自家中毒症の原因、症状、予防 食事やストレスでも?嘔吐・食欲不振以外に何が起きる?

  • 作成:2016/09/23

自家中毒症は、風邪や緊張といったことが引き金となって症状が出ることがあります。嘔吐や食欲不振以外の症状や予防可能性を含めて、医師監修記事で、わかりやすく解説します。

アスクドクターズ監修医師 アスクドクターズ監修医師

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自家中毒症の症状はどのようなもの?

目次

自家中毒症の原因 食事、ストレス、胃腸炎も影響する?

風邪を引く、食事を抜いてしまう、幼稚園や学校の発表会前で緊張するといった状況に置かれると、自家中毒症の症状が現れる子どももいます。自家中毒症の根本的な原因は明らかになってはいませんが、自家中毒症を引き起こしやすいと考えられている原因は存在します。食事、ストレス、胃腸炎などが考えられ、各項目について説明します。

食事についていえば、自家中毒症と食事は、密接な関わりがあります。小児は基礎代謝(体内でのエネルギー処理など)が高いため、短期間の空腹により血糖が低下し、体が「栄養が足りない」と感じてしまい、栄養分を作ろうとして体に蓄積されている脂肪を分解します。その結果、簡単に体に「アセトン(ケトン)」が蓄積し、自家中毒症状が現れます。

ストレスとの関係については、自家中毒症の症状が現れた子どもさんのエピソードとして、「幼稚園や学校などで運動会・発表会・お遊戯会・校外学習などの前後に吐くことがある」といったものがあります。運動会・発表会・お遊戯会・校外学習は日常とは異なるイベント事ですから、子どもたちは精神的に緊張した状態、つまりストレスがかかっていることになります。いつもと違うストレスがかかっている子どもは、吐いたり、お腹を痛がるなどの自家中毒症の症状を示します。

胃腸炎もストレスで発症することがあるため、胃腸炎になる方はストレスがかかっている可能性があります。したがって、胃腸炎の結果として、自家中毒症の症状が現れている可能性があります。

他にも、風邪を引く、体質的なもの、親の子育てなども自家中毒症の発症に関係していると言われています。

自家中毒症の症状 食欲不振、腹痛、下痢、嘔吐症状、頭痛、発熱?

どのような症状が現れた時、その症状が自家中毒症によるものなのでしょうか。自家中毒症は、「周期性嘔吐症」「アセトン血性嘔吐症」とも呼ばれているように、嘔吐が主な症状として見られます。

自家中毒症で見られる症状には、「全身症状」と消化管にまつわる「消化器症状」、神経にまつわる「神経学的症状」などがあります。

全身症状としては、眠たそうにしている、顔の血の気が引く、熱が出る(発熱)などといった症状が現れます。

消化器症状としては、吐き気や腹痛、食欲不振、下痢などといった症状が現れます。

神経学的症状としては、頭痛、目がチカチカする、めまいなどといった症状が現れます。

このように、自家中毒症では様々な症状が見られる病気だということが言えます。しかし、自家中毒の症状は、他の病気でも見られることがある症状です。ですから、これらの症状が引き起こされたタイミングや原因などはないかなどを踏まえ、他の疾患でないことを示すために、検査を行い、自家中毒症かどうかの診断を付けていきます。

自家中毒症は予防できる?

自家中毒症の根本的な原因は現在、明らかになってはいません。そのため、完全に自家中毒症を予防できる方法はありません。しかし、自家中毒症の症状を軽くする、予防するといったことは可能です。

自家中毒症の治療方法に、糖分(ブドウ糖)の入った水分を補給するといった方法があります。この糖分はケトン体という物質を産生させないようにするために摂取するもので、自家中毒症の症状改善には重要な役割を果たしています。自家中毒症の症状が重いために子どもがぐったりしているような緊急度の高い場合は別ですが、症状が軽い状態であれば甘いジュースやスポーツドリンクなどの水分補給は非常に有効です。

また、風邪を引く、幼稚園や学校の発表会前で緊張するといった状況に置かれると、自家中毒症の症状が現れる子どもも少なくありません。ですから、緊張をほぐしてストレスを軽減させる、風邪を引かないようにするなどの予防方法が考えられます。

一方で、神経質になり過ぎた結果、逆に子どもたちに精神的な負荷を与えてしまうこともありえますので、子供の様子を見ながらケアしてあげるのがよいでしょう。



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自家中毒症の原因、症状、予防方法などについてご紹介しました。お子様の嘔吐症状が強くて、不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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