妊娠糖尿病の時の食事の考え方 おやつや外食はだめ?糖質制限の意味も解説

  • 作成:2016/01/18

妊娠糖尿病になった場合、肉や糖分が多いものは勧められません。生まれてくる赤ちゃんのためにも、野菜や植物性たんぱく質を多く含んだものを食べるようにしましょう。おやつや外食についても、押さえるべきポイントがあります。妊娠糖尿病の時の食事について、医師監修の記事でわかりやすく解説します。

アスクドクターズ監修医師 アスクドクターズ監修医師

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ケーキを持つ女性

妊娠糖尿病の治療 糖質制限の効果とは?

妊娠糖尿病は胎児に異常をきたすだけでなく、早産、流産、妊娠高血圧症候群などの原因にもなるので正しい食事の知識をもって、食べてはいけないものと食べてよいものを認識し血糖値を上げないようにすることが大切です。

三大栄養素(炭水化物、脂質、タンパク質)のうち、血糖値の上昇に関与するのは炭水化物(糖質)のみです。炭水化物はほぼ100%がグルコースに変換され、食事によって急激に血糖値を上昇させます。しかし、それ以外の栄養素は血糖値にほとんど影響しません。

このため、糖尿病に対する食事療法では、主食(炭水化物)を減らす糖質制限食が行われており、これは妊娠糖尿病の治療にも有効です。

妊娠糖尿病、肉や糖分の多いものはダメ

具体的には、牛、羊、豚などの赤身肉、特に脂身の多い肉、またベーコンやソーセージなどの加工肉を使った食事を多く摂ると妊娠糖尿病になりやすく、また悪化させると考えられています。チョコレートやアイス、クッキーなど糖分を多く含んだものも食べてはいけません。

前述のように糖質制限にも意味があります。血糖値を上げる原因となる食べ物には糖質が多く含まれていると言われており、私たちが主食としているご飯やパンなどの炭水化物にも含まれているので、食べすぎには注意が必要です。

野菜や植物性たんぱく質がオススメ

妊娠糖尿病になった際にも食べていいものは野菜や植物性タンパク質などです。具体的にはほうれん草や小松菜、ナッツ類、大豆類、きのこ類、海藻類などです。食物繊維が多く含まれている食材は腹持ちも良いですし、血糖値を上げにくいと考えられています。また腸内環境も整うので妊娠中の便秘などにも効果があります。

他にも焼き魚や酢の物、おひたしのような和食中心の食事は、妊娠糖尿病の時でも食べても良いです。洋食は油分が多いので妊娠糖尿病の時には良くありません。

おやつや外食はダメか?

おやつや外食、間食などはできれば控えた方が良いですが、全てを禁止されてしまうのは辛いものです。最近では血糖値が上がりにくいおやつも多くあるので、それらをとるようにすると良いです。例えば大豆粉をベースにしているお菓子は、小麦粉をベースにしているものより血糖値を上げにくいです。

チョコレートに関しては、ブラックチョコレートやカカオ成分が多めのものであれば少しだけ摂るのならば良いでしょう。どうしてもおやつを食べたい時は、ゼロカロリーのゼリーや水羊羹、低糖質と記載されているプリン、カロリーオフのアイスなどをうまく取り入れるようにしてみてください。

外食は糖質だけでなく、油分、塩分を多く含むことが多いので妊娠糖尿病の時には良くないですが、家族での集まりなどで仕方のない時だけは楽しんでもいいかもしれません。くれぐれも食べすぎには注意してください。

妊娠糖尿病にならないための食事とは?

妊娠中は母親だけでなく、胎児の成長のために十分な栄養が必要なので無理なダイエットは良くありません。胎児の成長を妨げずに、母親が糖尿病にならないような適正なカロリーの食事を摂ることが大事です。そのため妊娠週数によって必要とするカロリーは変わります。食事は時間を決めて1日に必要なカロリーを3回に分けて摂るようにしましょう。脂身の少ない肉類や魚類、卵、大豆食品、食物繊維の多い野菜や海草類などをバランス良く摂るように心がけましょう。また、油の多い洋食よりも素材を生かした和食を進んで摂るようにすると良いです。間食はなるべく避けた方が良いですが、どうしてもとりたい場合には少量のフルーツやカロリーを抑えた市販のおやつを食べるようにしてみてください。妊娠糖尿病は様々な合併症を起こすので、バランスの良い食事を摂って発症予防を心がけたいものです。



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妊娠糖尿病について食事との関係をご紹介しました。もしかして妊娠糖尿病かもしれないと不安に感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、ご活用ください。

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