「食べてすぐ横になると太る」って本当? メカニズムとデメリット

  • 作成:2021/08/09

食べてすぐ横になると太ってしまう、という言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか。「牛になる」とまで言われることもありますが、果たしてこれは本当でしょうか。色々な医師の見解を見て考えてみたいと思います。 ※この記事は医師監修のもと、作成しております

アスクドクターズ監修ライター アスクドクターズ監修ライター

この記事の目安時間は3分です

医師たちの回答

【温泉医者 先生/臨床病理科/総合臨床科】
そんなことはありませんよ。別に違いないでしょう。右を下にすると胃の内容が多少流れ易くなるかもしれないので、胃腸の動きの悪い人には気持くらいでもいいかもしれませんが、意味は特にないでしょう。

【massive TAE 先生/消化器内科】
食べてすぐに横になっても太らないとは思います。食事摂取の量の問題でしょう。

食べてすぐ横になることと、太ることとはあまり関係のないことのようです。それよりも、実際に食べた量やカロリーの方が影響しそうだ、という意見が多いようです。もし「食べてすぐ横になると太りやすくなる」と思っている方が居たら、その心配はあまりしなくて良さそうです。

ヒトが食べ物を消化するメカニズムと、食べてすぐ横になるデメリット

ヒトが食べたものは、食道を通って胃に入り胃酸で消化された後、小腸で栄養を、大腸で水分を吸収して、残りは便として排泄されます。このとき、胃や腸の働きに関わっているのが副交感神経です。そのため、ヒトは食事のあとは副交感神経を優位に働かせて、消化を進めようとします(食後に眠くなるのはこれが原因です)。このときに、無理に動き回ると消化不良を起こしてしまいます。そのため、食後はできるだけゆっくりと過ごすことをお勧めします。
ただ、ゆっくりと過ごすのが良いとは言え、食後すぐに横になるのが良いかというと、そうとも言えません。食べてすぐ横になると、食べたものが胃から逆流してきて、逆流性食道炎や胸焼けを起こす原因になるからです。特に、既にこういった症状に悩まされている人は、食べてすぐに横になるのは控えた方が無難です。

「食べてすぐ横になる人」の生活習慣を考える

ただ、「食べてすぐ横になる人」は太りやすい、という関連は考えられるかもしれません。たとえば、食事のすぐ後にいつも横になる、ゴロゴロしている人というのは、基本的に食事の後以外も横になってゴロゴロしている時間が長い傾向にあると考えられます。つまり、日常的に運動量が少ない、消費カロリーが小さい、より太りやすい生活を送っている可能性が高い、ということです。
また、少なめの食事や物足りない食事を摂った後よりも、満腹になるほど食事を摂った後の方が、人間は横になりたくなるものです。つまり、食べてすぐ横になる人というのは、日常的に満腹になるほどの量を食べている傾向にあると考えられます。つまり、日常的に摂取カロリーが多い、より太りやすい食生活をしている可能性が高い、ということです。
以上の点から、「食べてすぐ横になると太る」というよりも、「食べてすぐ横になる人は太りやすい生活をしている」と言った方がより妥当かもしれません。

まとめ

食べた後すぐに横になったからといって、それで急に太りやすくなる、という心配はしなくて良さそうです。しかし、食べた後すぐに横になると胸焼けなどの症状を起こしやすくなる可能性がありますので、そういった症状に悩んでいる人は、食後すぐに寝転がる習慣は見直した方が良いでしょう。
また、食べてすぐ横になる習慣のある人は、日常的に運動量が少なかったり、食べる量が多かったりと、もともと太りやすい生活習慣をおくっている傾向があります。食後の行動よりも、普段の行動や食べる量を見直してみた方が、より太りやすい原因を見つけやすいと思います。

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