卵巣嚢腫(のう腫)の検査 血液検査、内診、MRI、摘出手術などを解説
- 作成:2016/01/13
卵巣嚢腫という病気を聞いたことがあっても、よく知らない方も多いと思います。卵巣に腫瘍の袋ができて、その中に液体などがたまって、卵巣が大きくなった状態を卵巣嚢腫といいます。腫瘍と聞くと、悪いものなのではないかと心配になるかもしれませんが、卵巣嚢腫は基本的に良性だとされています。ただ、放置しておくと妊娠しにくくなってしまったり、腹痛を引き起こしたりしてしまいます。検査は、問診や触診、機械を使った検査などを経て、診断されます。検査の流れや概要について、専門医師の監修記事でわかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
検査の流れはどんなもの?問診で何が聞かれる?
卵巣嚢腫の診断までに行われる検査の流れを紹介します。
最初に、医師が質問をする「問診(もんしん)」が実施されます。ここでは初経の年齢、最近の月経の様子、症状について、性交経験の有無などが聞かれます。月経の様子については、始まった日だけを記録している人もいますが、基礎体温も記録しておくと、ホルモンの様子がわかるのでお勧めです。
内診は何をする?超音波検査も?
次に「内診(ないしん)」があります。内診台に上がると、触診(しょくしん)が行われます。触診では医師が片方の指を腟に入れ、もう片方の手で下腹部をやさしく押します。両手で臓器をサンドイッチすることで、臓器の大きさや硬さなどを判断します。
また、内診では超音波検査(エコー)も行います。超音波検査には2種類あり、おへその下の下腹部に器械をあてる「経腹超音波検査」と、腟に細長い棒状の器械を入れて行う「経腟超音波検査」があります。超音波検査では、実際の臓器の位置関係を調べたり、臓器の大きさなどを計ることができます。内診では、腟に手や器械が入るので違和感はありますが、痛みや恥ずかしさが少なくなるような配慮がなされています。気になる方は、実施前に医師に尋ねたり、女性医師を探してみるのも一つの考え方です。
血液検査をする場合も
また、血液検査を行う場合もあります。血液検査の様々な項目の中で注目してほしいのは、「CA125」や「CA19-9」という腫瘍マーカーの項目です。ただ、この項目は、卵巣嚢腫以外の病気でも値が上がる可能性がありますし、値が上がってないからといって病気がないとは言えないので、あくまでも参考程度に確認する項目と考えてください。
MRIは何のためにとる?
検査の流れを経て、卵巣嚢腫が疑わしい人は、「MRI」と言われる画像を撮ることもあります。MRIは、レントゲンとは違って放射線は使っていません。時間が多少かかり、ガンガンと音がする検査ですので、ヘッドホンで音楽を聴きながら行うことが多いです。痛みはありませんし、じっと寝ていれば終わる検査です。
摘出手術をする場合とは?
以上の検査をして、嚢腫が大きかったり悪性化が完全に否定できない場合には、摘出の手術を行い、同時に卵巣の組織を顕微鏡で見て、悪性か良性かの判断を行うこともあります。術中の検査の診断が、悪性と良性の場合で、その後の手術方法が違ってくることがあります。病院によって診察の方法は違いますが、基本的な流れを知っておくのは、いざという時に役立つ可能性があります。
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卵巣嚢腫の種類と検査方法についてご紹介しました。もしかして卵巣嚢腫かもしれないと不安に感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?
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