糖尿病リスクをセルフチェック!自分でも今すぐできる予防法は?
- 作成:2021/08/07
「最近、おなかが出てきた」、「健康診断でBMI値が高かった」など、30代以上になると健康が気になりはじめます。糖尿病など頭の隅にも浮かばない方が多いかもしれませんが、この段階で気をつけないと10年後、20年後に糖尿病発症リスクがとても高くなります。 ※この記事は医師監修のもと、作成しております
この記事の目安時間は3分です
糖尿病予防はなぜ大切なのか
20歳以上で糖尿病が強く疑われる人は、男性が約5人に1人(19.7%)、女性は約10人に1人(10.8%)であることが、令和元年の「国民健康・栄養調査」で明らかになりました。
糖尿病は、初期には目立った症状もなく、痛くもかゆくもない病気。少しくらい太っても心配ないと、高カロリー・高脂質の食事に偏ったり、運動不足の生活を送っていると、糖尿病は静かに忍び寄ってきます。患者として治療される方は50代以上から増えますが、糖尿病の芽はそれ以前からすでに作られているのです。
糖尿病予防がどうして大切なのか。それは、糖尿病による合併症があるからです。失明の危険性がある「糖尿病網膜症」、人工透析が必要になる「糖尿病腎症」、手足にしびれが起こり最悪は足先や手を失う「糖尿病神経障害」が主な合併症です。これらは糖尿病と診断されても治療しなければ10年〜20年で糖尿病による動脈硬化で血管がぼろぼろになって次々と起こってきます。また、世界的に猛威を振るう新型コロナウイルス感染症に糖尿病患者が感染すると、重症化するといわれています。
ただ、糖尿病予備軍であったり、すでに糖尿病になっていたとしても、合併症を抑えることは可能です。
糖尿病のリスクチェックと予防法
おいしいものも食べたいけれど、将来、糖尿病で合併症を起こすのは避けたいものです。糖尿病のリスクがあるか、まず現在の状態をチェックしましょう。
1 親族に糖尿病・高血圧症・脂質異常症・肥満の人がいる。
2 親族に脳卒中や心臓の疾患にかかった人がいる。
3 肥満傾向。
4 食事時間は不規則で、一食でまとめて食べることがある。
5 早食いで15分あれば食べ終わる。
6 揚げ物などこってりした食べ物が好き。
7 野菜は食べない。
8 夜食をよく食べる。
9 飲み物は糖類の入ったものが多い。
10 デスクワークで体を動かすことが少ない。
11 ストレスを抱えている。
12 睡眠不足が続いている。
①と②は自力では不可能でも、③以降は改善可能です。一度にすべてを改善するのはリバウンドのもとになるので、チェック項目が多かった方は1つ2つから取り組んでみましょう。
たとえば、一度に大食いしがちな人は食べ順を変え、野菜から食べます。野菜の食物繊維が糖の吸収を抑えてくれます。野菜を大きめにカットすれば、かむ回数も増えて大食い防止に。少しずつでも変えていけばリスクを減らすことができます。
糖尿病予防に役立てたい健康診断結果
健康診断の結果用紙は捨てずに持っていますか? 毎年の健康診断の結果は、今と過去を結ぶ重要な健康財産なので、捨てずに保管しておきましょう。
前年と比べ、BMIと腹囲で基準値を上回りはじめたら、ダイエットを心がけてください。高カロリー・高脂質のものを控え、エスカレーターを階段に変えるだけでも、効果は出るはず。次の健康診断の目標にするとよいでしょう。
糖尿病予防で一番気をつけたい項目は、血糖値とHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)。
血糖値は血液中にある糖の値で、多すぎると糖尿病になります(下表参照)。ただ、空腹時と2時間後血糖値の間に急激に血糖値が乱高下する人もいて、これを「食後高血糖(血糖値スパイク)」といいます。普通の検査ではわからないので、“隠れ糖尿病”とも呼ばれ、若い人でも起こることがあるので注意が必要です。
HbA1cは過去1、2カ月前の血糖値の平均的な値を反映したもので、年齢によって基準は異なりますが、健康診断での目安は6.2%未満で、これを超えると治療の対象に、正常とされているのは5.6%未満です。
ここで取り上げた糖尿病は、遺伝的要素に加え生活習慣が原因とされるⅡ型です。毎日の習慣が糖尿病を呼び込むのであれば、毎日少しだけ気をつけることでほぼ予防できるということ。これを機に、ぜひ、食事や運動など生活習慣を見直してみてください。
血糖値の基準
参考サイト
厚生労働省
厚生労働省
日本人間ドック学会
Pharma Medica新型コロナウイルス感染症と糖尿病診療
国立国際医療研究センター 糖尿病センター
COVID-19と糖尿病の入院患者の表現型の特徴と予後:CORONADO研究
食べ方と食べる時間が血糖変動に影響を与える
一般社団法人日本生活習慣病予防協会
一般社団法人日本糖尿病学会
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