切迫流産の兆候症状の不正出血と腹痛 自己診断の危険性、流産に進むケース、背景に潜む病気も解説
- 作成:2015/12/18
切迫流産の症状は、不正出血や腹痛などです。ただ、出血があるだけで切迫流産と判断できるわけではありませんし、子宮筋腫や頸管ポリープ、子宮内感染症などの病気が原因となっていることもあります。実際にどのような兆候があるのかなどを、専門医師の監修記事で、わかりやすく解説します。
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病気の症状が、切迫早産の症状
切迫流産というのは、あくまで「流産に近い状態」を指す言葉であり、何らかの病気を意味する言葉でありません。切迫流産を引き起こす可能性のある様々な病気によって症状が現れ、その結果として切迫流産と診断されるようになります。切迫流産の原因については、『切迫流産の原因、なる確率、出産確率 何週ごろの問題?』で解説しています。
切迫流産の自覚症状 「腹痛」の特徴は?
切迫流産の自覚症状として最も典型的なものは、性器からの出血と腹痛です。
腹痛については、切迫流産で必ず起こるわけではありませんし、切迫流産でなくとも妊娠中にはさまざまな理由でお腹に痛みが生じることがあります。したがって、腹痛があっても切迫流産の症状なのかどうかは、なかなか判断が難しいところです。ただ、強い腹痛が起きた場合には早めに医師に相談することをおすすめします。
切迫流産の自覚症状 「不正出血」の特徴は?
一方、出血は切迫流産の分かりやすいサインとなります。妊娠中に出血があれば病院を受診することを考えたよほうが良いですが、すぐに行くべきかどうかは出血の量にもよります。おりものに血が混ざっている程度であれば定期検診の際に医師に申告するだけで良いかも知れません。したがって出血があったからといって必ずしも流産が近いとは言い切れなません。
ただ、出血の原因を正確に判断するのは難しいこともあり、妊娠中に出血があった時点で、医師は「切迫流産」と判断して安静を指示するケースが多いです。
出血が少しでもあれば、必ず医師に申告するようにしてください。生理並かそれ以上の出血があった場合、すぐに受診する方がよいでしょう。
自己診断は危険 本当の流産につながることも
切迫流産かどうかは、病院で診断してもらう必要があります。出血や腹痛があるけれど、自己判断で病院に行かなくても大丈夫だと考えるのは危険です。
妊娠初期に切迫流産という診断がついても、実際には有効な治療法がない場合も多いのが実情ですし、自然に治るケースもないわけではありません。具体的には、極めて微量の出血で、切迫流産の可能性がある場合であっても、病院に行かなくても切迫流産の状態が解消してしまうことは確かにあります。
ただ、切迫流産に重篤な疾患が隠れていることもあるほか、切迫流産が起きた際に正しい処置を取らなければ、本当の流産につながるリスクがあります。
また、子宮内で胎児が育っていないけれど、出血も腹痛もない状態でしばらく経過するものを「稽留(けいりゅう)流産」といいます。稽留流産を放置すると、激痛と共に子宮内の内容物が排出される「進行流産」となることがあります。稽留流産の可能性を探る意味でも、出血や腹痛があれば、一度、医師に相談して、早めに対応するようにしましょう。
背景にある多様な病気 子宮筋腫や子宮内感染症も
切迫流産は流産になりかけの状態なので、結果的に「流産」となる可能性はあります。切迫流産の症状の現れ方は、切迫流産の原因となった疾患によって様々です。特別な処置が必要になるケースは、以下の通りです。
「子宮筋腫」:子宮筋腫は、子宮にできる良性の腫瘍です。腫瘍によって赤ちゃんの部屋が圧迫されたり、腫瘍の部分が硬くて伸びにくくなることで、切迫流産となることがあります。また、腫瘍のでき方によっては、普通に出産することが困難になる可能性もあります。子宮筋腫は命に関わる疾患ではありませんが、流産を繰り返す原因になっていると考えられる場合には、手術による腫瘍摘出が必要となります。
「頸管無力症」:子宮の下の方に「子宮頸管」と呼ばれる筒状の部位があり、そこを締め付ける筋肉が弱いため子宮口が開いてしまうという病気です。出産の際には子宮口が開くのですが、妊娠の途中で開いてしまうと、その部分から胎児が出てしまうことで、流産や早産になります。子宮頸管無力症の解説はこちらで詳しく解説しています。
「子宮内感染症」:子宮内部に微生物が入り込み、炎症が起こることがあります。子宮内感染を起こすと流産となる可能性も高くなりますし、感染症を引き起こす微生物の種類によっては、母体の命にも関わる危険な状態になることもあります。
切迫流産自体が何かの疾患を起こしやすくするということはありませんが、流産になるかもしれないという不安から精神的ストレスを抱え込んでしまう恐れもあるため、精神面のケアが必要になる可能性もあります。
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切迫流産の兆候や症状などをご紹介しました。もしかして切迫流産かもしれないと不安に感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?
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