銀杏中毒の原因、症状、治療、予防方法 何個食べると危険?
- 作成:2016/06/30
銀杏中毒とは、文字通り、銀杏を食べすぎたことで起きる中毒症状です。痙攣や嘔吐などの症状が出ます。目安の量は、人によって異なります。治療や摂取量の考え方を含めてい、医師監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
銀杏中毒の原因
「銀杏中毒」というのは、文字通り、銀杏の食べ過ぎによって起こる中毒症状のことです。銀杏はイチョウの種子で秋の食材として日本全土で広く食べられていますが、微量ではあるものの「4-O-メチルピリドキシン」と呼ばれる抗ビタミン成分が含まれており、多量に摂取すると中毒症状が起こります。この「4-O-メチルピリドキシン」はビタミンB6に似た物質で、体内に入るとビタミンB6の働きを阻害します。するとビタミンB6によって調整されていたグルタミン酸という神経伝達物質が異常に増加し、体に様々な神経症状が出てしまうのです。ビタミンB6が体内に十分に蓄えられている大人では発症しにくいですが、蓄えの少ない子供だと少量の銀杏で中毒症状が起こるため危険です。
銀杏中毒の症状
銀杏中毒の症状は主に嘔吐や吐き気に続く目まいや痙攣(けいれん)ですが、他にも呼吸困難や不整脈、足の麻痺など様々な形で現れます。摂取量により個人差はありますが、大体摂取から4時間から6時間ぐらいで発症する事が多いです。早ければ1時間で発症することもあるので注意しましょう。吐き気を吐かせて治めようとする人がいますが、この症状はすぐに治まることは少なく、悪化する可能性が高いので危険です。痙攣症状を繰り返して死亡することもあり、すぐに病院で適切な処置を施してもらいましょう。
銀杏中毒の治療
治療については、痙攣症状がある場合には、痙攣を抑える「ジアゼパム」などと呼ばれる薬を投与し痙攣を抑え、不足しているビタミンB6を補う効果のある「リン酸ピリドキサール」を注射します。銀杏中毒はビタミンB6が急激に不足することによって起こる症状ですので、ビタミンB6を補うことが一番の治療法です。症状の軽重に関わらず、最初に行うべき治療といえます。また、一旦症状が治まっても再発することがあるので、治療後には入院して一晩安静にすることが多いです。
銀杏中毒の予防
銀杏中毒は、当然ですが、銀杏を食べ過ぎなければ簡単に予防することができます。しかし、中毒症状はビタミンB6をどれくらい体内に蓄えているのかにも依存しているため、食べ過ぎのラインが人によって異なるので一様ではありません。最も少量のケースでは、子供で7個、大人で40個となっています。これはどちらかというとビタミンB6が不足気味だった場合です。子供が銀杏を7つ食べてしまったからといってすぐに病院に連れていく必要はないでしょう。子供が30個食べても大丈夫だったというケースも報告されていますので、栄養状態が良ければ発症する可能性は低くなります。
何らか形で銀杏を食べるのであればビタミンB6を多く含むマグロやレバーなどを食べることをおすすめします。確実な予防法ではありませんが、発症確率は下がるでしょう。経口のビタミン剤があるのであれば、食前に飲んで置くのも予防になります。とはいえ、どのようなケースであっても、沢山食べないようにする事が一番の予防です。
銀杏中毒の再発可能性と何科にいくか
銀杏中毒はビタミンB6の不足が原因ですので、過去に銀杏中毒になったからといって耐性がつくわけではありません。銀杏中毒は銀杏を食べ過ぎれば毎回起こると考えて良いでしょう。銀杏好きの方は特に注意してください。銀杏中毒の症状は急性のものです。発症したら救急病院などで治療を受けてください。痙攣が起きていない軽度のものであれば、内科などでビタミンB6の注射を受けるのも良いかもしれません。発症前であっても、明らかに食べ過ぎてしまい、銀杏中毒の発症が気になるという場合には内科医に相談しましょう。その場でビタミンB6を摂取できれば、発症が抑えられる可能性があります。
銀杏中毒についてご紹介しました。銀杏を食べすぎたあとの体調変化に不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。
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