糖尿病の検査と価格 血液検査の仕組み、市販のキットは信頼性は?

  • 作成:2016/03/15

糖尿病の検査は多様な種類があり、目的がそれぞれあります。価格や、市販の検査キットの考え方も含めて、専門医師の監修記事で、わかりやすく解説します。

アスクドクターズ監修医師 アスクドクターズ監修医師

この記事の目安時間は3分です

糖尿病の病院の検査はどんなことをする?

糖尿病に対する病院での検査は、主に糖尿病の診断と、合併症の危険性の評価を目的として行われます。血糖値に関する糖尿病の検査は以下のような種類があります。

・尿糖検査
・血糖検査
・HbA1c検査
・グリコアルブミン検査
・1,5-AG検査
・経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)

他にはインスリンの作用不足の程度を調べるために、尿中や血液中のケトン体(脂肪の分解でできる物質)を調べることもあります。膵臓(すいぞう)のインスリン分泌能を調べる目的で、「血中インスリン濃度検査」や「尿中C-ペプチド検査」などを行うこともあります。

糖尿病では、動脈硬化の進行により、様々な臓器に障害が起きます。特に三大合併症である糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害の評価の検査は必須で、「眼底検査」「尿中アルブミン尿測定検査」「腱反射テスト」といった検査が行われます。糖尿病を発症している人はその他の生活習慣病も合併していることが多いため、血圧、心電図、コレステロール、中性脂肪なども調べます。急激な糖尿病の発症の場合は、膵臓がんなどを合併している可能性もあるため、全身のCTを実施することもあります。

血液検査はどんなもの?何がわかる

糖尿病に対する血液検査には、その目的によって様々なものがあります。

まず平常時の血糖値を測定する場合には採血をして「随時血糖検査」を行います。空腹時の血糖値を測定する場合には、「早朝空腹時血糖検査」といって、朝食を抜いた状態で血糖値をみるために、採血を行います。

「経口ブドウ糖負荷試験」は、別名「75gOGTT」とも呼ばれ、ブドウ糖75gを水に溶かしたもの、または同等の物を飲み、ブドウ糖負荷後、30分、1時間と2時間後に採血し血糖値を測定します。あえてブドウ糖を体内に入れて、負荷をかけることで、インスリンが十分に作用し血糖値を正常範囲内に保てるかどうかを知ることができます。

「HbA1c」とは、ブドウ糖と結合した状態のヘモグロビンを測定する検査で、「グリコアルブミン検査」は血液中のタンパク成分である「アルブミン」がブドウ糖と結合している割合を見る検査です。HbA1cは約1か月間の血糖値の状態を、グルコアルブミンは2週から3週間の血糖値の状態を把握することができます。

病院の検査費用はどれくらい?

病院で行う検査の種類によって検査費用は変わりますが、保険が適応されます。例えば空腹時血糖値、75gOGTT、HbA1c、尿糖検査、インスリン分泌検査などを行った場合には、費用の目安は3600円です。保険が適応されると3割負担になります。ただし病院によって費用が変わることもあるため、事前に問い合わせるようにしてください。

市販の検査キットは信頼できる?いくらいくらいで買える?欠点はない?

厚生労働省の患者調査によると、2014年の糖尿病患者数は316万6000人で過去最高となっています。また、糖尿病を疑われる人は男性の15.5%、女性の9.8%と言われており日本で糖尿病がいかに増加傾向であるかわかります。そのため早めに糖尿病に気づけるように、検査キットをインターネットなどで購入できるようにしたり、地域によっては薬局で血糖検査をできるような試みが始められています。

市販の検査キットは尿糖を自分で測定するものや、指先を付属の針で傷つけることによって血液を採取して所定の場所へ郵送して結果を待つものなど様々です。測定できる項目の種類によって値段が違いますが、2000円から10000円程度で購入できます。ただ自分で血液を採取するのが難しく感じる人もいるかもしれません。会社や地域で健診がある場合には血糖検査は含まれていることがほとんどなので受けるようにしましょう。もしそのような機会がなく、市販キットでも自分で測定できるか不安な場合には、病院で年に1回は血糖検査を受けるようにするのも、1つの考え方です。

糖尿病の検査についてご紹介しました。もしかして○かもしれないと不安に感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

病気・症状名から記事を探す

あ行
か行
さ行
た行
な行
は行
ま行
や行
ら行

協力医師紹介

アスクドクターズの記事やセミナー、Q&Aでの協力医師は、国内医師の約9割、33万人以上が利用する医師向けサイト「m3.com」の会員です。

記事・セミナーの協力医師

Q&Aの協力医師

内科、外科、産婦人科、小児科、婦人科、皮膚科、眼科、耳鼻咽喉科、整形外科、精神科、循環器科、消化器科、呼吸器科をはじめ、55以上の診療科より、のべ8,000人以上の医師が回答しています。

Q&A協力医師一覧へ

今すぐ医師に相談できます

  • 最短5分で回答

  • 平均5人が回答

  • 50以上の診療科の医師