喫煙の肌、髪、脳、肺への影響と禁煙の効果 寿命への影響は?
- 作成:2016/09/02
喫煙や良く知られているようにがんの原因になるだけでなく、他の病気、美容上の影響もでます。どのような影響があり、禁煙によって改善が可能なのかや、寿命への影響とあわせてい、医師監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
タバコはなぜいけないのか
タバコは、「百害あって一利なし」と言われているくらい、体に有害です。タバコには4000種類以上の化学物質が含まれ、発がん物質は60種類以上含まれています。具体的な化学物質としては、「アセトン」「ヒ素」「一酸化炭素」などで、どれも健康被害を来すことが分かっています。
タバコを吸い続けることによって、肺がんや胃がんなどのほとんどのがんが発生しやすくなり、喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの肺疾患、心筋梗塞や脳卒中などの生活習慣病も引き起こします。
タバコは本人に有害であるだけでなく、「受動喫煙」と言って、喫煙者の家族や喫煙者の周囲にいる一般の人にも健康被害を起こすことが分かっています。実際に喫煙者の夫をもつ妻は、喫煙者ではない夫をもつ妻に比べて肺がんや喘息を発症する割合が高いことが分かっています。
タバコの寿命への影響
タバコは寿命を10年短くすると言われています。喫煙者で35歳の人が70歳まで生きることのできる確率は58%で、非喫煙者の81%に比べて明らかに低いことが分かっています。
禁煙の肌、髪への効果
タバコを吸うことによって、肺や心臓、脳に悪影響が出ることは良く知られていますが、外見上にも変化が出ます。喫煙で、皮膚のハリが低下し、目じりや口元にしわが増え、顔色が悪くなります。これは喫煙者に特徴的なので、「スモーカーズフェイス(Smoker’s Face)」とも呼ばれています。また、歯や歯茎が着色し、口臭も伴います。肌だけではなく、髪にも悪影響が出ます。白髪や脱毛が増えると言われています。
禁煙をすると、肌や髪への悪影響を取り除くことができます。最近、日本では若年女性の喫煙者が増加傾向と言われていますが、体だけでなく美容にも良くないことが分かっているので、禁煙した方が良いと考えられます。
禁煙の脳、肺への効果
日本人の死因の第1位はがんで、2人に1人はがんになり、3人に1人はがんで亡くなっています。タバコは、肺、食道、胃、大腸、頭頸部、膀胱、子宮頸部、乳腺など多くのがんの原因になると言われています。全てのがんの3分の1がタバコが原因とも言われています。また、死因で、最も多い肺がんは80%がタバコが原因となっている言われています。
がん以外でも、タバコは、肺気腫や喘息などの肺疾患や高血圧、心疾患、脳梗塞などの原因になります。日本でタバコがなければ死亡しなかった人は年間10万人と推測されています。不妊症や早産、流産の原因になるとも言われており、タバコを吸う女性の3分の1が不妊症です。また、受動喫煙によって子供の知能指数の低下、身長などの成長過程への障害、気管支喘息や中耳炎の発症を引き起こすことが分かっています。
禁煙をすれば脳や肺、心臓、各種がんを防げる可能性があるだけでなく、大事な家族への健康被害も防ぐ効果があります。
禁煙治療の現在
厚生労働省の調査結果では、タバコを吸っている人の3分の2は「禁煙」か「タバコの本数の減量」を望んでいることが分かりました。つまり、自分の力ではなかなか禁煙が難しいということです。禁煙が難しいのは、意志が弱いわけではなく、タバコの性質にあると考えられています。
タバコに含まれているニコチンは、麻薬のヘロインと同じくらい依存性が高いと言われています。やめたいと思っても脳が禁断症状を起こしてしまうので、なかなか禁煙できません。
日本では禁煙治療に保険が適応されます。インターネットで検索すると禁煙外来といって、禁煙治療に特化した外来を設けている病院も少なくありません。医師の指導の下、禁煙治療薬を使用しながら無理なく禁煙するような治療法なので一度相談してみるのも良いでしょう。
禁煙の効果についてご紹介しました。タバコがなかなかやめられずに不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。
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