プール熱(咽頭結膜熱)の症状 特徴的な3つとは?初期症状はある?目への影響、発疹、咳、嘔吐、下痢は起きる?

  • 作成:2016/06/29

プール熱は、正式には「咽頭結膜熱」と言います。正式名称からもわかるように、のどの痛み、目の結膜炎、高熱が3つの特徴的な症状です。ただ、風邪のような症状が出るため、他の症状が起きる可能性もあります。初期症状があるかどうかを含めて、医師監修記事で、わかりやすく解説します。

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プール熱の症状はどんなもの?

プール熱に初期症状はある?ない?

プール熱の症状の表れ方は人それぞれで、軽い初期症状から始める人もいれば、いきなり高熱が出る人もいます。

プール熱には5日から7日間の潜伏期間があり、その間、初期症状は特にありません。人によっては、発熱する前に、のどの軽い痛みや目のしょぼしょぼした感じなどを覚えることもあるようです。風邪のひき始めのような症状があり、発症すると1日目に40度近い高熱が出るので、しばしばインフルエンザと間違われます。

プール熱は、初期症状で早期発見することができても、特効薬があるわけではありません。経過を観察しながら、無理をして悪化しないように心がけましょう。

プール熱の主な症状 高熱、喉の痛みが特徴

プール熱には3つの主症状があります。第1に咽頭炎(いんとうえん、のどの粘膜が赤くはれます)によるのどの痛み、第2に目の充血やかゆみ・痛みといった結膜炎症状(後述)、第3に38度から40度の高熱です。熱は上がったり下がったりしながら4日間から5日間続きます。

のどの痛みでは、プール熱の50%以上でこれらの3大症状が見られますが、症状の表れ方には個人差があり、3つのうち1つか2つしか症状がない場合もあります。また、どの症状が先に出るかもさまざまで、結膜炎から始まる人もいれば高熱からという人もいます。一般的に他の症状に比べて目の症状が最後に回復することが多いようです。

3つの主症状のほかに、頭痛、食欲不振、咳(せき)、全身倦怠感、扁桃腺や耳まわりや首のリンパ節が腫れることもあります。また腹痛や下痢を伴う場合もあります。

目が充血?結膜炎?目やにが出る?

高熱とともに目に結膜炎症状が出るのがプール熱の大きな特徴です。目が真っ赤に充血して、涙や目ヤニが出て、止まらないこともあります。痛みを感じることや、光がまぶしいと感じることもあります。なお、赤ちゃんの場合は下痢や嘔吐といった症状のほうが目立ち、眼の症状はあらわれないことがあります。

似たような症状がある病気として、「流行性角結膜炎」があります。いわゆる「はやり目」です。プール熱とはやり目の違いは、プール熱は高熱と咽頭痛を伴うのに対し、はやり目では発熱はほとんど見られません。どちらもアデノウイルスが原因ですが、はやり目はプール熱よりもさらに感染力が強く、悪化しやすいと言われています。

プール熱で発疹が起きる?

プール熱の場合、はしかや水ぼうそうのように身体に発疹が出る症状はあまり見られません。しかし、アデノウイルスには多くの種類があり、中にはウイルス性発疹を引き起こすものもあります。ひじょうにまれですが、まったくあり得ないわけではありません。

同じ夏風邪で発疹が出る病気には、手足口病とヘルパンギーナがあります。いずれも高熱を伴い、特効薬や予防薬がないこともプール熱と共通しています。プール熱を疑っていても発疹が見られる場合は、他の病気である可能性が高いといえます。

プール熱で咳が起きる?

プール熱にかかるとのどの痛みとともに、咳が出ることがあります。咳の症状は比較的軽いと言われていますが、乳幼児の場合は百日咳と間違えるほどひどい咳が出ることもあります。プール熱に感染している場合、咳が飛沫感染の原因になりますから、マスクをするなどして二次感染を起こさないように気をつけましょう。

プール熱で嘔吐が起きる?

プール熱の症状には吐き気や嘔吐を伴うことがあります。吐き気が強く食事や水分補給ができない場合は点滴が必要です。また、嘔吐による吐しゃ物は、別の人への感染源になりますから、適切に処理するようにしましょう。

プール熱で下痢が起きる?

プール熱になると腹痛や下痢症状を起こすことがあります。特に乳児の場合、結膜炎の症状が軽めで、下痢や腹痛の症状が重いと言われています。プール熱の患者の排泄物からは3週間はウイルスが排出されるといいますから、オムツの処理は適切におこない、手洗いを徹底しましょう。

プール熱の予後

プール熱の経過・予後は基本的に良好で、ほとんど場合深刻な合併症や後遺症もなく1週間から2週間で治ります。命にかかわるようなことは基本的にありません。ただし、乳児や高齢者の場合は重症化の恐れがあるので注意が必要です。


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プール熱の症状についてご紹介しました。子供の訴える高熱や喉の痛みなどに不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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