妊娠初期の出血とおりもの症状 生理痛と違う?鮮血や茶色?おりものは増える?色に特徴?
- 作成:2016/10/12
「出血」や「おりもの」は、妊娠した場合も生理の場合もつきものですが、それぞれ特徴があります。どのような特徴があるのかや、受診が必要なケースも含めて、専門医師の監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
妊娠初期と生理痛の症状の違い
妊娠初期症状にお腹の痛みがありますが、生理痛とはどう違うのでしょうか。
生理痛のお腹の痛みの原因は、「プロスタグランジン」という化学物質が、子宮の収縮を促します。子宮の収縮でお腹が痛む、というわけです。
一方、妊娠初期のお腹の痛みはどうでしょう。まず、受精した卵子が着床して胎芽となりますが、胎芽を育てるのに子宮が収縮を繰り返しお腹の痛みが生じます。医学的には、まだはっきりわかっていませんが、受精卵が子宮に着床する時に生じる「着床痛」というお腹の痛みが生じることもあります。
また、妊娠によってホルモンのバランスが変化します。その変化で腸の動きが弱くなり、便秘や下痢などが生じ、腹痛が起きたり、骨盤が広がろうとするため、お腹が痛いと感じることもあります。具体的には、「子宮のあたりがチクチクする」「下腹部がきゅっと引っ張られる」「恥骨のあたりが痛い」という痛みです。
しかし、お腹の痛みだけで生理痛と妊娠初期症状を見極めるのは難しいため、微熱が続いているなどといったような、他の妊娠初期症状はないか確認しましょう。
動くことができないないほどの腹痛の場合は、病気や子宮外妊娠なども考えられます。痛みが強いときは、病院を受診しましょう。
妊娠初期の出血 鮮血や茶色は妊娠のサイン?
妊娠初期に「着床出血(月経様出血)」のある場合があります。受精卵が子宮内膜に着床した時に内膜に傷が着いたり、胎盤が作られる際に、「絨毛膜」という部分に血管が入り込むことで出血すると考えられています。出血の色は、茶色いドロッとしたものだったり、おりものに少し血液が混ざっているような感じで、生理と変わらない場合などもあります。
着床したからといって、100%順調に育つわけではありません。したがって、着床出血は、必ずしも、妊娠を示すものではありません。妊娠初期症状の中の一つと覚えておきましょう。
妊娠初期の出血はどれくらい続く?妊娠初期の出血は少量?
妊娠初期に出る着床出血では、通常の生理の時よりは出血量が少なく、数日から1週間程度で治まります。
他にも妊娠初期の際の出血しては、子宮内膜がただれていたり(びらん)、子宮頸管のポリープなどある状態だと、内診などの少しの刺激で出血することがあります。しかし、出血量はさほど多くはなく、長くも続きません。
子宮が大きくなるにつれて胎盤が伸ばされたり、少しはがれたりすることでおこる、「絨毛膜下血腫」という病気の場合、出血量には個人差があります。安静療養となる場合もありますが、妊娠4カ月から5カ月ごろには症状は治まります。
一般に、出血が茶色い場合はあまり心配ないとされ、鮮血や出血量が多い場合や長く続く場合は、異常の可能性があると考えられます。
妊娠初期の出血は珍しいことではありませんが、出血がある場合、自己判断で原因を決めつけないようにしましょう。かかりつけの医師に、妊娠週数や出血の量や色、お腹の張りなどを伝えて、適切な対応ができるようにしましょう。
妊娠初期のオリモノはどんな感じ?茶オリやピンクが特徴?妊娠初期なら、おりものの量が増える?塊が出る?
おりものは、普段は白っぽい色でサラッとしています。妊娠すると、このおりものが変化しますが、具体的にどのように変化するのでしょうか。
妊娠初期には、ホルモンの分泌が増え、お母さんの体を妊娠に適した体に変えていきます。おりものが変化するのもそのためです。
妊娠するとおりものの量が減るという人もいますが、増える事が多く、臭いは、妊娠前に酸っぱい臭いだった人も、無臭になる場合もあります。色は茶色になることがあり、時にはかたまりが出ることもありますが、これは血液が酸化したもので心配はいりません。
妊娠後のおりものの変化は人それぞれです。しかし、中には心配するべき変化もあります。茶色いおりものは大抵心配ないのですが、以下のような場合は、医師への相談が必要です。
・ピンクや鮮血の場合
・茶色いおりものでも、量が多かったり、お腹が張ったり、痛みがある場合
生理と妊娠初期の出血についてご紹介しました。「妊娠したかもしれない」と不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。
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