4種類の水虫と症状の特徴 かゆみ・痛みがないのは?見逃しやすいのは?
- 作成:2016/08/23
水虫には主に4つのタイプがあります。かゆくない、季節ごとに発症しやすい、見逃しやすいなどの特徴を持つタイプがあります。正しい知識を得て、早めに医療機関を受診するようにしましょう。なお、水ぶくれは、「水泡」という字だと考えている人もいるようですが、正しくは「水疱」です。
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高温多湿で暴れだす水虫
何かを介して、白癬菌と接触した後、皮膚に付着した白癬菌が長期間皮膚の角質に潜伏し続けます。通常、白癬菌は角質に潜伏していてもまったく症状はありませんが、繁殖できる環境が整うと暴れ出します。
白癬菌は、皮膚の角質、爪、そして髪の毛を構成する「ケラチン(タンパク質の1種)」を栄養にしており、「高温多湿」という環境を非常に好み、繁殖していきます。
白癬菌が繁殖しやすい環境である「高温多湿」とは、長時間同じ靴を履き続け、足に多く汗をかいている環境です。白癬菌は、温度15度以上、湿度70%以上の環境において増殖し始めるといわれています。
水虫の4種類とは?
水虫の種類は、「小水疱型水虫」「趾間型水虫」「角質増殖型水虫」「爪水虫」と呼ばれる4種類があります。どれも原因菌は「白癬菌(はくせんきん、カビの一種)」で、感染する皮膚疾患です。
小水疱型、趾間型の特徴とは?
小水疱型水虫は、主に足の裏で発生し、強いかゆみを伴う、小さな「水疱(みずぶくれ)」ができます。
趾間型(しかんがた)水虫は、足の指と指の間に発生し、皮がむける、ただれる、しめっぽい、じゅくじゅくするなどの症状があり、強いかゆみを伴います。
小水疱型、趾間型どちらも、夏に菌の活動が活発になるのが特徴的で、細菌感染症を合併して化膿することもあります。普段の生活において、特に注意して足の指や裏を見ないことが多いことからも、気が付いたときには水虫が悪化していることもあります。
角質増殖型の特徴は?見逃しやすい?
角質増殖型水虫では皮膚が乾燥し、角質が厚くなります。このタイプではかゆみはほとんどありません。小水疱型水虫と趾間型水虫とは全く異なり、夏ではなく、冬に悪化する傾向が強いのも特徴的です。
足底と手のひらでこのタイプが見られますが、かかとに最も多いようです。かゆみがないため、肌が乾燥しているだけ、あるいは高齢による乾燥、あるいは夏場の冷房による乾燥だと勘違いする場合が多く、そのまま放置してしまう方が非常に多くなっています。
角質増殖型水虫が重症化すると、ひびわれと出血が起き、爪水虫(爪に起きるタイプの水虫、後述)を併発します。
角質増殖型水虫は、発生していても水虫だと確信できない場合が多いといわれています。手のひらの角質が厚くなった白癬を、手湿疹と間違えてステロイド剤を塗っている方が時々いますが、ステロイドだと、手の水虫は悪化します。
角質増殖型のチェックポイント
以下に該当する症状がある方は、角質増殖型水虫の可能性が高いため、悪化や重症化そして爪水虫の併発を防ぐためにも、皮膚科を受診してください。
・過去に一度でも水虫が発生したことがある
・爪が白く濁(にご)っている
・足の裏の皮がぼろぼろとむけたり、あかぎれのようにみえる
・足の裏が粉をふいた感じになっている
・冬に足の裏の乾燥が悪化する
・かかとがかさかさと乾燥し、皮膚が分厚く、硬く、ひび割れ起こすこともある
爪水虫の特徴は?かゆみや痛みがない?
爪水虫は「爪白癬」ともいわれ、爪が白く濁る、爪が分厚くなるという特徴をもっています。かゆみや痛みは伴いません。白癬菌は常に爪の中に潜んでいるため「白癬菌の貯蔵庫」ともいわれています。
爪水虫は、単独で発生することはほとんどなく、小水疱型水虫、趾間型水虫、角質増殖型水虫と併発して発生するのが特徴的です。ある製薬会社の調査によると、約10年以上にわたって、水虫を繰り返している方の約85%で爪水虫を発症しているという結果が出ています。爪水虫の場合、他の水虫と異なり、夏や冬といった季節には全く関係なく発生します。
爪水虫の検査が重要なわけ
皮膚科では、まず白癬菌が存在しているかどうか確認するため顕微鏡検査を実施します。爪の濁った部分を少し削り、顕微鏡で観察します。数分で結果が判明します。必要なときには培養検査を行うこともあります。
爪が厚くなり白濁する症状は、爪水虫だけでなく、「乾癬(かんせん)」「扁平苔癬(へんぺいたいせん)」「爪甲鉤弯症(そうこううこうわんしょう)」と呼ばれる病気でも起こります。このため治療前にカビによるものかどうかの検査を受けることが重要です。爪白癬ではない時に「念の為に爪白癬の治療を行う」ことにはメリットがなく、経済的にも損失となりますので注意しましょう。
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水虫の症状と種類についてご紹介しました。もしかして水虫かもしれないと不安に感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?
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