アニサキス症の検査と治療 内視鏡を使う?正露丸に効果?
- 作成:2016/06/09
アニサキス症の原因となる寄生虫を体から排除する薬は、現時点ではないため、実際の治療では、内視鏡を使って摘出することとなります。正露丸の効果も含めて、医師監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
アニサキス症の検査 内視鏡を使う?
アニサキス症が疑われた場合、現在起こっている症状が、アニサキス症によるものなのかを判断するために検査を行います。アニサキスの検査は主に内視鏡(胃カメラ)を使って行われます。アニサキス幼虫は体内に入ると、胃や腸へ感染し、粘膜に入り込みます。こうして入り込んだアニサキス幼虫によってアニサキス症は起こります。当然ですが、アニサキス症と診断するためには入り込んだアニサキス幼虫を見つけること必要です。そこで、内視鏡を用いてアニサキス幼虫を探します。また、アニサキス幼虫を見つけることができれば、そのまま摘出などの治療をすることも可能です。なお、摘出されたアニサキス幼虫はホルマリンで固定され、各部を計測しその形態的特徴から種類を決定します。
アニサキス症の治療はどんなもの?
アニサキス症を疑い、内視鏡検査でアニサキスを確認できたら治療を行います。胃アニサキス症の場合、治療方法は、内視鏡で確認しながら、アニサキス幼虫を摘出し、その後に症状に対する治療(対症療法)を行います。一方、腸アニサキス症では腸が詰まったりしない限り、痛み止めや吐き気止めなどの対症療法を行いながら、幼虫が死ぬことによって症状が緩和されることを待ちます。一般的に腸アニサキス症の場合、アニサキス原虫を摘出することはありません。
アニサキス症に正露丸がきく?
大幸薬品が販売している「正露丸」という製品があります。正露丸は軟便、下痢などに対して効能があるとされ、100年以上前から使用されている胃腸薬です。大幸薬品株式会社は、この正露丸に含まれる木クレオソートが胃アニサキス症の予防・症状改善のために有効だとしています。木クレオソートはアニサキスの運動を抑えると共に、胃アニサキス症による症状を軽減あるいは消失させることが期待できるとしています。また、木クレオソートを含む正露丸等を食事中あるいは食後に予め予防的に飲むことで、アニサキスが寄生する魚介類を生で食べても胃アニサキス症の症状が軽減される、あるいは胃アニサキス症の発症を抑えることが期待できるとしています。
さらに、胃アニサキス症の摘出を行う際も、摘出前の処置として、正露丸を服用することでアニサキスの運動が抑制され、内視鏡によるが容易になることも期待できるとしています。このように、木クレオソートのアニサキス及びアニサキス症に対する有効性のため、アニサキス症に正露丸が効くと考えることができます。
アニサキスを駆逐する薬はない
また、現在のところアニサキス幼虫に対して有効とされる駆虫薬は開発されていないため、対症療法に使われる薬以外にアニサキス症に有効な治療薬は存在しません。ただ、現在、正露丸の成分の一つ、木クレオソートがアニサキス症に対する治療薬として利用できる可能性を探る動きがあります。将来的には、内視鏡による摘出治療だけでなく、アニサキス症に有効な治療薬が出てくる可能性はあります。
アニサキスアレルギーの治療はどんなもの?
アニサキス症を発症する方の中には、蕁麻疹(じんましん)やかゆみといったアレルギーの症状を示す方がいます。通常のアレルギーであれば、アレルギーの原因となった物を取り除き、アレルギーによって現れたと考えられる症状に対して治療を行います。アニサキスアレルギーの症状が現れれば、蕁麻疹(じんましん)に対しては、一般的な蕁麻疹同様、抗ヒスタミン剤を使用するといった、対症療法を行います。
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アニサキス症の検査と治療 内視鏡を使う?正露丸に効果?
アニサキス症の検査と治療について、ご紹介しました。生の魚を食べた後に体調が悪くなり不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。
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