プール熱(咽頭結膜熱)の治療、薬、検査、登園の目安 病院に行く?何科が良い?食事の考え方も解説

  • 作成:2016/06/29

プール熱(咽頭結膜熱)は、特効薬がないため、出ている症状に合わせて、治療をすることとなります。病院にいかなくても治るのも事実ですが、症状が重い場合は、病院へいくべきと考えられます。登園の目安の考え方も含めて、医師監修記事で、わかりやすく解説します。

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プール熱で病院へ行くべきタイミングは?何科?

プール熱には治療薬はありませんが、病院に行けば発熱や咽頭痛、結膜炎に伴う症状をやわらげる薬を処方してもらえます。また、二次感染を防ぐための抗生剤を処方されることもあります。

プール熱は1週間から2週間で自然治癒するため、医療機関の受診が必須ではありませんが、水分が摂れない、脱水症状を起こしている、目の症状が強い、ぐったり衰弱している、高熱が3日以上続くなどの状態が続くようであれば病院に行くようにしてください。診療科は基本的には内科、子供の場合は小児科、妊婦の場合は産婦人科です。目の症状があるため、眼科に行くべきかどうか迷うかもしれませんが、発熱がある場合には先に内科や小児科で診てもらって診断を受けた方がよいでしょう。

プール熱の検査はどんなもの?

プール熱の診断は、問診や検温、のどや目の診察によっておこなわれます。プール熱の3大症状を満たしている場合、診断は難しくありません。はっきりしない場合は、アデノウイルス抗原の迅速診断キットを使えば15分から30分で結果が出ます。のどを綿棒でこすって付着した成分でアデノウイルス抗原がないか調べる検査です。なお抗原とは、免疫反応を引き起こさせる物質のことです。

確定診断が必要な場合は血液での抗体検査、ウイルス遺伝子診断、ウイルス分離などをおこないます。血液検査は「ペア血清」と呼ばれ、急性期と回復期の2回に分けて採血をし、抗体が増加していないか調べる検査です。結果を出すのに時間がかかるため通常は行いませんが、肺炎などの合併症を起こした時などに事後確認のために検査することがあります。

プール熱の治療薬 目薬も使う?

現在プール熱の特異的治療法(特効薬や根本的に治す治療)はなく、対症療法(症状に応じた治療法)が中心となります。発熱やのどの痛みなどには解熱鎮痛剤を投与します。また、炎症を起こした結膜が、別の細菌に感染するのを防ぐ意味で抗菌薬の目薬を点眼します。症状によってはステロイド点眼薬、抗ヒスタミン薬を使います。通常、1週間から2週間で後遺症もなく治癒します。

解熱剤については医師の考え方が分かれるところですが、基本的にはあまり多用しないほうがよいとされています。小さい子供や高齢者の場合、皮膚アレルギー、胃潰瘍、腎臓障害、喘息発作などの副作用が心配されます。炎症を抑えるステロイド点眼薬に関しても、眼圧が上昇する副作用が心配されるため、最初はなるべく弱めのものを使用するのが良いとされます。気になる方は、受診した医療機関の医師などに聞いてみましょう。

プール熱になった際の保育園などの登園の考え方

プール熱は、学校保健安全法上の「第二種伝染病(放置すれば学校で流行が広がってしまう可能性がある飛沫感染する学齢期の主要な感染症)」に該当します。

かかった場合は学校または保育施設に届け出て、発熱・咽頭炎・結膜炎の3大主要症状がなくなった後、2日間は登校禁止となります。ただし、病状により伝染の恐れがないと認められたときは登校が認められることもあります。また、登校や登園にあたって、学校や保育施設によっては、医師による「治癒証明書」が必要な場合があります。必要な場合は、受診した医療機関で発行してもらうようにしましょう。

プール熱になった際の食事は?

プール熱では、のどの痛みから食欲がなくなることが多いので、脱水に気をつける必要があります。ゼリーやアイスクリームなど食べやすいものを選び、なるべく水分と栄養を摂るようにします。どうしても水分をとることができない場合には点滴が必要になることがあります。


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プール熱の治療、検査、登園の目安などについてご紹介しました。子供の訴える高熱や喉の痛みなどに不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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