗ウイルス薬が用いられ、通常は塗り薬、飲み薬により治療されます。症状によっては、痛み止め、抗生物質が追加処方される場合もあります。抗ウイルス薬にはウイルスの増殖を抑制する働きがあり、初期の症状に効果を発揮します。水ぶくれがなくなって、かさぶただけになった状態では、抗ウイルス薬の効果はありません。
アシクロビル?ビタラビン?
抗ウイルス薬の種類と効き目が出る仕組みは、以下の通りです。
アシクロビルの特徴: ウイルス増殖を阻害します。副作用は少ないですが、胃腸障害が出る場合もあります。腎臓病の方には使用に注意する必要があります。
塩酸バラシクロビルの特徴: 抗ウイルス薬ですが、体内でアシクロビルに変換されます。アシクロビルよりも、体内での高い吸収率を持っています。
ビタラビンの特徴: ウイルス増殖を抑制します。初期段階で使用すると悪化を防ぎ、治癒を早めるため、早期使用で効果を発揮します。
薬の使い方は?点滴も?
薬の使い方は下記の3種類です。
外用薬(塗り薬): 軽症の場合にアシクロビルとビダラビンが用いられます。塗り薬は症状を広げない作用を持ちます。
内服薬(飲み薬): アシクロビルと塩酸バラシクロビルが用いられます。皮膚症状の改善、ウイルスの増殖を抑制する効果を持ちます。
点滴: 初感染で重症化してしまった方、免疫不全の疾患がある方、アトピー性皮膚炎でカポジ水疱瘡様発疹症を合併した方を対象に、入院して点滴静脈内注射が実施されます。用いられる薬は、アシクロビルとビダラビンです。
ウイルスが抗ウイルス薬に対し耐性をもつようになることを「薬物耐性」といい、薬で治療できないこともありますが、口唇ヘルペスの治療での薬物耐性はまだ報告されていません。
副作用はある?
抗ウイルス薬の副作用として、発疹、かゆみといった過敏症状が出ることがあります。また、頭痛、下痢、吐き気、嘔吐、腹痛、胃痛、目眩(めまい)、発熱、全身倦怠感、肝機能や腎機能の異常を引き起こす場合もあります。
この他アシクロビルでは、貧血、眠気、「中毒性表皮壊死症」「皮膚粘膜眼症候群」といった症状を起こすことがあります。塩酸バラシクロビルでは、呼吸困難、ひどい咳、浮腫(むくみ)を、そしてビダラビンでは、不眠、食欲不振、便秘を起こすことがあります。
薬の使用で、副作用のような症状を感じたら、医療機関に相談するようにしましょう。
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口唇ヘルペスの病院で出される薬についてご紹介しました。「口唇ヘルペスに感染したかもしれない」と不安に感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?
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