糖尿病の初期症状、チェック項目 目、尿、足、皮膚にも注意!

  • 作成:2016/03/15

糖尿病は、進展すると腎臓の機能が失われたり、失明したりする可能性のある重大な病気です。皮膚や目、尿、足などに初期症状が現れる可能性があります。糖尿病の初期症状について、専門の医師の監修記事で、わかりやすく解説します。

アスクドクターズ監修医師 アスクドクターズ監修医師

この記事の目安時間は3分です

糖尿病の初期症状にはどんなものがある?前兆あり?

糖尿病は、発症するまで前兆がないのが主な特徴であり、早期段階でもほとんど自覚症状が現れません。しかし、糖尿病が進行すると以下のような症状が出るようになります。

・疲れやすい
・しきりに喉が渇いて大量の水分を摂る
・尿の回数と量が多くなる
・体重が急激に減る
・手足のしびれなどの症状が現れるようになる

糖尿病は、高血圧や動脈硬化などの生活習慣病を悪化させます。そのため、心筋梗塞や狭心症などの心臓の病気や、脳梗塞などの脳血管障害などになるリスクが高くなってしまいます。また糖尿病を発症すると、かぜやインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。さらに感染症が悪化して重症化しやすいだけでなく、感染症によって、血糖値のコントロールがうまくいかなくなり、糖尿病の悪化にもつながってしまいます。

糖尿病は、さらに進行すると重い合併症を起こすことがあります。とくに目、腎臓、足や皮膚などの各部位にみられる「糖尿病性網膜症」「糖尿病性腎症」「糖尿病性神経障害」は、糖尿病の3大合併症と言われています。合併症が進行すると、失明、人工透析、脚の切断など、生活の質を大きく低下させてしまうことも珍しくありません。

気になる症状があるときは、早めに糖尿病内科などの専門科に相談してみましょう。また、健診などで血糖値の異常が見つかったときは、自覚症状がなくても早めに医療機関を受診しましょう。

目に出る糖尿病の初期症状

目は、糖尿病の合併症がとくに現れやすい部位のひとつです。初期の段階では自覚症状がないことが多いですが、糖尿病の進行による合併症や糖尿病の影響で、ドライアイ、まぶたが開かない、物がダブって見える、などの症状が現れることがあります。また、血糖値がうまくコントロールできて糖尿病の症状が落ち着いているときに、一時的に遠視になることもあります。

いずれの症状も、加齢が原因であることも多いですが、糖尿病が影響している可能性もゼロではありません。目の症状が現れたら早めに眼科を受診するようにしましょう。糖尿病が進行すると、合併症として「糖尿病性網膜症」という網膜の病気が現れることがあります。糖尿病性網膜症は、網膜の血管がつまりやすくなって視力が低下し、やがて失明することもあるため、わずかな変化も見逃さないようにしましょう。

尿でわかる糖尿病の初期症状

尿は、糖尿病や腎臓の状態をチェックできる指標になります。糖尿病を発症すると尿の量と回数が多くなり、尿の色が無色透明であることが多くなります。また血糖値が高くなると、尿の中に含まれる尿糖が増えるため尿から甘いにおいがしたり、蛋白尿のため尿が泡立ったりすることもあります。

さらに、糖尿病の状態が続くと、尿の量が減少し、「糖尿病性腎症」という合併症が現れることがあります。これは、血糖によって腎臓内の細かい血管が傷つけられるためです。腎臓は体内の老廃物をろ過する役目をしていますが、糖尿病によって腎臓が障害されると老廃物を十分ろ過できなくなります。腎臓のろ過機能が低下すると、尿を作り出せなくなってしまうために、尿の量が減少、結果として老廃物が体に蓄積するため倦怠感や頭痛、かゆみなど様々な症状が出てしまいます。糖尿病性腎症が進行して腎臓の機能が著しく低下した場合は、人工透析を導入するケースもあります。

足や皮膚に出る糖尿病の初期症状

糖尿病を発症すると、早期の段階から手足のしびれが現れることがあります。これは「糖尿病性神経障害」といい、高血糖の状態が続くと神経が傷ついてしまうためです。神経障害は、細い神経が走っている手足の先などから症状が現れ、やがて全身に症状が見られます。

神経障害が進行すると、足や皮膚に何も触れていないのに痛みを感じることもある一方で、ケガをしたり熱いものに触れたりしても痛みを感じなくなります。ケガをしたときなどに痛みを感じないと、傷が化膿して悪化しやすくなります。さらに悪化すると、潰瘍となったり、組織が腐ってしまう壊疽(えそ)という状態になったりすることがあります。壊疽の回復の見込みがない場合は、全身に細菌が回ってしまい生命を脅かす危険があるため、壊疽した部分を手術で切除します。

糖尿病の初期症状などについてご紹介しました。もしかして糖尿病かもしれないと不安に感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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