カポジ水痘様発疹症の原因、症状、治療、予防、再発 他人にうつる?
- 作成:2016/06/03
カポジ水痘様発疹症の原因は、ヘルペスウイルスなどありふれたウイルスが原因となります。全員がなるわけでなく、皮膚の炎症などが、きっかけとなります。どのような治療があるのかも含めて、専門医師の監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
カポジ水痘様発疹症の原因
カポジ水痘様発疹症(すいとうようほっしんしょう)は、かゆみや痛みを伴う発疹が肌に現れる皮膚病です。原因は、「単純ヘルペスウイルス」「コクサッキーウイルス」「ワクチニアウイルス」といったウイルスに感染することです。
ただ、ウイルスに感染しても、必ずカポジ水痘様発疹症を発症するわけではありません。皮膚が炎症を起こしていたり、掻きむしった細かいキズがたくさんあったりすると、ウイルスが皮膚に広範囲にわたって入り込み、「カポジ水痘様発疹症」を発症します。そのため、アトピー性皮膚炎や慢性的な皮膚アレルギーを持っている人がなりやすいと言えます。
カポジ水痘様発疹症の症状
カポジ水痘様発疹症の症状が現れる部分は、主に顔面や上半身ですが、乳幼児では全身に生じることも多くなっています。発疹の形は中央にへこみのある水ぶくれで、部分的に集合して発生しながら、数が増え、範囲が拡大していきます。潰れると汁が出て大きなびらんをつくります。
発疹はかゆみと激しい痛みを伴い、ときにはリンパ節が腫れたり38度以上の発熱もあり、患者さんにとって非常につらい症状です。
治療方法は?何科を受診すればいい?
カポジ水痘様発疹症の診察と治療を受けるには、皮膚科を受診して下さい。治療には、一般的に抗ウイルス剤の飲み薬を使用します。「アシクロビル」や「パラシクロビル」という薬がよく用いられます。
基礎にあるアトピー性皮膚炎の症状をコントロールするためにステロイド軟こうを塗ることは必要ですが、カポジ水痘様発疹の発生部位にはステロイド外用は控えた方がよいでしょう。ステロイドは過剰な免疫力を抑制しアレルギー症状を抑えるための薬であるため、ヘルペスなどのウイルスを活発にしてしまいます。発疹が現れた際に自己判断でステロイド剤を使うことは高いリスクを伴うため、必ず医師の診断を受けて治療を始めましょう。
再発の可能性に気を付けましょう
カポジ水痘様発疹症の原因となるヘルペスなどのウイルスは、一度感染すると体から完全になくなることはありません。そのため、アトピー性皮膚炎のコントロールが悪かったり、疲労や睡眠不足、風邪などで抵抗力がなくなると再発することがあります。
再発を防ぐためには、皮膚を常に清潔に保ったり保湿を心がけたりして、炎症やかゆみを起こしづらくすることが大切です。また、日ごろから健康管理に気をつけ、バランスのよい食事と十分な休息をとるようにしましょう
周りの人にうつりやすい!?予防方法は?
カポジ水痘様発疹症の原因であるウイルスは、直接患部を触ることや、タオルやお風呂のお湯、患部を触った手などを介して間接的に周りの人に感染します。周りに肌の弱い方、皮膚炎を患っていたり、体の免疫力が弱まっている方がいたりすると、カポジ水痘様発疹症を発症しやすいため注意が必要です。
原因となるウイルスを予防するためには、すでに感染している人との接触を避けることや、タオル・お風呂の水などを共有しないこと、こまめな手洗いなど清潔を心がけることが有効です。また、同じウイルスが目に入ると角膜炎を起こし重大な合併症を残すことがあるため、ウイルスが付着していると思われる手で顔や目のまわりを触らないようくれぐれも気を付けてください。
カポジ水痘様発疹症を発症した患者さんの家庭に、体の抵抗力の弱い小さな赤ちゃんがいたり、ヘルペスウイルスに感染したことのない家族がいる場合には、感染の拡大を防ぐために入院を勧められることもあります。
カポジ水痘様発疹症についてご紹介しました。皮膚の症状に不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。
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